編 集 後 記


横浜のはずれの当地でも寒さもだいぶ和らいで、三月下旬にはソメイヨシノが開花して、月末には三分咲きとなりました。プレアデスとヒアデスの間を通過中の火星の撮影を目論んで、四月五日の新月をはさんで四日から蓼科へと向かいました。天気が良く車中からは甲府盆地のモモやサクラの花のピンク色が綺麗に見えていました。途中の甲斐駒が岳やサービスエリアからの八ヶ岳には、まだかなり雪が着いていましたが、明るい光に白さが際だち良い眺めでした。山荘も思っていたより寒くなく廻りの雪も解けていて、自炊・薪割りなどの山暮らしが満喫できました。

 


九日に戻ってきた横浜ではサクラが満開になっていました。滞在中は暖かい日が続いていましたが下山する頃には寒気が南下して、八日の夕方には雪がちらつきました。今朝の監視カメラの様子では降り始めた雪が20cmほどの積雪となっています。「淸明時節雨紛紛」五日には「清明」を過ぎていて、この花の季節に雨が降って寒いのは、日本でも同様です。

 


 

夕空の火星は暗くなり目立たなくなりました。四月はじめには「おうし座」にあり、プレアデスとヒアデスの間を通過して行きました。日没後の高度もだいぶ低くなり、蓼科で撮影の画像では西の茅野市の明かりの影響が大きくなってしまいました。

四月10日記

火星課長 村上昌己


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