2013/2014 CMO/ISMO 観測レポート#16

2014年十月の火星観測 (λ=206°Ls~224°Ls)

CMO #430 (25 January 2015)

村上 昌己・南 政


・・・・・ 火星は十月には「さそり座」から「いて座」へと進んで、26日には視赤緯は最南(2457'S)となった。視直径はδ=6.1"から5.6"とさらに小さくなっている。季節はλ=206°Lsから224°Lsと南半球黄雲発生の時期は進んでいるが大規模な発生は見られず、局所的な擾乱が6日からニリアカス・ラクス付近に見られたなどである。傾きはφ=6°Nから3°Sと南向きに変わって南半球が少し大きく見えるようになった。南極冠は恒常的に見えていて、北極方面は北極雲が支配するようになってきた。位相角はι=39°から36°と丸みが少し戻った。19日には、サイディング・スプリング彗星(C/2013 A1)が火星の直ぐそばを通過していった。直接の影響は少なかったようで、地球からの観測では火星面の変化は報告されていない。

 

・・・・・この期間には、観測報告は以下のように3名の報告者から21件の報告を拝受した。南アフリカのフォスター氏の独壇場で一日一セットながらほぼ連日の報告が寄せられている。オーストラリアからはヴァリムベルティ氏からだけとなってしまった。北半球からの観測条件はさらに悪くなって、追跡を続けている森田氏からも一件の報告だけであった。

 

    クライド・フォスター (CFs) センチュリオン、南アフリカ

     17 Sets of RGB + 1R + 17 IR Images (4,~8, 11, 12, 14, 15, 17,~20, 25,~29 October 2014)

                                                 36cm SCT @f/33 with an ASI 120MM

    森田 行雄 (Mo)  廿日市市、広島県

      1 Set of RGB + 1 LRGB Colour + 1 L Images (19 October 2014)  36cm SCT with a Flea 3

 

    モーリス・ヴァリムベルティ (MVl) メルボルン、オーストラリア

      2 Sets of RGB + 2 IR Images (5, 20 October 2014)  36cm SCT @f/24 with an ASI 120MM

 

 

・・・・・  十月の各観測を、日付順に先月のように短評する。

 

     4 October 2014 (λ=208°Ls, δ=6.0")

    Clyde FOSTER (CFs)氏がω=069°Wで三色分解像とRGB像を得た。像は可成り秀逸で、R像では南極冠が好く見え、こちらから左端附近が特に明るい。南極冠は既に中央部がλ=200°Ls前から暗くなって、周邊が明るく輝いている時期で、南極冠の偏芯を担う領域---ヒュッペルノチウス・モンスを含む領域はより明るく見えているはずだから、この邊りが左端附近に際立っているのであろう。ソリス・ラクスは明確に孤立して濃く(IRでは最も濃い塊)、タウマジアの向こう岸も十分に濃い。アウロラエ・シヌスの邊りも濃く、ティトニウス・ラクスとの絡みもこのR像は優れている。北のルナエ・ラクス、ニロケラス、マレ・アキダリウムの南部(旧い名称ではニリアクス・ラクスの領域)の濃淡分布も良く描き分けられている。マレ・アキダリウムの中央以北は靄っており、これがG像では明るく、B像では北極域は大きく明るい。但しIRでは目立たない。南極冠も然程明るくない。RGBでは暗色模様はっぽいのは気になる。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2013/141004/CFs04Oct14.jpg

 

 

           5 October 2014 (λ=208°Ls~209°Ls, δ=6.0")

    Maurice VALIMBERTI (MVl)氏がω=310°WIR像を含むワンセットとRGB像を与えた。RGBではシュルティス・マイヨルが色合い好く顕れていて、シヌス・サバエウスも朝方に見えている。ヘッラスは最早白さはない。南極冠はBで形がよい。シュルティス・マイヨルはRGで出ているが、適當に暈け、RGB全体がクリアではない。しかし、色調は火星らしく落ち着いている。砂漠の色が特に渋い。

     CFs氏がω=059°WIR像を含むワンセットを得た。矢張りR像が好く、ソリス・ラクスは朝のターミネーターに寄ったが、P端からはシヌス・メリディアニが一本爪で見え始めた。マルガリティフェル・シヌスも好く見える。南極冠は東側が輝いていて、アルギュレの方に靄を出しているようにも見える。Rで明るく、Bでは暈けている。マレ・エリュトゥラエウムは不規則に淡い方だが、アウロラエ・シヌスの南は濃く、こことマルガリティフェル・シヌスが両脇を固めた感じ。オピル-カンドルが顕著。Bでは北極域は明るく冩り、Gでも、またRでも少し明るく見え、RGBでは靄が左に寄ってマレ・アキダリウムは形をなさない。ニロケラスは見えている。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2013/141005/MVl05Oct14.jpg

