LtE in CMO #262

From Takeshi SATO


   ・・・・・・南政次様『火星通信』No 261 pp 3355335633733374抜けていました。

 

 六月7日から同24日まで入院していました。肝臓に癌が二個見つかり、「ラジオ波焼灼療法」というので、一週間の間隔をおいて二つとも焼いてしまいました。超音波エコ-で癌の位置を確認しながら、針を癌まで刺し、針の先端から電波(450 KHz)を放射して焼くというものです。調理用電子レンジとは使用する周波数か大きく異なりますが、同じような原理かと思います。焼くのに要した時間は二回とも約四分でした。局部麻酔でまったく痛みのない治療でした。治療後はベッドで安静でしたが、三時間で歩行許可が出ました。針を刺した痕は今も残っていますが、蚊が刺した痕と大差ないものです。

 

 元気ですので、他事ながらご安心下さい。

 

() 佐藤さんのもっと詳しい体験記をいただきました(Ed)

 

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☆☆☆肝 臓 癌 の 治 療 体 験☆☆☆

 

                  藤 健 Takeshi SATO

            (広島県廿日市市)

 

 2002年六月7日から同24日まで広島市民病院に入院しました。肝細胞癌が二つ(いずれも直径約1cm)見つかり、一週間をおいて二回の治療を受けました。「ラジオ波焼灼療法(RFA)」という治療法で、1999年頃から使われだした新しい治療法です。超音波エコ-で癌の位置を確認しながら患部まで針を刺し、針の先端から強力な電波(450 KHz)を出して、癌を焼いてしまうものです。調理用の電子レンジとは周波数が大きく異なりますが、同じような原理かと思います。「痛かったり、苦しかったりしたら言って下さい」とのことでしたが、針が入って行く時も焼く時も、痛くもなんともありませんでした。事前の鎮静剤と局部麻酔の注射が一寸(他の注射と同程度に)痛かっただけです。また、麻酔が切れた後で痛みが出るということもありませんでした。焼くのに要する時間は、事前の説明では15分位と聞いていましたが、実際には二回とも約4分でした。二回目に焼いた癌は位置が横隔膜に近く、それを焼くと大変なので、針を控え目にしか癌に刺せず「奥までうまく焼けたかな?」とのことでしたが、翌日のCT撮像で「よく焼けていました」とのことでした。

 術後はベッドで安静でしたが、三時間後には歩行許可が出、翌日には入浴許可も出ました。また入院中、焼灼療法実施の1回目の五日後と2回目の三日後には外出許可を貰い、広島市内の公民館で各二時間、宇宙についての講演をしてきました。あちこちからの講演依頼を受諾した途端に癌が発覚し、天文家の友人達にピンチヒッタ-を頼みましたが、二回は都合がつかず、自分で行ってきました。 焼灼療法の針の痕二つと事前の生検のための針の痕一つは今も残っていますが、蚊が刺した痕にしては大きいかといった程度のものです。

 実は、私は今から九年半前に直腸癌と胆嚢癌の手術を受けています。胆嚢癌は事前には分かっていなかったのですが、麻酔が覚めてから「胆嚢にも出来ていたので、ついでに取っておきました」と聞かされました。それで「ついで」だと思っていたのですが、後日癌の記事を読んでいたら、胆嚢癌は「極めて死亡率が高い」と書いてありました。直腸癌のお陰で胆嚢癌の存在が分かり、危ないところを助かったわけです。また今回の肝臓癌も、以前に癌をしていたから時々検査を受けており、それで早期発見出来たわけです。したがって、最初の直腸癌こそ私の「命の恩人」という事になります。

          (2002年六月27日記)

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  (Takeshi SATO 廿日市 Hiroshima)

kensugar@urban.ne.jp


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