CMO/ISMO 2016 観測レポート#18

2016年十二月のISMO火星観測 (λ=272°~291°Ls)

南 政 次・村上 昌己

CMO #458 (25 January 2017)


・・・・・・2016年十二月中の観測を十八回目のレポートとして纏める。この期間には火星は「やぎ座」から「みずがめ座」へと順行をして夕刻の南西の空に残っていた。視赤緯D17°Sから8°S台と高くなって、ヨーロッパからの観測も若干入るようになったのは有り難いことである。季節はλ=273°Lsからλ=291°Lsと進んで、傾きがφ=20°Sを越して大きくなったこともあり、南極地方がこちらを向いて、融解が進んで小さくなった南極冠が確認できている。残留南極冠は偏芯が大きくなり、この時期にはアルギュレ側からが捉えられやすくなっている。視直径はδ=6.5"から5.7"とかなり小さくなったが、主要な暗色模様は捉えられていて大きな擾乱は起こっていないのが判る。位相角ι41°から37°となり丸みが少し戻っている。

 十二月中のMRO MARCIの画像では、ノウォス・モンスは上旬には消滅してしまったこと、アルシア・モンスの山岳雲の活動は弱まりながらもまだ続いていることが判る。

  なお、今回は處理の不適正の爲、ゴーストの出ている像が見受けられた。もう少し慎重でありたい。もう一つ、今回はλ=291°Ls迄の結果だが、2003年にドン・パーカー氏やクリストフ・ペリエ氏によってチェックされた黄雲はλ=315°Ls以降であって、未だ先でありご注意願いたい。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmomn2/285OAAj/index.htm

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmomn2/286OAAj/index.htm

 

 

・・・・・・この期間には下記のように、8名の報告者から54件の報告があった。国内からは29観測、アメリカ大陸側から325観測、ヨーロッバから24観測、南アフリカから116観測の内訳である。追加報告が24件含まれる。

   

     クライド・フォスター (CFs) センチュリオン、南アフリカ

      2 Colour + 16 IR Images (6, 8, 10,~13, 15,~ 18, 20, 29, 31* December 2016)

                                         36cm SCT @f/33 with an ASI290MC & ASI290MM*:

    近内 令一 (Kn)  石川町、福島県

      2 Colour Images (3, 9 December 2016)  41m SCT @f/62 with an ASI290MC

  マーチン・ルウィス (MLw) セント・アルバンス、英国

      2 Colour Images (18, 27 December 2016) 45cm Spec with an ASI224MC

    ポール・マキソン (PMx)  アリゾナ、アメリカ合衆国

      4 Sets of RGB + 14 IR Images  (1, 3,~5, 9, 12,~15, 18, 19, 26, 27, 30 December 2016)

                                           25cm Dall-Kirkham with an ASI290MM

    フランク・メリッロ (FMl) ニューヨーク、アメリカ合衆国

      5 IR Images (4, 10, 14, 24 December 2016)  25cm SCT with a DMK21AU618.AS

    エフライン・モラレス=リベラ (EMr) プエルト・リコ

      3 Sets of RGB + 4 IR Images (6*, 8*, 15, 27 December 2016) 31cm SCT with a Flea 3 & ASI290MM*

    森田 行雄 (Mo) 廿日市市、広島県

      7 Set of LRGB Images  (3, 11, 18, 25, 30, 31 December 2016)  36cm SCT with a Flea 3

 

・・・・・・ 十二月の観測に関して以下に寸評する。

缺測は 2, 7, 21, 22, 23, 28 Decemberの六日間であった。

 

1 December 2016 (λ=272°Ls, δ=6.5",  φ=20°S)

    Paul MAXSON (PMx)氏の25cm Dall-Kirkham 鏡にASI 290MMを載っけてのIR685に依る赤外画像である。ω=164°Wだが、南極冠は然程明確ではない。その上に夕方に太いゴーストが出ているので画像として好くない。PMx氏の画像には26 Oct 2016 (λ=249°Ls, δ= 7.7") ω=162°W φ=10°Sの画像があり、これにはマレ・シレヌムが明確に出ていて、今回の φ=20°Sの場合と比較が出來るが、マレ・シレヌムの邊りは明確ではない。PMx氏には08 July  2016 (λ=182°Ls, δ=15.5" φ=15°N)ω=163°Wの優秀な画像があり、これと比較するとマレ・シレヌムが遙か南に傾くが、マレ・シレヌムの北側に何が見えるべきかが判断できる(ゴルディ・ドルスム邊りやオリュムプス・モンスなど) 

