CMO/ISMO 2024/25 観測レポート#21

2024/2025年の火星観測報告集計

村上 昌己・西田 昭徳

CMO #553 (10 December 2025)


♂・・・・・・ 2024/2025年の火星観測報告集計

今回の接近期に『火星通信』に寄せられた観測報告は、次のようになっている。

 

観測地域

観測者数

報告画像数

日 本

5

102

アジア

1

262

南北アメリカ大陸

6

436

ヨーロッパ

5

166

アフリカ

1

318

オーストラリア

1

2

合 計

19

1289観測


 報告者はだいぶ減って、ベテラン観測者だけとなってきた。オーストラリアからは新人がフォスター氏の紹介で、早い期間に画像を送ってきただけで、ベテラン勢からの報告はなかった。

 

次には、月別の観測者数と報告数の変化のグラフを示す。

 


 

2024/25年の火星接近の事象の日時は以下のようになっていた視直径が8秒角程度以上になる時期の観測数が多くなっているのがわかる。

 

事象

星座

赤径日時 (JST)

黄経日時 (UT)

視直径

西矩

ふたご

2024 Oct 22, 10h09m

2024 Oct 14, 08h15m

8.6”/8.2”

かに

2024 Dec 08, 05h59m

2024 Dec 07, 20h59m

12.3”

最接近

かに

2025 Jan 12, 22h38m

2025 Jan 12, 13h38m

14.6”

ふたご

2025 Jan 17, 01h53m

2025 Jan 16, 02h39m

14.5”

ふたご

2025 Feb 24, 18h35m

2025 Feb 24, 09h35m

11.3”

東矩

かに

2025 May 01, 10h15m

2025 Apr 21, 01h34m

6.6”/7.0”

いて

2026 Jan 10, 10h10m

2025 Jan 09, 11h41m

3.9”

 

国立天文台 暦計算室 天象 長期版 https://eco.mtk.nao.ac.jp/cgi-bin/koyomi/cande/phenomena_fy.cgi

および メーウスの接近表、WinJuposを参照した。留と最接近以外は、日時が異なってくる。

「天文年鑑」(誠文堂新光社)の値は、赤径での日時になっている。

 

次には、観測者別の今接近期の月別の観測報告数を示す。

 


 

ひと月の観測数が20観測を越えた観測者のグラフは太線にしてある。阿久津氏(Ak)、フォスター氏(CFs)、メリッロ氏(FMl)、ウイルソン氏(TWl)、ゴルチンスキー氏(PGc)などである。ゴルチンスキー氏以外の皆さんは、視直径の小さな時期から開始されて、夕空低くなるまで追跡をされている。熊森氏(Km)は、赤緯の高くなった接近期には、上階のベランダに視野が邪魔をされるようになり、観測を断念されているのが残念であった。

 

 

♂・・・・・・ 次回接近期の事象の日時

次回の接近は最接近時の視直径が13.8”の小接近で、下表のように2027年二月に最接近となる。2026年には一月上旬の太陽との「合」あと、視直径が5秒角まで大きくなるのは、八月下旬の、24 August (視直径:δ=5.0”, 季節:λ=341°Ls)、朝方の東の低空「ふたご座」でのことである。眼視観測には、視直径が8秒角程度に大きくなる、十二月始めの。1 December (δ=8.0”, λ=030°Ls)まで待たなければならない。

この接近では火星は「しし座」でループを描く。西矩の前に「かに座」のプレセペ星団の中を通過するのが十月10日頃からのことになり、火星はδ=5.9”になっている。

 

事象

星座

赤径日時 (JST)

黄経日時 (UT)

視直径

Ls

西矩

しし

2026 Nov 28, 02h09m

2026 Nov 19, 17h45m

7.8”/7.3”

028/024

しし

2027 Jan 12, 01h10m

2027 Jan 11, 16h10m

11.2”

048

最接近

しし

2027 Feb 20, 09h13m

2027 Feb 20, 00h13m

13.8”

066

しし

2027 Feb 21, 06h01m

2027 Feb 19, 15h51m

13.8”

066/066

しし

2027 Apr 03, 02h33m

2027 Apr 02, 17h33m

11.0”

084

東矩

しし

2027 June02, 10h48m

2027 May 25, 23h14m

7.0”/7.3”

111/108

うお

2028 Mar 23, 02h17m

2028 Mar 21, 02h36m

3.9”

277/276

 

視直径の大きな時期は、火星北半球の「春分 (λ=000°Ls)」過ぎから、「夏至 (λ=090°Ls)」を過ぎた頃までの季節となる。次回の接近でも、中央緯度:φは、2026年八月始めには北向きになり、最接近の頃には傾きは、φ=20Nと北に大きく、北半球の様子と縮小してゆく北極冠が詳しく観測出来るチャンスである。

今回の事象の日時の確認にも、下記URLの、「国立天文台 暦計算室 天象 長期版」、他の資料を参考にしている。 

https://eco.mtk.nao.ac.jp/cgi-bin/koyomi/cande/phenomena_fy.cgi

 

 

♂・・・・・・ 来期観測の参の参考に (再掲) 

今期の観測とも重なるが、次回接近期にも北半球の春分(λ=000°Ls)過ぎの観測となる。一サイクル前の観測期にまとめた下記の論考を参考にされたい。

2011/2012年の火星(そのII)」  CMO/ISMO #395 (25 March 2012)

https://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmo/395_MNN.htm

 

2013/2014年の火星」  CMO/ISMO #413 (25 August 2013)

https://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmo/413/2013_14_FC_01.htm

 

「ω=170W〜ω=180Wの窓から見た

λ=054Ls(2012) 〜λ=141Ls(2014)に観測された北極冠形状の推移」

 ISMO 2013/14 Mars Note (#04) CMO #431 (25 February 2015)

https://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmo/431/ISMO_Note_2014_04.htm

 


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