先月末はギャラリーページをお休みにしてご不便をおかけしました。高校天文部の仲間と蓼科へ出かけていました。目的は先輩の名前の付いている小惑星4898「ニシイズミ」の撮影でした。今回の「衝」は北半球で観測条件が良く、十月にも挑戦しましたが天候不順で失敗しました。今回は二夜の晴天に恵まれ「アンドロメダ座」を移動する画像の撮影に成功しました。光度は17等台でした。使用した望遠鏡は口径6.5cmで最近のCCDカメラの威力に驚かされます。次は小惑星3626「オオサキ」の撮影を目指しています。こちらは天文部顧問を長く務められた恩師大崎正次先生の名前が付いている小惑星です。2013年四月末に「おとめ座」で衝になります。

 

 また、先日(2011年十二月10)の皆既月食は晴天となって、久しぶりに全行程が見られる条件の良い月食が堪能できました。地球の影を追って撮影した画像を合成したものをご披露します。観測地は新宿御苑の東側の場所で、夜明けには復円した満月が副都心のビル街に沈んでいきました。この撮影も食分にあわせて露出時間を変えるだけのデジタルカメラ任せの自動撮影でした。10秒インターバルの撮影を数時間して1500枚もの画像を保存できるHDの容量にも驚かされました。

 

 火星は夜半から朝方の観測対象で、このところ週末は天気が悪かったりして機会を逃し、やっと17日になって今期の初観測となりました。視直径は8秒角で、暗色模様のないところで何もつかめませんでしたが、シーイングの悪いのにもかかわらず、北極冠が明るく丸く見えていました。来年三月の接近を目指して観測のピッチをあげていきたいと思っています。皆様も観測報告をお寄せください。 

 

 師走も押し迫り、今年も残すところ数日となりました。皆様、よいお年をお迎え下さい。来年もよろしくお願いします。

 

2011年十二月25

OAA火星課長 村上 昌己


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