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2013/141005/CFs05Oct14.jpg

 

 

              6 October 2014 (λ=209°Ls~210°Ls, δ=6.0")

      CFs氏がω=050°Wでいつものワンセット。南極冠はP側が矢張り明るい。南極冠から水蒸氣はアルギュレの方に降りているように見える。B像では水蒸氣が上空に伸びているかもしれない。シヌス・メリディアニが濃くなってきたが、その分ソリス・ラクスは朝方に抜け始めている。オピル-カンドルは見えている。アウロラエ・シヌスは未だ濃く、ガンゲスもニロケラスも明確で顕著。ニロケラスとマレ・アキダリウムとの間に黄塵が立っている。これはGでもやや明るく、RGBでは砂漠の色が部分的に少し明色になっている。典型的な局所黄塵であろう。もう一カ所更に東のオクススとマレ・アキダリウムに囲まれる部分に弱い局所黄塵が見える様だ。これらは早朝の温度変化の中で発生し、そのまま午後まで達したのであろう。北極域の雲のこの日の特徴は全体に朝方に偏ったということである。朝のターミネーター附近での低気圧気団の大氣擾亂があったのであろう。

 

  なお、MRO MARCI Weather Reports から6 Oct 2014の圖を参照すると、この黄塵がMRO MARCI像でどのように顕れるかが判り、參考になる(6 October 2014 12 October 2014, released: 15 October 2014) 。視直徑δが小さくなっても、こうした黄塵が地上から捕捉されるいうことの実証になっている。尤も、MROの像ではアガトダエモンに沿っても黄塵の分布が見られるが、これはCFs氏の像では明白とは言えないので表現の心構えに參考になろう。更に、4 Oct 5 Octの像にも別の形で黄塵が顕れており、表現力、読み方など調べてみるのは興味深いと思う。但し、7Octには拡散したように見える。なお、16Oct~18Octの頃になっても似たような黄塵が立っているので留意する。

         http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2013/141006/CFs06Oct14.jpg

 

 なお、近内令一氏がCMO#428Web版のLtEでこの黄塵に注目して、MRO畫像附きで解説されているので、

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmo/ISMO_LtE428.htm

18Oct受理のemailを御覧いただきたい。他に近内天文台の建設風景や、インド打ち上げ火星探査船からの火星写真とCFs氏の写真の比較などが書かれている。

   ところで、今回の季節と然程違わない2003年のλ=214°Lsに矢張りクサンテ地方で、小黄塵が発生したのが、VALIMBERTI氏ほかPAU, NG, KUMAMORI, ISHADOH氏、MINAMI によって観測されたことがある。これについてはCMO#289

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmomn3/289Note02j_03/index.htm

CMO Noteとして纏めてある。參照願いたい。

 

             7 October 2014 (λ=210°Ls, δ=6.0")

     CFs氏はω=038°WでワンセットとRGBを齎した。これもR G IR像、RGB像共々良像で、南極冠は明るく、シヌス・メリディアニが更に濃く、マルガリティフェル・シヌスも明確で、濃いアウロラエ・シヌスと組になってエオスなどを挟んでいる。マレ・アキダリウムは寸足らずだが、ニリアクス・ラクスのところは形をなし、オクススがそこから東へ走っている。オクススとマレ・アキダリウムの間は砂漠の色より些し赤っぽい。北極雲は大きくBなどでは圧巻だが、Gで見ると東側に寄っている(點で前日と違う)。なお、これら模様の配置は1954年、1969年、1986年に見た火星像を彷彿とさせる。例えば1954年にはλ=210°Ls7 Aug 1954に當たったが、φ=4.2°Nで傾き(tilt)も似ている。但し、このときはδ=18.4"で今回とは雲泥の差である。因みに筆者の内一人(Mn、當時15)は足羽山の15cm鏡で観測をしている。ただし、この日はω=312°Wω=330°W邊りの観測で、ω=042°Wという角度は、4 Aug 1954 (λ=209°Ls)に観測している。1969年の場合は17 Aug 1969 (λ=210°Ls)だが、f7.9°Nで些しずれる。δ12.9"であった。1986年も同じような環境だが、例えば21 July 1986 (λ=209°Ls)ではφ=4.4°Stiltがやや違う。但し、δ23"で可成り大きい。1986年は16Julyが最接近日であったからである。2016年には同じようなconfigurationが期待される(2001年は黄雲事件があった)

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2013/141007/CFs07Oct14.jpg

 

 