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/161201/PMx01Dec16.jpg

 

 

3 December 2016 (λ=273°Ls~274°Ls, δ=6.5"~6.4")

    PMx氏が引き続き同じ要素でω=143°Wの像を得た。南極冠は些し明確だが、夕方ゴーストは健在で、マレ・シレヌムもどう姿を現しているか判らない。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/161203/PMx03Dec16.jpg

 

    Reiichi KONNAÏ (Kn)氏が41cmSCTASI290MCを載っけてω=237°Wの畫像を得た。マレ・キムメリウムが中央にでんと構え、へスペリアを越えてマレ・テュッレヌムも朝縁に濃く見えている。アウソニアの位置なども判る。マレ・クロニウムの南に些し靄っぽいところが見られるが南極冠は餘り明確ではない。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/161203/Kn03Dec16.jpg

 

     Yukio MORITA (Mo)氏は 36cmSCTFlea 3を付けてω=283°W RGBL要素を撮り、RGB合成像とLRGB合成像を作っている。Mo氏は今期、1 May 20 May 23 May, 30  May, 17 June,  22 July 2016などで上々の画像を得ているが、概して悪シーイングに惱まされた(画像処理が未完でギャラリーには未登録です: Mk)。しかし、ここに來てMORITA調の色模様を得ている。既にδ=6.4"で、詳細は無理だが、朝方のシュルティス・マイヨルはRで形を成して來ているし、LRGB合成でもマレ・テュッレヌム、マレ・キムメリウムが青味を帯びて描冩されている。ヘッラスとアウソニアも明部を示す。ティフュス・フレトゥム前後も出て、テュレ邊りは明るいが、南極冠は向こう側に中心を持つこともあって巧く出ていない。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/161203/Mo03Dec16.jpg

 

                                               

4 December 2016 (λ=274°Ls, δ=6.4",  φ=21°S)

      PMx氏はω=132°WRGB合成像を得た。南極冠が白く見えている。まだ、夕方のゴーストが悩ましいが、北半球の微細も幾らか見えるようで、ゴルジ・ドルスム、オリュムプス・モンス邊りは確認出來る。タルシス山系も見えるが、ソリス・ラクスの邊りはゴーストと重なる。マレ・シレヌムも明確ではないが、マレ・クロニウム邊りには暗帯。南極冠の北には白い靄か。シーイング7/10と紀録。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/161204/PMx04Dec16.jpg

 

 

     Frank MELILLO (FMl)氏が 25cmSCTDMKを付けてω=067°Wω=082°WでのIR610像を二像。南極冠邊りは明るく見えている。暗色模様もマルガリティフェル・シヌスからソリス・ラクスまで濃く見えている。マルガリティフェル・シヌスの先端は北下してマレ・アキダリウムに連なっている。アウロラエ・シヌスも突起に見え、マレ・エリュトゥラエウム邊りは濃く出ているようだ。チトニウス・ラクスの邊りは見極めが難しい。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/161204/FMl04Dec16.jpg

 

 

5 December 2016 (λ=274°Ls~275°Ls,   δ=6.4")

        PMx氏はω=123°WRGB合成像を得た。南極冠は白く円い。夕方のゴースト帶は依然悩ましいが、IR685像を見ると、RGB合成像で二點に分かれて見える暗部は円い暗部でソリス・ラクスとしか言いようがない。ついでにIR像では朝方にマレ・シレヌムが好く見え、アオニス・シヌスから南西に延びる暗帯も明確。北へはパシスも出ていると言うべきか。RGBでは該当するマレ・シレヌムは分解して見え、Rでも一塊のソリス・ラクスがRGBで分解することと軌を一にするのであろうが、何故か。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/161205/PMx05Dec16.jpg

 

 

6 December 2016 (λ=275°Ls, δ=6.4"~6.3")

      Clyde FOSTER (CFs)氏が 36cmSCTASI290MCを載っけてL-colour像とIR685像をω=323°Wで撮った。午後にシュルティス・マイヨルとヘッラスが見え、後者は北半分が明るい。マレ・セルペンティスは未だ幅広く、シヌス・サバエウスも見えている。アエリア等の沙漠は稍赤味を帯びているが、像全体は黄色っぽく、南極冠も真っ白とは言えない。南極冠の北側に吹き出しのような明部がある。ヤオニス・フレトゥムは見え、先行するヘッラス内部は北側が明るい。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/161206/CFs06Dec16.jpg

 

 

