Coming Mars 2001 (04)

2001年の火星 (4)


2001年火星の見かけの変化 (上)

西田昭徳


   

  ★恒例によって今期の火星の視直径の遷り具合、経緯度線の変化、位相の方向、天の西の向きなどを月ごとに図示するが、今回はその前半、最接近直前1Juneまでの八図を示す。

 

 ★1Nov2000で070゚Lsであったから、縮小途上の北極冠が見え、その後の標準的な状態も図示した。1Apr2001で139゚Lsであるから、極小状態の北極冠は存在するはずであるが、図から判るように、もはや観測は不可能である。

 ★一方1Juneで171゚Lsとなるから、南極は南極雲の最終段階にあるが、これは図示していない。この頃は南北半球が対等に見える。中央の太い線が赤道である。

 ★位相は三月の初めに最小(位相角は最大)になる。それぞれの図には正午の線(N線)が描いてあるが、図で判るようにこの頃朝方は輝面の1/4程しかない。

 ★尚、普段位相による欠け方は写真やCCD像ほど肉眼では欠けて見えないので注意する。図は肉眼の感覺に近い。

 ★N線ともう一つのM線の交叉点はSub-Solar点である。この点の天頂に太陽がある。北半球の夏至090゚LsのDec2000の中旬の底から徐々に赤道に近付いてゆく。