CMO/ISMO 2022/23 観測レポート#01

2022年一月・二月の火星観測報告

 (λ=151°Ls ~λ=182°Ls)

村上 昌己

CMO #513 (10 March 2022)


・・・・・・ 今期一回目のレポートは、二月末までに『火星通信』に寄せられた画像に拠るものである。

南アフリカのフォスター(CFs)氏が南半球の利点を生かして、「いて座」の火星を一月下旬よりルーチン観測の対象とした。一月下旬の視直径はまだ4秒角台と小さかったが、かなりの様子は捉えられていて、今シーズンの開幕となった。北半球では、また高度が低く、観測開始の報告は届いていない。

この期間には火星は年初の「さそり座」から「いて座」へと順行を続けて、一月下旬からは「内合」過ぎの明るい金星がそばに並ぶようになった。

 

 

年初の火星は、視直径(δ) δ=4.0”、季節(λ) λ=151°Lsであった。二月始めには、δ=4.3”になり、λ=167°Lsまで進んだ。一月26日には、M20 (三裂星雲)M8 (干潟星雲)の間を通過して、二月6日にはM22 (球状星団)のそばを通った。三月6日にはM75 (球状星団) に近づいた。二月末には、視直径はδ=4.7”に少し大きくなり、季節は182°Lsと南半球の春分(180°Ls)を越えたところである。

 

 

・・・・・・ 一月・二月の火星面の様子

報告された画像から、火星面の様子を日付順に並べた画像をご覧いただく。この時期の火星面が一廻り捉えられていて、主な暗色模様は同定できて、春分前後の南極冠/雲の様子も捉えられている。北縁の北極雲の様子も垣間見られる。

 


 

 クライド氏からのメールでは、二月三日にヘッラスに発生したダストイベントを捉えたとの連絡と、略図が送られてきている。(英文LtE参照) 

 


 

MRO MARCI Weekly Weather Reports の破れ提灯動画も「合」明けの202111月より再開されていて、下記の週の解説記事にも取り上げられている。その後の発展はなかったようである。

MRO MARCI Weather Report for the week of

31 January 2022 – 6 February 2022

Captioned Image Release No. MSSS-608 — 9 February 2022

https://www.msss.com/msss_images/2022/02/09/

 


 

・・・・・・ 一月・二月の観測報告

  観測報告は、まだフォスター氏からだけだが、下記の27観測であった。画像はリストのリンクから辿れる。

 

  クライド・フォスター (CFs) センチュリオン、南アフリ

   FOSTER, Clyde (CFs) Centurion, SOUTH AFRICA

      23 Sets of RGB + 1 R + 26 IR Images

         (23, 24, 26, 27 January; 1~3, 7, 8, 10~17, 20~25, 27, 28 February 2022)

                                                   36cm SCT with an ASI 290MM

         https://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2022/index_CFs.html

 


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