編 集 後 記


四月にも天気は周期的に変化して、天候が崩れると一時的だが強風雨になることが多かった。空の色も青味が薄くなり、低空の透明度は悪くなってしまった。気温の変化も大きく、下旬には真夏日を記録するところも各地であり、気象観測記録を塗り替える高温となった。眼に若葉の季節だが、花の開花の早いのも続いていて、ツツジやアイリスの花も開いて、初夏の風情になっている。


 

四月には火星は「いて座」を順行して、二日には土星を追い抜いた。ここではD Peach氏が、三月31日に撮影した画像をお借りする。球状星団M22も傍に写っている。

赤緯は最低から少し戻りつつあるが、六月始めには「留」に向かって再び下がるようになる。今回の接近時のループは下向きで、接近時にはさらに下がる。視直径は四月には8.4秒角から、二十日には10秒角を越えてだいぶ大きくなった。季節λ152°Lsから168°Lsまで進み、傾きφは月末には12°Sにまで南に向いて、南極域が見えるようになっている。夕方の欠けは41°の最大から戻りつつある。

                        

 

24日記

火星課長 村上昌己 


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