              8 October 2014 (λ=210°Ls~211°Ls, δ=6.0")

        CFs氏がω=027°Wで同じようなワンセットを得た。シヌス・メリディアニがだいぶ中に入り、二股も感じられる。マルガリティフェル・シヌスがIRなどで顕著で、アウロラエ・シヌスが朝方に濃く、後は平凡。特徴は南極冠から朝方のアルギュレの方に靄が滲み出している。RGで綺麗に出ている。マレ・アキダリウムはニリアクス・ラクスが分離している様子。オクススは RGBで明確。北極雲は東側に濃い。

       http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2013/141008/CFs08Oct14.jpg

 

 

              11 October 2014 (λ=212°Ls~213°Ls, δ=5.9")

       CFs氏がω=359°Wで同じようなセットを得た。シヌス・サバエウスが全体見え、マレ・セルペンティスから南に暗帯が延びている。デプレッシオネス・ヘッレスポンチカエがやや濃いか。アラムがやや明るく、 マルガリティフェル・シヌスも濃く見え、IRではオクシア・パルスが出ている。南極冠はあまり明確ではないが、Bでは盛り上がっている。北極雲は核が見えない。

         http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2013/141011/CFs11Oct14.jpg

 

 

                12 October 2014 (λ=213°Ls, δ=5.9")

      CFs氏が引き続きω=351°W1954年型の像をシヌス・サバエウスを中心に得た。Rではシヌス・メリディアニの双対の爪は見え、RGでシュルティス・マイヨルがP端近くに明確。Rではシュルティス・マイヨル南部が淡くなっており、マレ・セルペンティスからデプレッシオネス・ヘッレスポンチカエに向けて暗帯。南極冠の北側暗帯が濃い。南極冠から朝方縁に沿って吹き出しがある模様。北極雲は可成りの擴がり。

        http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2013/141012/CFs12Oct14.jpg

 

 

                14 October 2014 (λ=214°Ls, δ=5.9"~5.8")

       CFs氏が更に進んでω=330°Wで撮像した。 シュルティス・マイヨルの北部の描冩は好いが、P縁の處理は多分拙いと思う。シヌス・メリディアニは朝近くへ行った。デプレッシオネス・ヘッレスポンチカエ附近は些し複雜で、更に南極冠縁の暗帯と繋がる。R IRではボレオシュルティスが見えている。北極雲はBでは顕著だが、後は平凡。

          http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2013/141014/CFs14Oct14.jpg

 

 

                15 October 2014 (λ=214°Ls~215°Ls, δ=5.8")

        CFs氏が前日と似たω=332°Wで撮ったが、色調がこれまでと変わった。こちらの方が好く、RGBは自然で良像。初めてヘッラスは見る価値が出ている。汚れた大氣が漂っている感じで、南極冠の色と独立している。Rも處理が良好で、シヌス・メリディアニとシヌス・サバエウスが好い形。デプレッシオネス・ヘッレスポンチカエ附近は入り組んでいる。RIRで南極冠の暗帯が顕著、ボレオシュルティスの邊りは昨日と同じい。北極雲はおとなしい。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2013/141015/CFs15Oct14.jpg

 

 

                17 October 2014 (λ=216°Ls, δ=5.8")

        CFs氏が引き続きω=302°Wで撮像。些し粗い像だが、ヘッラスが中に入り、盆地内部の西端部が内部砂塵の所爲かやや明るい。大氣が相當汚れてきている感じ。シュルティス・マイヨルの東側がやや明るいが、MRO-MARCIでは特段の異常はない。北極雲は弱くなった(やや温度の高いダスティな大氣の所爲かもしれない)

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2013/141017/CFs17Oct14.jpg

 

 

                 18 October 2014 (λ=216°Ls~217°Ls, δ=5.8")

         CFs氏がω=294°Wで撮った。見かけ上シュルティス・マイヨルが真ん中に來ている。ヘッラス内部に杳い帶が見えている。ヘッラスは北部が変形して狹まって見えるが、MRO-MARCI像ではイアピュギアの邊りに奇妙な黄塵の擾亂があり、これが形を崩している様子。CFs氏像ではシュルティス・マイヨルの東側に光斑があるが、角度の所爲かMRO-MARCIでは目立たない。むしろやや離れたところ(ネペンテス領域?)に強い擾亂がある。全体ダストが漂っている感じ。CFs氏像はGも好く、貴重な参考資料となろう。

  なお、MRO-MARCIの別の画面、クサンテ邊りには6 Octに顕れたと同種の(双子の)黄塵が立っているので参照いただきたい。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2013/141018/CFs18Oct14.jpg

 

 

                  19 October 2014 (λ=217°Ls, δ=5.8")

        Yukio MORITA (Mo)氏がω=186°W RGBLを撮り、RGB LRGB像を構成した。南極冠は判るが、L像が全体に悪く、LRGBはほとんど意味がない。暗色模様を狙うならIRが好いだろう。但し、白雲は消えるだろうが。一応R でマレ・シレヌムが判るといったところ。北極雲域も弱い。

