編 集 後 記


 

七月20日過ぎからは、各地で梅雨明けとなり、関東では22日に宣言が出たが、スッキリとした晴れ間にはならず、数日は雲の多い天気が続いた。23日が「大暑」であった。25日には青空が夕方まで続いて、南西の空に低くなっている火星が肉眼で捉えることが出来た。火星はスピカの北を既に通過していて、「てんびん座」に向けて足早に順行を続けている。視直径も七月末には8秒角を下回り観測期も終盤となっている。

 


 

今月も南先生の筆は進まず、五月前半の観測を総括するに留まった。この期間は、今回接近でもっとも注目された期間で、期待されたマレ・アキダリウム北西に発生するサイクロン現象が出現して、視直径もまだ大きな期間で各地からの興味深い重要な情報が蓄積された。

経度的に日本の位置が良く、連日追跡されたが、天候に恵まれずに十分な結果が得られなかった。それを補うようにオーストラリアの観測者の活躍があって、極雲活動の様子が時系列的に捉えられて今後の解析に興味がもたれる。その後も五月後半には、ヨーロッパ・アメリカ側に視点が移ったが、五月末まで継続した活動の観測が集まっている。ウトピア付近の極雲活動も始まっていて、次回のお楽しみである。

七月28日記

 

火星課長 村上昌己


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