LtE in CMO #272

From Teruaki KUMAMORI


●・・・・・・(MOORE宛の)プリズムの返事は未だ書いておりませんでした。

 簡単に書きますとソフィア・堺での具体的な状況は、『火星通信』に書いた状況と少し違いますが、

   60cmF16カセグレンのプリズムを主焦点の内側(対物側)においています。焦点から約10cm程度内側です。

・実際の使用は

   天体の地平高度

   30度〜40度 :3度プリズム

   40度〜50度 :2度プリズム

   50度〜60度 :1度プリズム

   60度以上  :0.5度プリズム

を概ね目標としています。今シーズンの土星、木星の地平高度75度あたりでは0.5度のプリズムがちょうどでした。

 望遠鏡の焦点距離やプリズムの位置によって効果が変わります。地平高度が高いと眼視的に差が見にくいので重力垂直に合わせています。

 ・厳密に言うとアス(非点収差)を生じます。3度以上を使うと明らかに見えてきます。

  ToUcam PRO のデータ等をメールいただきありがとうございます。木星、土星ではDVビデオカメラとほぼ互角に撮影できています。火星はこれからです。

                 (282003 email)

 

○・・・・・・(ウェッヂプリズムは)日本では眼鏡屋との交渉になります。一個当たり¥2000程度で入手できますが、一般には市販されていないようです。プリズムから焦点までの位置が長くなるほど効果が大きくなります。小さな角度のプリズムで焦点位置から離れる方が星像には良いと考えます。

 (292003 email)

 

○・・・・・・Date: Mon, 05 May 2003 22:07:56 +0900

 火星の初報告です。PHILIPS ToUcam PRO 使用です。青光に関してはTRV900 3CCDと変わらないと思います。

           (52003 email)

 

○・・・・・・ B光の件ですが、少なくとも、私のTRV900の画像は色同時に画像処理をすることを目標としていますので、B光だけ画像を作っていることはありません。誤解されているのなら、それは3CCDに過大評価されているのか、比嘉さんの画像が優秀なためだと思います。

 少なくとも私が使っているTRV900B光像は火星面の模様がいつも写っています。PHILIPS ToUcam PROと比べても遜色なく写っています。私はこれが赤外光が漏れていると思っていましたが、G光かどうかは確認してはいません。・・・

 私の目標は、眼で見えているものを表現する、動画の技術による高解像を見てからは、見えていないものも見えているがごとく表現することを理想としています。あくまで眼視スケッチの延長に画像があると思っています。もう一つPHILIPS ToUcam PRO 1万円程度で、20万円以上する3CCDデジタルビデオカメラに匹敵する惑星画像を得ることができます。また、動画による良像抽出が、高解像の惑星画像を捉えることができることを多くの人々に教えてくれました。私は拍手喝采を送っています。

 Registaxは、FFパワースペクトルから良像判断をしているようですが、概ね良好な判断をしていると思います。時間がかかります。が、私は多く目視による選別を行っています。これも時間がかかります。現時点では良像判断ソフトの決定的なものが見つからない状態です。

 ただ、処理時間の都合から多少のボケが像が混じっても全体の比率で良像が多ければ問題は少ないと思います。この調子で画像処理をすることが増えると思います。

         (72003 email)

 

○・・・・・・Subject: B光について

 

画像処理の一つとして、演算によるB光の抽出を試してみました。ToUcam B光画像にG光が含まれているなら、演算によってB光からG光を引き算する事によって本来?の(希望される)B光に近づくことが考えられます。

 試しの画像を添付ファイルで送付いたします。この方法が正しいかどうかは私には検算できません。赤道帯の霞もどきが現れているように見えますが・・・

                 (162003 email)

 

○・・・・・・ToUcam使用です。B光は0.4×Gで処理しました。0.5×Gだと暗くなり過ぎてしまいました。透明度が悪く(雲を通して)ゲインが最大になっているせいかも分かりません。時間間隔が短いですが、像の検証のため二画像を並べてみました。

  (182003 email)

 

○・・・・・ToUcamRGB三色は重なり合うことによって?自然な色を演出しているのだと思います。三色が大きく重なるのは銀塩フィルムでもテレビ信号でも同じだと思います。完全に波長で分けるよりも人間の見た目に近い表現ができるのだと思います。LRGB は興味ある表現方法だとは思いますが、人間の目がカラーに鈍感なことを逆手にとっているみたいで私は使い切れません。火星の色については前に書いたとおり、単板の汎用カラーCCDに深いことを求めるのは無理があると思います。

                          (202003 email)

 

○・・・・・・ToUcam使用 です。B光は0.3×Gで処理しました。透明度が悪くゲインが最大にしてもノイズが多いため、自転を無理?して10分間の画像からコンポジットしています。これが良いかどうかは分かりませんがソリス・ラクス近くの雲は出てるようです。B光は元データと、B-0.3xGの二枚を並べてみました。

     (232003 email)

 

○・・・・・・ToUcam PRO です。相変わらず透明度が悪く限界に近いです。雲の色の違いらしく出ていますが、ほんとかどうかは分かりません。眼視では捕らえ切れていません。B光は元データとB-0.5xGの二枚を並べてみました。

(242003 email)


熊森 照明 (Teruaki KUMAMORI Osaka)

KHF11706@nifty.ne.jp


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