編 集 後 記


霜月に入ってさらに夕暮れが早くなり、秋の深まりが感じられるようになってきた。八日が「立冬」であった。横浜でもサザンカの花が盛りで、菊の花が咲き誇り、ツワブキの黄色い花も道ばたで目立つようになっている。九日からは蓼科へ入って山の秋を楽しんでいる。付近はすっかり紅葉もすすみ、カラマツの枯れ葉がハラハラと散っていた。寒さはまだひどくなく日中は日差しが暖かい。


 

 夏の間、夕空を賑やかに飾っていた惑星達も、西に廻って日没後の空には、火星と土星が残っているだけとなった。火星は、まだ「やぎ座」にあって、19時頃には南中するようになって明るい星の少ない秋の空を彩っている。視直径は11月になって、11秒角となりかなり小さくなってしまった。金星が10月下旬に「内合」となり、太陽の南側を離れて通過していった。離角が大きかったので、内合時の画像が撮影できたのでご覧いただく。糸のように細く照らされている姿が、西から東側へ北を廻って位相が変化する姿が捉えられた。


十一月10日記

火星課長 村上昌己


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