       Efrain MORALES (EMr)氏は 31cmSCT290MMを搭載しIR685像をω=073°Wで撮像を試みた(EMr氏はこれまでFlea_3使用であった)。この像では北半球のガンゲスや明るいオピルが見えており、更にfが南を向いたことで、アウロラエ・シヌスより南の模様が分解し興味深い。マレ・エリュトゥラエウムは然程濃くないが、タウマシアと隣り合う境界がデプレッシオ・ポンティカをはじめ幾つかの暗斑点が数珠繋ぎに顕著で、更に その東のフリキシ・レギオは明るく、ボスポロス・ゲムマトゥスの暗色模様を越えて、更に東のオギギュス・レギオが明るく、これが更に南のディア近傍の明るい帶と繋がっている。南極冠の直ぐ北には暗斑が伴っている。今期、此の地方をこの角度から見られるのは今月が初めてである。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/161206/EMr06Dec16.jpg

 

 

 

8 December 2016 (λ=276°Ls~277°Ls, δ=6.3",  φ=22°S )

        CFs氏はIR685使用でω=325°Wで赤外像を撮った。マイルドな仕上がりで、マレ・セルペンティスの詳細などでないがシュルティス・マイヨルの感じは好い印象。南極冠は淡い。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/161208/CFs08Dec16.jpg

 

        EMr氏は 31cmSCT×290MMRGB合成像を得た。フィルターはCustum Scientificである。南極冠はGで明るい。RGB像の特徴は、ノアキスの南端近くまで赤っぽく綺麗なこと。この沙漠内に濃淡の段差が見える。デプレッシオネス・ヘッレスポンチカエは濃くはない。マレ・エリュトゥラエウムの邊りの詳細は見えない。シヌス・サバエウス+シヌス・メリディアニは夕方に貧相に見える。マルガリティフェル・シヌスも特徴がないが、オキシア・パルスは顕著で北縁のマレ・アキダリウムに繋がっている。IR685像ではニリアクス・ラクスが四角に角張っている。マレ・セルペンティスはIRでも目立たない。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/161208/EMr08Dec16.jpg

 

 

9 December 2016 (λ=277°Ls,   δ=6.3")

         PMx氏はω=085°WRGB合成像を得ている。夕方縁にゴーストのあることは変わらないが、南極冠が明るくて、手前に出ている明るい箇所は南極冠のゴーストではないかと思う。暗色模様ではソリス・ラクスが出ていて、これを頼りにオピルとチトニウス・ラスクが判別できる。GBを見ると南極冠は南外側にも重ね餅のゴーストを作っている。明るさが相当勝っているのであろう。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/161209/PMx09Dec16.jpg

 

         Kn氏がω=176°WL-colour像。南極冠も明白でなく、マレ・キムメリウムの邊りは濃いが、暈けて判らない。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/161209/Kn09Dec16.jpg

 

 

 

10 December 2016 (λ=277°Ls~278°Ls, δ=6.3"~6.2")

          CFs氏はIR685使用でω=257°WIR画像。南極冠の方向は判る程度で淡い。夕方にマレ・キムメリウム、ヘスペリアで切れてマレ・テュッレヌムが続き、多分シュルティス・マイヨルが朝縁に入ってくるところ。アウソニアの明るさがマレ・アウストラレの手前に形を作る。ヘッラスは未だ明るくない。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/161210/CFs10Dec16.jpg

 

         FMl氏が DMKを附属させてω=031°WIR610像。南極冠は形が大きく化けているが強烈に明るい。 マルガリティフェル・シヌスが見えていて、シヌス・サバエウスが淡く夕方にある模様。FMl氏は2 Nov 2016 ω=034°Wの像を拵えていて、これと比較できるが、後者の方がSeeing8/10で優れている(今回は7~8/10)

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/161210/FMl10Dec16.jpg

 

 

11 December 2016 (λ=278°Ls~279°Ls, δ=6.2")

         Mo氏がω=185°WLRGB合成像とRGB合成像を作る。RGL像で南極雲附近が稍明るいだけ。中央付近でマレ・シレヌムとマレ・キムメリウムが出会っているはずだが、ボケで明確ではない。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/161211/Mo11Dec16.jpg

 

         CFs氏はω=296°W290MCによるL-colour像とIR685像+ω=257°WIR像。南極冠は円く見えるが、ブレたような感じ。シュルティス・マイヨルは南中過ぎたところで、マレ・キムメリウムが夕端に見える。ヘッラスの明部は輪郭がない。アウソニアは明るい(ω=257°WIR像では三角おむすび型の形が出ている)

