編 集 後 記


9月中旬になってだいぶ涼しい日が多くなって過ごしやすくなったが、関東では秋雨前線の影響で曇天傾向が続き、夕方の晴れ間のないまま火星の姿を見ることが出来ずにいる。雨の降ることも多くなっているが、植物たちには恵みの水で元気を取り戻したようだ。ご近所では季節どおりに彼岸花を始めに秋の花が咲き始めている。散歩の途中に佐婆神社の石段の横で、久しぶりに仙人草の咲いているのに出会った。あたりには甘い香が漂っていた。


 

火星は「やぎ座」で順行を続けていて、赤緯も少しずつ回復しつつある。観測の出来ない歯がゆさはあるが、各氏からの報告でもだいぶ暗色模様が復活してきているようである。また、あまり黄雲の影響がないのか、季節(λ)通りに南極冠からノウォス・モンス (ミッチェル山) の分離が始まっているようで、近着の報告画像に添えてコメントが付くようになっている。九月16(λ=251°Ls)に火星は近日点を通過している。

 


前回の編集後記で触れたが、八月下旬に同じ日付中に撮影した五大惑星の画像が、九月上旬の曇天傾向で処理が出来たのでご覧いただく。土星を除いて同じ撮影条件での画像で、当日の視直径の違いが表されている。

九月17日記

火星課長 村上昌己 


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