From FUKUI #236

福井だより
in CMO #236


◇クアッラさんは八月から九月上旬まで京都に滞在し、その間、胎内などへ行かれたらしいが、新潟の帰りの九月2日午後福井へ寄られた。夫人とクラウディオ君(CMO #179 p1913參照)にお會いするのは初めてであった。中島孝(Nj)、西田昭徳(Ns)兩氏がクアッラ氏と會うのは、1998年の一月の「第六回CMO懇談會」(CMO#199)以來、筆者は1988年九月2日の京都以來丁度二年ぶりであった(#207p2336參照)。クラウディオ君は京都辯を不自由なく話すが、イタリヤ語はお父さんの耳元でコソコソ喋るだけなので、その話ぶりはよく分からなかったが、バイリンガルである。クアッラさんは日本語を喋らない。

 中華料理屋で夕食を摂ったが、その席でNs氏とはアポジー社の製品が話題になった。クアッラ氏の意見ではSite502チップはコダックのチップに比べ、感度は約二倍高いが、1畫素の一邊が2.5倍大きい爲、コダックのチップと同じ大きさに寫るようにするには二倍から三倍擴大しなければいけない、從って露出時間は四倍から九倍必要になり、感度が二倍高くても、結局トータルでは二倍から四倍ぐらい露出時間を延ばさなくてはいけなくなるから、惑星に関してはコダックのEチップの方がいいのではないか、ということであった。Ns氏は釋然としないようであったし、筆者も露出の長いのは結構ではないかと思うが、Ns氏はこの点については横濱で、岡野氏や阿久津氏にも相談していたようである。

 食事の後、天文臺へみんなで登った。もし晴れていれば、天文族だけで夜通し土星木星を觀測し、Ns氏はNikonD1も試用する豫定であったが、殘念ながら空の状態は悪く、ドームの中での討議のみになった。偶々Ns氏がカセグレンタイプの望遠鏡に興味を持っていたので、クアッラ氏はZen社の30cmマクストフ・グレゴリアンに就いて話をした。スパイダーがないこと、副鏡が45mmと小さいことなどで、「屈折なみのクリアーな像」ということの上に、筒全長も約1m程度で、扱い易いようである。未だ第一號のようで、實績は判らないが、クアッラ氏は太鼓判を押していた。値段も、Ns氏に言わせれば安いということであるが、日本への運搬は容易ではなさそうであった。尚、p2813のBaaderの太陽フィルターの話題もこのとき出た話で、彼が日本へ輸入したところだった。

Ns氏は、クアッラ氏は物理的カンがある、という印象を持ったようである。例えば、クアッラ氏の惑星のCCD像はイメージは小さく作られているが、實は解像力に見合うように作られているのではないか、あれを大きくしても何も新しいものは出て來ないというところで押さえているのではないかということなどである。

クアッラさん一家は翌日、勝山の怪獣博へ行かれた。前日はやや蒸し暑くて閉口したが、この日は少し氣温も下がり好かったようである。

(南)