編 集 後 記


今回も十日以上発行が遅くなってしまった。受信画像の多かったこともあるが、戻った暑さもあり作業は進まなかった。年々パソコン作業は、入力ミスが多くなり時間がかかるようになっている。17日頃に関東では南下した前線の北になり、涼しい北東風が吹いて爽やかな晴天になり、丹沢に沈む夕日を眺めていたら、シルエットで富士山も視野に入ってきた。日没が富士山に掛かるようになるのは、一月先の「秋分」の頃となる。


このまま秋になって欲しいと思ったのだが、この数日は台風の影響もあり、湿った南風が入って蒸し暑くなっている。明日23日が「処暑」で、暑さも峠を越すと思われるが、日本海側ではフェーンで猛暑になっているという。また、接近してきた台風20号で西日本は明日から大雨になるとの予報が出ている。大きな被害が繰り返されないことを祈念するばかりである。

 


火星は「やぎ座」で逆行を続けていて、日暮れの南東の夕空に目立つようになった。昨夜は久しぶりに雲の少ない晴天となり、風もやや強いもののシーイングはまずまずで、ASIカメラで撮影が出来た。眼視観測でも淡い薄暗さが感じられるようになってきていた。モニター上のR画像では、南極冠の明るさと隠れていくヘッラスが明るいほか、暗色模様もだいぶ濃度が感じられた。当地では、まだ早い時刻では隣家の屋根すれすれで、ベランダ設置の望遠鏡では、なかなか良い高さになってくれない。28日には「留」となり順行に戻って、赤緯が回復してくるのを楽しみにしている。視直径は9月には20秒角を下回ってしまうが、ダストの晴れ上がりを期待して、今しばらく観測を続けたいと思っている。西空の金星、木星も、土星も早々と西に傾いて、今期の観測は難しくなっている。

22日記

火星課長 村上昌己 


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