LtE in CMO #255

From Kuniaki HORIKAWA



●・・・・・・・・木土星課の堀川です。

 

この度は、Ed Grafton氏の観測情報をご転送下さり、ありがとうございました。早速、画像を見ましたが、あまりの凄まじさにしばらく口を閉じることができませんでした。テキサスには大気が存在していないのでは、とまで思わせるとともに、同じ地球の上にありながら何故日本はこれほど気流が悪いのか、と嘆かざるを得なくなります。

Grafton氏には、これらの観測を木土星課への報告として使用したいということと、今後は観測情報の送信リストに私のアドレスも加えてほしいというメールを送るつもりです。

 

なお過日の『月刊天文』、『天文観測年表』の件では、ご高配を賜り、ありがとうございました。

今後とも、よろしくお願い申し上げます。

(25十一2001 email)

 

○・・・・・・・・あけまして、おめでとうございます。

 

CMOに送られて来る木星画像の件、返事が遅れてしまい申し訳ありませんでした。CMOで処置に困っておられるようでしたら、是非木土星課へご転送下さい。海外の質の高い画像が入ってくる分には大歓迎です。

木星画像を撮っている観測者の方々に、私のアドレスを送信リストに加えるようご案内いただければ大変ありがたく思います(お手数をお掛けすることになり、恐縮ですが)

ただし、現状では木土星課は海外への情報発信を事実上行っていませんので、いわゆる give and takeの関係にならず、観測者側としては送り損になると考える方々もいると思われます。以前、Ed GraftonMaurizioさんから一二度、画像が送られてきましたが、その後は音沙汰なくなっています。

木土星課として、何らかの形で海外に情報を発信することは、私の重要な課題であると感じています。

 

添付のメールの内容ですが、いろいろなトピックが入り交じってわかりにくいのですが、最も重要な話題は、大赤斑の前方の南熱帯(STrZ)に見られる暗い縞模様の素性についてと思われます。この模様は「南熱帯紐(South Tropical Band)」と呼ばれる一時的な縞で、2001年九〜十月に大赤斑南側を囲むアーチから前方へ伸び、十一月に大きく発達したものです。

同様の模様は2000年七〜十月にも観測されていますし、さらに過去にも南熱帯紐はたびたび観測されていますので、特別珍しい現象ではありませんが、今回はより大規模な現象になっています。十一月は体系II:20°付近にある大型の暗斑にブロックされていましたが、十二月になると暗斑を超えて前方に波及し始めています。これは、南熱帯紐が南側へ発達してSTB北縁にあるジェットストリームに捉えられたためと考えられます。

現在は、体系II:350°と大赤斑の間で顕著に見られますが、その前方でも淡いstreak状になって伸びています。

一昨年の活動では、南熱帯紐が消失した後、前端部分に大型の暗斑が形成され、ゆっくりと後退(+5°/)して2001年三月に大赤斑と衝突・吸収されるという現象が観測されています。今回は体系II:20°の暗斑がそれにあたるのではないかと注目しています。

 

転送の添付メールでは、J Rogersの話を引用したEd Graftonの記述が最も状況を正確に述べていると思われます。

 

Dr. P. Clay Sherrodの最初にメールでは、NEBbargeのことが出てきます。NEBは昨シーズンからベルトが北側へ拡幅して幅広くなっており、今シーズンはベルトの中央から北縁にbarge(ベルト中央の濃い暗斑)notch(ベルト北縁の小白斑)が多数観測されています。同様の模様は昨シーズンやそれ以前にも観測されていますが、経度変化を見ると、一〜二個を除いて同定できるものはなく、ほとんどは最近形成されたものと考えています。bargenotchの形成はベルト拡幅期の終わりに見られ、いくつかのセットで出現するのが特徴です。今回も全周でbarge七個とnotch五個を確認しており、さらに増える気配があります。面白いことに、barge30°かその倍数の間隔で並んでおり、notchはその中間に同じ間隔で見られます。

 

今回のNEB拡幅は一年半ほど続いていますが、どうやら終わりに近づいているようで、最近は部分的にベルトが少し細くなり、notchNTrZに露出している経度が現れ始めました。

余談ですが、(右のSHERROD氏の)"jupiter1230a"の画像で、丁度CMを通過しているnotch1997年から存続していることが確実で、木星面の模様としてはかなり長命です。

なお、同メールの最初にある大赤斑後方のSTBnの暗斑とやらは、木土星課では確認できておらず、画像を見てもどれのことかよくわかりません。

 

それでは、今年もよろしくお願い申し上げます。

(62002 email)

 

○・・・・・・・Ed Grafton氏の画像、拝受致しました。丁度十二月の木土星課報をまとめるところでしたので、大変助かりました。ありがとうございます。

また、彼の送信リストから私のアドレスが抜けていたことをご指摘くださったとのことで、重ねてお礼申し上げます。お蔭様で一月4日分から再び画像情報が配信されるようになっております。

Sherrod氏らの件については、お手数をお掛け致しますが、宜しくお願い申し上げます。

(72002 email)

 

○・・・・・・・・村上 昌己 様、明けまして、おめでとうございます。今年も宜しくお願い致します。

 

Sherrod氏の木星画像、拝受致しました。ありがとうございました。また、同氏への私の紹介メールもありがとうございます。いつも、お手数をお掛けし恐縮です。

 

今後とも宜しくお願い致します。

(82002 email)


堀川 邦昭 (Kuniaki HORIKAWA 横濱 Kanagawa)
Director, the OAA Jupiter/Saturn Section

kuniaki.horikawa@nifty.com 

http://www.people.or.jp/~kuniaki/english/index.htm


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