OAA火星課OBの『夜毎餘言-その IX

南  政 次

CMO/ISMO #416 (25 November 2013)


IX-1. 不 調: 今回のCMOの記事起艸や編集は最初から調子が出ず、時間が過ぎるばかりで焦った。實は福井市自然史博物館の紀要にも書く預定で、これも十一月に入って直ぐにとっ掛かる心算であったが、未だ一字も書いていない。CMOの方はやっと目處がついたので、これを書き出したが、不調は續いている。今回遅れ馳せにCMOに取り附いたときは、どういう風に調子が悪いか自覚していたのだが、今になるとよく分からない。記憶力の減退とか、要するに後期高齢に近づいて、老化が激しくなっている所爲であろうと思うが、これといった脱出法も判らない。それに新パソコンの不調も重なった。一時は文字入力が出來なくなって、舊の小型パソコンでやっていたこともあるが、これまた譯の分からないうちに、キーボードが動くようになり、同時にWindows8Windows8.1にアップするよう指示が出たので、指示通り自動で作業をさせておいたら8.1になったけれども、私には何の恩惠もなく、逆にInternetのヴァーションを落とす記号がなくなり、暫く氣分が悪かった。舊いヴァーションへ戻らないと2003年頃のCMOの報告のWebは正確には讀めないからである。畫像も消えてしまう。漸くALTからツールを呼び出し、互換表示に辿り着くという方法を見附けたが、まったく非道い目に遭ったという氣持ちが殘る。W8の評判はもともと悪いが、更に8.1にする必要はなかったという感じである。私は和文は舊い一太郎で打っているが、いまのところ和文は打てない(これはパソコンを換えている)MSは常に先へ行ってAtokを排除したいらしい。

(22 Nov 2013)

 

IX-2. ブラック企業: この夏、週日は昼食、夕食を辨當宅配に頼んだことは先に書いた通りだが、これがブラック企業だということは知らいでか、當然知っていた。いったいどういう事が起こるか興味を持って待って居たが、配達は外の箱に入れてゆくから、どういう人が運んでいるのかも判らなかった。最初に預定全部の前金を取りに來た人は女性だったが、この人が配達するのかどうかも判らない。途中から配達は男性が行っていたのは判ったが、週末に前金を頂きたいというメッセージが入ってオヤと思ったが、この連携不足は矢張り、組織の問題でしょう。あの女性は退職したのかもしれない。

  ブラック企業というのは色んな處に出る現象らしいが、先日は日本郵便が、「社員」に年賀状の賣り込みを強制していて、自腹を切る社員も出ているらしい、という記事があった。賣れないから金券ショップに持ち込んで差額は本人が拂うこともあるらしい。ブラックには「いじめ」がつきもののようだ。

  ブラック企業というのはグローバル化に伴って現れたものらしく、BS1のドキュメンタリーでヨーロッパの場合が放送されていたが、似ている。この場合はDiscount商法を採り上げていたのだが、アイルランドの格安航空會社の例では、アテンダントなどは、出発前も、着陸してからも機内整理など仰山の仕事があるのに、機體が地上から離れている間の時間しか給料が出ないとか、仲間同士の緊密な會話は禁止されているという状況であるらしい。後者は組合などの結成を阻止する爲で、ヨソはストをしても、ウチは起こらないというのが會社の自慢。從業員の交代は激しいから組合など出來っこ無いというところが好く出來ている。ドイツではある兄弟の起業したディスカウント・ショップが例に擧がった。組合を作らせない方法は同じだが、日本でも見られる店長の亂造という手を使っている。管理職の殘業代は無いという方式である。この兄弟の収入は二人合わせると、ビル・ゲーツを越えるらしい。          

結局、經濟格差は大きくなるばかりで、平均すれば、平民のレベルはDiscountという手品で、徐々に全體は低収入になって來ているらしい、ことは新しい事態だろう。この番組はフランスの放送局の制作だが、フランスの自動車會社の例も擧がっていた。自動車會社といえば最近のニュースで韓國の現代(ヒュンダイ)に次ぐ雙龍といったか、の自動車會社の爭議が流れていた。投石と機動隊の衝突という圖式は馴染みのものであるが、學生とは違って勞動者は生産を止めているから生産は無い。給料も止まるから參加者は大變である。いまに一本釣りの勞働者だけの、仲間の存在しない自動車會社が出現するかも知れない。

(23 Nov 2013)

 

IX-3. パリ管: 十一月8()にパーヴォ・ヤルヴィ指揮のパリ管がHHFにやってきた。東京・横濱・大阪などの大都會や倉敷などと並んで福井も入ったのである。Orchestre de Parisであるから、弦もある譯で「パリ管」とはいささか失礼な呼び捨てだと思っていたが、なるぼど金管は好く鳴り、シンバルも大きい。指揮のパーヴォ・ヤルヴィ(Paavo Järvi, 1961~)はエストニアの出身だが、殆どアメリカで教育を受け(バーステインなど)、國籍は美國らしい。2011年からエッシェンバッハを継いでパリ管の音樂監督。2015年にはN響に來るそうだ。パリに詳しい知人はよくパリ管が福井に來たね、と言っているし、家内の話ではサントリー・ホール公演のチケットを笠松泰洋さんは買い損ねたとご母堂から聞いたということであったから、久しぶりの夕方の遠出(19:00開演)も悪くなかった。

  曲目はシベリウスのカレリア組曲、リストのピアノ協奏曲第二番イ長調、ピアノはジャン=フレデリック・ヌーブルジェ(Jean-Frederic Neuburger, 1986~)。この曲は六部に分かれている。此處で休憩。

後半の一曲は、サン=サーンスの交響曲第三番ハ短調「オルガン附き」。オルガンはティエリー・エスケシュ(Thierry Escaich, 1965~)というパリ音楽院の教授(pfのヌーブルジェも同じい)。交響曲にパイプ・オルガンが入るのは初めて聴いた。

何か指揮者も樂員達も機嫌がよくて、何か動きがいい感じ。アンコールを何曲もやった。多分に管の響き渡る曲ばっかりという演奏であった。福井の聴衆の拍手もうまいものである。

今回のYouTubeはヤルヴィとパリ管は省けないので、本當はサン=サーンスの第三番からと思ったが、適當なものが見附からず、ヤルヴィの得意らしいシベリウスを選ぶことにした。交響曲第1番。管も弦も元氣です。但し、その前に、同じ陣容でリストの練習風景の一部が見つかったので。數分で済みますから:

http://www.youtube.com/watch?v=pFheVvkrQ2k   (リスト

http://www.youtube.com/watch?v=vQA2KLOi3cc

 (シベリウス)

 

IX-4.    CMOは漸く済んだが、まだ締め切りが十二月上旬迄の原稿を書かなければならないから、氣世話しい。こういう時はうまく表現できないが、追い驅けられているようで、實は無爲に時間が過ぎてしまう。だから先行き不安で、覺束ない。暫FacebookSkypeもご無沙汰である。時々、曜日も混亂し、行事も忘れてしまうときがある。今月も近くで、ビートルズ好きやエレキ演奏などがあったのだが、忘れてしまった。芦原で、土田ヒロミ氏の土門拳展が進行中だが、これは忘れないようにしたい。週一回、筋トレに出掛けているが、今週は休んだ。PDで倒れて一年半ぶりに運轉は少しやってみた。福井迄ぐらいなら大丈夫かと思うが、家内の理解が得られない。十二月はクリスマスが入るから、家内は忙しく、HHFはお休みする。HHFは福井市の南端に在り三國からは遠いのである。

(24 Nov 2013)


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