Kwasan and Hida Observatories, Graduate School of Schience, Kyoto University English Home page

京都大学大学院理学研究科附属天文台は、花山(かざん)天文台、飛騨天文台、岡山天文台からなります。

花山天文台は、大学天文台として日本で2番目、1929年(昭和4年)にできた伝統ある天文台です。初代天文台長・山本一清教授の献身的な天文学普及啓蒙活動のおかげで、アマチュア天文学の聖地と呼ばれることもあります。飛騨天文台は、1960年代の山科地域の発展によって空が明るくなった花山 天文台に代わる天文台として、1968年(昭和43年)に創立されました。太陽分光観測では世界屈指のドームレス太陽望遠鏡や、太陽全面H-alpha観測では世界最高性能を誇るSMART望遠鏡などを有し、太陽地上観測の世界的拠点の一つとして活躍しています。岡山天文台は2018年(平成30年)に東アジア最大の3.8m光学赤外線望遠鏡が完成し開設、ガンマ線バースト、スーパーフレアなどの突発天体や系外惑星の観測で活躍が期待されています。

天文台の主たる研究分野は、太陽・宇宙プラズマ物理学、太陽物理学、恒星物理学、赤外線天文学です。太陽研究では、スペース観測、地上観測、理論シミュレーション研究、さらには宇宙天気研究と、すべての太陽研究分野がカバーされており、これほど分野的に充実している太陽研究グループは世界広しといえどもおそらくここだけでしょう。また、岡山天文台+宇宙物理学教室では突発天体などの観測、理論の両面で世界トップクラスの研究者と設備を有しています。

天文台の教員は、理学研究科の宇宙物理学教室の教員とともに、同教室に所属する大学院生や学部生の教育に参加しています。天文台で行われている研究に大学院生として参加したい学生諸君は、理学研究科の物理学・宇宙物理学専攻の入試を受験してください。学部生として天文台で学びたい諸君は、理学部宇宙物理学教室の課題演習(C)や課題研究(S)をとってください。

天文台はアマチュア天文の聖地と呼ばれる89 年の輝かしい伝統をふまえ、市民の方々や小中高の生徒のみなさんにオープンな天文台を目指しています。そのため、2006年にNPO法人「花山星空ネットワーク」が設立されました。市民の方々の協力を得て、観望会、 講演会などを開催し、天文学・自然科学の教育普及に貢献しよう、というのが目的です。また、教育普及の拠点としての花山天文台を将来的に末永く存続させるために、2017年に「花山天文台の将来を考える会」が設立されました。みなさま、ぜひこれらの会に参加し、天文台にお越しください。太陽や宇宙の美しい姿を見つつ、宇宙や人類の未来について語り合いたいと思います。