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/161211/CFs11Dec16.jpg

 

 

12 December 2016 (λ=279°Ls, δ=6.2")

          PMx氏がω=051°WIR685像。南極冠は明るいが自身のゴーストを含んでいる可能性。夕方の明暗は誇張されてよく判らない。朝方でアウロラエ・シヌス附近(オピルも含む)とソリス・ラクスが同定されるのみ。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/161212/PMx12Dec16.jpg

 

         CFs氏はIR685使用でω=306°W。シュルティス・マイヨルも力なく、ヘッラスもアウソニアも暈けている。南極冠も見えない。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/161212/CFs12Dec16.jpg

 

 

13 December 2016 (λ=279°Ls~280°Ls, δ=6.2")

         PMx氏がω=047°WIR685像。前日と同じゴーストの現れ方。南極冠もダブッているように見える。處理に問題があると思うが、夕端の濃い化け物はシヌス・メリディアニに依るものか。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/161213/PMx13Dec16.jpg

 

          CFs氏はω=275°Wω=286°WIR685像。両者とも南極冠は円いが弱い。シュルティス・マイヨルは朝方だが、両者10°Wの違い。シュルティス・ミノル邊りは同じい。ただ、ヘスペリアの西では最前からのPMx氏像の夕方でのゴーストと同じ化け物がマレ・キムメリウムから南の方に帯状に濃く延びる。處理か部品による瑕疵と思う。但しアウソニアの明部は正しいと思う。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/161213/CFs13Dec16.jpg

 

 

14 December 2016 (λ=280°Ls, δ=6.2"~6.1",  φ=23°S)

         PMx氏がω=033°WIR685像。南極冠は明るい。形はゴーストが混じっている様子。夕縁のゴーストは更に酷くなる。シヌス・メリディアニが更に中に入ってき來ている分、ゴーストも変形するようだ。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/161214/PMx14Dec16.jpg

 

         FMl氏が DMKを付けてω=342°WIR610画像を得る。南極冠附近は明るい。マレ・セルペンティスが幅広く濃く、シヌス・サバエウスも幽かに見える。シュルティス・マイヨルはヘッラスと共に夕縁近く。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/161214/FMl14Dec16.jpg

 

 

15 December 2016 (λ=280°Ls~281°Ls, δ=6.1")

         PMx氏がω=023°WIR685像。前日と10°W違いだが、シヌス・メリディアニがゴーストから抜け出したように見える。ということはマルガリティフェル・シヌスの北部も見えている。北邊の暗部はマレ・アキダリウムの影響を受けているであろう。夕端の濃い筋はマレ・セルペンティスからヘッレスポントゥスに掛けての化け物であろう。パンドラエ・フレトゥムは案外実態であろう。シーイングは6/10の由。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/161215/PMx15Dec16.jpg

 

       CFs氏もIR685使用でω=226°W。南極冠は淡く、中央のマレ・キムメリウムも弱い。但し、夕端のマレ・シレヌムから南にゴーストの帶が奔っている。アウソニアも不明確。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/161215/CFs15Dec16.jpg

 

       EMr氏はω=341°Wで良質のRGB合成像を得た。カメラはFlea3に戻った。色が綺麗である。南極冠は丸く白い。その東方に恰もノウュス・モンスの如き明斑が付随している。但し、2003年の經験ではNovus Monsλ=270°Lsには消失しているので、この点の分析は今後に回す。近くにデプレッシオネス・ヘッレスポンチカエが見えているようだ。その東は赤ワインカラーである。ヘッラスは北部が明るい。シヌス・サバエウスも大まかに好い形に見え、マレ・セルペンティスは幅広く、右方はパンドラエ・フレトゥムに通じている。R像が良像で、これらは明確。北縁には淡い白霧が出ている。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/161215/EMr15Dec16.jpg

 

 

16 December 2016 (λ=281°Ls~282°Ls, δ=6.1")

       CFs氏もIR685使用でω=273°WIR像。南極冠は殆ど出ない。 シュルティス・マイヨルもシュルティス・ミノルも明確だが、夕端のマレ・キムメリウムから南極冠近くまで延びる濃いゴーストは困りもの。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/161216/CFs16Dec16.jpg

 

 

17 December 2016 (λ=282°Ls, δ=6.1")

      CFs氏は再度IR685使用でω=232°WIR像。前日と40°W違いでマレ・キムメリウムは全容を見せているが、リムのゴーストは同じように濃く出ている。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/161217/CFs17Dec16.jpg