        CFs氏はω=282°Wで撮った。シュルティス・マイヨルは前日と比較して10°ばかり西に寄ったが、ヘッラスを見るのに好い位置。イアピュギア・ウィリディスの邊りの黄塵の所爲で邊りが奇っ怪で、興味深い。殘念ながらMRO-MARCI像はこの邊り破れ提灯になっていてよく判らないが、ヘッラス内部の西端のふやけた砂塵による明るさは出ている。CFs氏像ではイアピュギアから西北に棒状の砂塵が出ているように見えるが、MRO-MARCIではシャープには確認出來ない。後者ではホイヘンス・クレーターは見えている。なお、CFs氏像のように、シュルティス・マイヨル東側では砂塵の拡散があるようだ。北極雲は弱い。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2013/141019/Mo19Oct14.jpg

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2013/141019/CFs19Oct14.jpg

 

 

                 20 October 2014 (λ=217°Ls~218°Ls, δ=5.8"~5.7")

      MVl氏がω=171°Wでワンセットを与えた。南極冠、暗色模様も含めてIR像が最も好く傳えるが、R像はマレ・シレヌムと南極冠の暗帯の間にやや明るい隙間を見せている。北極雲はBGで出ている。

      CFs氏の画像セットはω=279°Wで、シュルティス・マイヨルは朝方になったが、北部の形はRIRで綺麗。ヘッラスの内部も複雜だが、周邊も砂塵で滑らかではない。南極冠はGで一番綺麗。MRO-MARCI像では18Octに見えたイアピュギア邊りの黄塵擾亂が居座っているみたいで、奇っ怪。トリナクリア南部に明確な黄塵がある。CFs氏像でもトリナクリアはRでは複雜。マレ・セルペンティスはいい形だがすぐ北には砂塵の擾亂があるみたい。MRO-MARCIは破れ提灯。なお、破れ提灯では21Oct22Octにはヘッラス内外で黄塵の擾亂がある模様。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2013/141020/MVl20Oct14.jpg

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2013/141020/CFs20Oct14.jpg

 

 

                   25 October 2014 (λ=221°Ls, δ=5.7")

        CFs氏がω=215°WR像のみの観測。南極冠とマレ・キムメリウムがメインで、エリュシウムのあたりも暗示される。MRO画像ではエリュシウムの邊りが破れ提灯。然しアエテリア暗斑に沿う明帯は細く出ている。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2013/141025/CFs25Oct14.jpg

 

 

                   26 October 2014 (λ=221°Ls~222°Ls, δ=5.7"~5.6")

         CFs氏が前日と同角度のω=214°Wでワンセット撮像。マレ・キムメリウムが大きく中央を占め、RIRでは形も見えているが、アリンコの脚は出ない。ヘスペリアの南端は暗部で押さえられ、アウソニア南部は明るい。RGBでの南極冠は白い。エリュシウムは明白。北極雲も明るく見えるがBでも大きくはなく締まっている。MROでは南極冠暗帯北側に沿って砂で掃いたような明るさ。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2013/141026/CFs26Oct14.jpg

 

 

                    27 October 2014 (λ=222°Ls, δ=5.6")

         CFs氏はω=208°Wでワンセットを得る。依然マレ・キムメリウムが大きく横たわり、エリュシウムも朝方。北極雲がこの日は小さく見える。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2013/141027/CFs27Oct14.jpg

 

 

                    28 October 2014 (λ=222°Ls~223°Ls, δ=5.6")

         CFs氏がω=196°Wでワンセット撮像。マレ・シレヌムが見えてきて、シュムプレガデス・インスラエ(Symplegades Insulæ)の邊りが明るく抜けている。ラエストリュゴヌス・シヌスの邊りに暗斑が見える。これはワルハラの一部かもしれない。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2013/141028/CFs28Oct14.jpg

 

 

                     29 October 2014 (λ=223°Ls~224°Ls, δ=5.6")

         CFs氏がω=184°W ワンセットを得た。南極冠が明るく(Gで特に明るい)Rでは左側に光斑がある。逆に北極雲は萎んで、小さなコアが見えるだけ。マレ・シレヌムが主な暗色模様。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2013/141029/CFs29Oct14.jpg

 

 

  雜感:次回接近の折りはλ=180°Ls以降は南半球の局所黄塵の追跡をCFs氏の頻度ぐらいで協同観測をやりたいものである。視赤緯は南に下がるので難しいが、今回の纏めをしてみて、全面を覆うような形での観測遂行に持ってゆきたいものだと痛感した。

 

 


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