From Toshiaki HIKI
●･･････拝啓 向春の候。ますますご活躍のことと拝察いたします。TYA(90)を草しましたので、お送りいたします。
さて、私の父が、悪性リンパ腫に伴う肺炎のため二月5日に亡くなりました。満八十歳でした。正月は元気でしたが、その後発熱し、体調を崩したまま入院し、二十日間ほど入院しましたが、病気が病気だけに、有効な治療もできないままでした。
父は天文マニアではありませんでしたが、教員時代に小型望遠鏡を使って教え子と共に木星の衛星の公転周期を求めたり、銭湯の帰り道に私に星座を教えてくれたり、望遠鏡を購入してくれました。父は戦前、民間航空士であったためか星座をよく知っていました。戦中は襲撃機パイロットとしてレイテ海戦等、生きるか死ぬかの生活を切り抜けてきたのですが、戦後は航空士になることはできませんでした。私は、戦争が父親の青春を奪ったと思っています。昨年のCMO伊那・夏の学校に参加された皆様は、まだ父の姿が記憶にあるかもしれません。あの時に、父が挨拶をしたのも、私にとっては予想外だったのですが、親心だったんだなあと今思います。
目下のところ、葬式に伴う様々な後始末などで大変です。先生におかれましてはくれぐれもお体ご自愛ください。
(19二2003 email)
(註) 御尊父には昨年(2002年)夏のCMO懇談会の折り、出席者全員お会いし、お言葉を頂戴しました。嘗て佐伯恆夫先生もお会いになられたかたで、好い機会でした。矍鑠とされていましたので、訃報には吃驚しました。謹んでご冥福をお祈りいたします。日岐さんもお疲れの出ません様に。
(Eds)
日岐 敏明 (Toshiaki HIKI 上伊那 Nagano)
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