 

 

                    18 December 2016 (λ=282°Ls~283°Ls, δ=6.1"~6.0")

      PMx氏はω=355°WIR685像を得る。シーイングは同じ6/10だが、夕縁のゴーストの處理には成功していて、夕端のシュルティス・マイヨルから朝方のシヌス・メリディアニまで正常で、マレ・セルペンティスの幅広も見えている。デウカリオニス・レギオも稍明るく、ヘッレスポントゥスも南極冠まで好く延びている。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/161218/PMx18Dec16.jpg

 

       Mo氏がω=120°WLRGB合成像とRGB合成像を得た。南極冠は出ている角度だが、輪郭が緩い。LRGBから、模様としてはソリス・ラクスが夕方に明確で、その南には大きな暗部の存在が判る。朝方にマレ・シレヌムが見えている。Rにはチトニウス・ラクスやマレ・シレヌムの南側に微細が暗示されている。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/161218/Mo18Dec16.jpg

 

       CFs氏はIR685に依るω=210°WIR像。夕方にマレ・シレヌムが見られるが、尻尾からゴーストが出ている。マレ・キムメリウムも朝方に出ているが、痩せて詳細が判らない。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/161218/CFs18Dec16.jpg

 

       Martin LEWIS (MLw)氏がω=224°Wでの224MC colour-camによる像を得た。望遠鏡は44cmのドブソニアンである。像は黄色味を帯びているが濃淡の綺麗な像である。マレ・シレヌムは夕方に些し殘っていて、マレ・キムメリウムの全貌は入って居る。但し、詳細は捨てている。アウソニアなどの明部も見えているし、マレ・クロニウムも出ている。南極冠は綺麗な形で北側に淡いダークフリンジ。北邊には白霧がある様子。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/161218/MLw18Dec16.jpg

 

 

19 December 2016 (λ=283°Ls~284°Ls, δ=6.0",  φ=24°S)

        PMx氏がω=346°WRGB合成像とIR685像を作像した。R像とIR像で判るように夕縁のシュルティス・マイヨルがゴーストを作っている。正しく出ているのはシヌス・サバエウスと南極冠であろう。尤もRGBの模様は粒々で滑らかさが無い。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/161219/PMx19Dec16.jpg

 

 

20 December 2016 (λ=284°Ls, δ=6.0")

       CFs氏はIR685を使ってω=192°Wの赤外像。夕方のマレ・シレヌムは殆ど出ているが、矢張り夕縁のゴーストに直結している。朝方のマレ・キムメリウムとの接合部は興味が湧く。北ではケルベルスも出ているかと思う。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/161220/CFs20Dec16.jpg

 

 

24 December 2016 (λ=286°Ls~287°Ls, δ=5.9")

        FMl氏が ω=238°WIR610画像を得た。中央に暗色模様、南極冠がわからない。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/161224/FMl24Dec16.jpg

 

 

25 December 2016 (λ=287°Ls, δ=5.9",  φ=25°S)

          Mo氏が久しぶりにω=037°Wω=046°Wで好いシーイングに出会い、δ=5.9"としては良質のLRGB合成像とRGB合成像を得た。南極冠は最良の方向から円く白く描かれている。ω=037°Wではマレ・セルペンティス邊りは既に夕端で詳細がないが、シヌス・メリディアニが未だ濃く、アラムがキッチリ切れている。マルガリティフェル・シヌスも好く描かれ、その南マレ・エリュトゥラエウムまで濃い。その東のノアキス南部がワインレッドカラーで明部。デプレッシオネス・ヘッレスポンチカエが濃く、南極冠周りはLRGBの描写が好い。RGBでは(濃度の所爲か)アウロラエ・シヌスの邊りが好く出ている。LRGBではニリアクス・ラクスが見え、その北には白霧が出ている。Bでは顕著。ω=046°Wでは些し鮮鋭度が落ち、シヌス・メリディアニなど淡くなっているが、ほぼ同じ様相を示している。ソリス・ラクスが10°W違いでLRGBなどでは顔を出しているようだ。北縁の白霧がRGBで綺麗な描冩。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/161225/Mo25Dec16.jpg

 

 

 

26 December 2016 (λ=287°Ls~288°Ls, δ=5.9"~5.8")

         PMx氏がω=276°WIR685像。まだ夕辺のゴースト處理が悪いが、朝方にシュルティス・マイヨルが太く見えている。多分マレ・キムメリウムの痕跡は些し出ている。南極冠の明かりも一応出ている。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/161226/PMx26Dec16.jpg

