2001 Mars CMO Note
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from   CMO #271


2001年七月4日の火星大域黄雲

Airborne Dust on 4 July 2001


 

 ★何度も強調するように1Julyから4July迄の森田行雄(Mo)氏のω=212Wの畫像は秀逸かつ重要である(最近では『月刊天文』六月號にMk氏が引用している)。この中で 特徴的な點の一つとして、多分マレ・キムメリウム西部と思われるとこ ろが、日毎濃くなっていることが擧げられる。★4JulyMo氏の觀測はIR像で見ると、ほぼ5W毎に、ω=195W201W204W211W216Wと續けられており、ω=220W(G)が最終の様である。★同日の足羽山天文臺では筆者(Mn)はω=211W迄のスケッチであったが(實際はその後1時間20分は追ったが、シーイングが悪化した)、最終的には西田昭徳(Ns)氏がMo氏よりも遅くω=225Wで像を得た。暗斑は南中近く重要な像になった。WebにはLRGBが出ているので、ここではRGB像を引用する。

 ★この暗斑は4Julyの特徴的なものであるが、1Julyから日毎濃化したのは、ここが黄雲のホール()で、寧ろ周邊の黄雲が日毎濃くなり明るくなった爲と思われる。この日のMGS-Swathには適當な角度がないが、5July233W中心の畫像(引用)に依ると、この邊りはクレーターが幾つか幽かに見えているので、黄雲が淡い分布をしている處だと思われる。ただ、何故ここだけを黄雲が避け、暫く遅れたのか理由(多分重要)は今のところ解らない。ただ、日毎位置が ホールの位置が變わらないのは黄塵が然程の移動を示さないという前の主張に合致している。

 

 ★次の左の畫像は220W4JulyMGS-Swathから採ったものでそれ以前の畫像と比較してある。多分 a というクレーターはKepler (219W47S)であると思われる。幾つか點で突ついてある處はおなじ小クレーター群である。この比較で、この邊りは北半球も含め黄雲が濃く立ち込めているのが明白である。

 

 

          最後の二像は、矢張り4July322W351Wとを五月の像と比較したものである。未だ、暗色模様が出ているので比較は容易であるが、エアボーン・ダストが既に到着し、シヌス・メリディアニの邊りは最早不鮮明になって來ているし、マレ・セルペンティ スの西に黄塵が起こっていることなどが見て取れる。4Julyには黄雲は明らかにグローバルで、既に大黄雲かどうか見守るべきなどという寝言の段階ではなかったことは明らかである。

 

 

 

この欄でのMGS畫像は次のサイトから引用した:

http://www.msss.com/moc_gallery/e01_e06/globalmaps.html

(M MINAMI)


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