 

 

27 December 2016 (λ=288°Ls, δ=5.8")

        PMx氏のIR像はω=265°W。ゴーストも含めて殆ど前日の構成と同じ。マレ・キムメリウムの端が些し長く濃く出ている。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/161227/PMx27Dec16.jpg

 

 

        MLw氏がω=138°W44cmドブによる224MC像。非常に綺麗な良像。南極冠は円く真っ白でフリンジの取り巻きがある。朝方にマレ・シレヌムが眉のように見える。その東にアオニウス・シヌスと更に縁近くにデプレッシオ・ポンチカが分離するか。その北の夕端近くにソリス・ラクスが暗點として濃い。パエトンティス邊りは稍明るい。マレ・クロニウムの緯度は暗色模様の帶だが、その南にはテュレが稍明るく擴がっている。赤道近くにはチトニウス・ラクスが夕方に、その後方にはポエニキス・ラクスが見え、その更に北にはアスクラエウス・モンスが小さい明確な點として見えているようだ。その朝方にはオリュムプス・モンスが茶系統の色の稍大きな暗點として見えている。北縁には白霧の擴がりが見える。些し赤色要素に欠けるが、全体気持ちの好い良像。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/161227/MLw27Dec16.jpg

 

        EMr氏がω=240°WRGB合成像とIR685像を作った。午後側にマレ・キムメリウムが横たわる。濃いマレ・クロニウムの手前に三角おむすび型のアウソニアは稍明るい。マレ・テュッレヌムは未だ朝方に沈んでいる。赤外像でも南極冠の痕跡が窺える。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/161227/EMr27Dec16.jpg

 

 

29 December 2016 (λ=289°Ls~290°Ls, δ=5.8")

         CFs氏がω=098°WIR685像。ソリス・ラクスとチトニウス・ラクス邊りが窺えるが、像は軟弱。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/161229/CFs29Dec16.jpg

 

 

30 December 2016 (λ=290°Ls, δ=5.8"~5.7")

         PMx氏がIR像でω=237°Wの角度。夕方マレ・シレヌムの位置で南北線のゴースト。マレ・キムメリウムが全体見え、おむすび型アウソニアは明るい。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/161230/PMx30Dec16.jpg

 

         Mo氏がω=004°Wでワンセット。ぼやけているが、RGBで南極冠は明るく、LRGBでシヌス・メリディアニが明確、シヌス・サバエウスは些し弱いが、マレ・セルペンティスは濃い。ここからデプレッシオネス・ヘッレスポンチカエに掛けて暗帯。ヘッラスは夕端、然程明るくはない。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/161230/Mo30Dec16.jpg

 

 

                       31 December 2016 (λ=290°Ls~291°Ls, δ=5.7")

いよいよ大晦日。向こうもλ=290°Lsを越えた。

     Mo氏がω=340°Wでワンセット。Mo氏はかなり好い像で一年を終えた。ご苦労様でした。あと少しの頑張りをお願いします。今回はL像が冴えず、RGBの方が好い。南極冠が白く明るく、その東側がやや白く掃けている。ヘッラスは全体が入って北側がより明るい。シュルティス・マイヨルはすっかり入って居て、太いマレ・セルペンティスと繋がっている。シヌス・サバエウスもシヌス・メリディアニ付きで全体が見える。デウカリオニス・レギオが稍明るい。RGBではヤオニス・フレトゥムが南に延びていると言うべきであろう。北縁には白霧が出ている。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/161231/Mo31Dec16.jpg

 

      CFs氏がω=067°Wω=084°WIR685二像。どちらも夕縁の處理が拙い。ソリス・ラクスとチトニウス・ラクス邊りは後者の方がよいが、アウロラエ・シヌスの描冩は前者が好いと思う。オピルは明るい。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/161231/CFs31Dec16.jpg

 

 

・・・・・・  追 加 報 告 

    マノス・カルダシス (Mkd) アテネ、ギリシャ

      2 Colour Images (22 July; 10 August 2016) 36cm SCT with a DBK21AU618

    ポール・マキソン (PMx)  アリゾナ、アメリカ合衆国

      2 Sets of RGB + 2 IR Images  (8, 30 November 2016)  25cm Dall-Kirkham with an ASI290MM

 

・・・・・・・ 追加報告のレビューは、観測シーズン終了後のReportでまとめることとする。

 画像は以下のリンクから見ることが出来る。

MKd: http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/index_MKd.html

PMx: http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/index_PMx.html

 


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