2015.4.12-4.16 米国コロラド州ボールダー Space Weather Workshop に出席のため 4月12日(日) 前日からセミ徹夜で出張準備。 15日の宇宙物理ー天文台の合同発表会での台長用の プレゼンファイルを準備。(一本君に代理発表して もらう予定) ぎりぎりになるが、統一地方選の大阪府議会議員の 選挙に行ってから自宅を出る。それで出発は予定より20分遅れ の13時出発。関空には15時着。ところが チェックインカウンターは誰もいない。すでに 人々はとっくの昔に中へ。満席とのことで初めて EileとWindow以外の真ん中の席に回された。 行きの飛行機の中で、映画 Interstellar を見る。 最初はどこが宇宙かと思ったが、次第に宇宙に関係していき、 5次元空間を重力が通過できるという性質(これは 最近の量子重力理論〜重力は余剰次元に 力が漏れているので弱くなっているという理論〜 を応用していると思われる)を利用して 未来から過去にメッセージを送った、ということが わかり、(ホンマかいなと思いつつ)なるほどと感心。 父と娘の再会シーンではついに感涙。 飛行機はUAで16時40分発。サンフランシスコ経由で デンバーへ。デンバーには16時半ころ着き、 ボールダーへはスーパーシャトルを利用。27ドル。 4月13日(月) 次期GOES衛星(GOES-R衛星:2016年打ち上げ予定、 GOES-S、T、と続く)の紹介、議論。 地球観測(気象)衛星であり、かつ宇宙天気衛星。 現在のGOES衛星における太陽観測は SXI(Solar X-ray Imager = SXI) 軟X線6-60A撮像、空間分解能10"、ピクセル512x512)。 次期GOES-R衛星は、 SUVI(Solar EUV Imager = SUVI) 94, 131,171,195, 284, 304, ピクセル数 1280x2180 time cadence 10秒に1画像 SDO/AIAの成功に基づき、EUVに するのだと思われる。軟X線でなくて残念。 夜はNCARでレセプション。 Tom Berger さん(昨年秋に Space Weather prediction cetner director に就任)に昨年の巨大黒点でなぜCMEが起きなかったのか、 フレア・エネルギーと黒点面積の関係から理解できるという 私の説(天文学会ネタ)を話したら、「すごく面白い! 」とのこと。 早く論文を書かねば! 4月14日(火) Space Weather Workshop 本番スタート。 Thomas Berger さん、space weather prediction center 所長になって初めてのSWWの Opening Address。 緊張しているのがわかる。 元所長のHildnerさんの history of HAO の講演。おもしろい。 なぜ、Boulderに宇宙天気予報のセンターがあるのか、 理由が初めてわかった。HAO(前身がClimax観測所) で太陽コロナグラフ観測+Hαフレア モニター観測がされていたからである。 午後ポスター発表。結構、受ける。 アブストラクトを読んでおもしろいと思った、という 人が多数。ポスターボードでの説明に忙しく、 eposter には行っている暇なく終わる。 しかしこのポスター発表だけでも、この SWWに参加した意義あり、と言えるほど評判よし。 なおポスターは先日木曜夜のスーパーフレアゼミのときに、 元々柴山君が作ったポスター用PPTファイルを 修正。花山のポスタープリンタに印刷。 (布スライド)木曜夜のうちに西田君が届けてくれた。 夜は、喜多郎さんの紹介で、Sushi Zanmai に行く。 折角なので、NICTの長妻さんを誘い、二人でタクシーに 乗っていく。SushiZanmaiにつくと、オーナーの 神田ナオトさんが現れ、掘りごたつ的テーブルのところに ご案内いただく。 村田実里さんという女性の方(喜多郎さんの お友達、とくに奥様の高橋惠子さんと親しい方)も参加。 金沢大学ご出身。 お二人より喜多郎さんの昔話を色々聞かせていただいて感動。 喜多郎さんは車で40分ほどのワードという地名の 山奥の家に住んでおられた。 1991〜2001年ころ。家には広いバスケットコートくらいの 広さの部屋があり、そこで演奏練習や作曲活動をされていた。 演奏(作曲)中は声をかけるのも怖くなるような雰囲気で集中 されていたとのこと。 「古事記と宇宙」の一部の「おろち」のパート (太陽フレアやプロミネンス噴出)をお見せすると、 たいそう喜んでこんで下さり、 「映像に合わせて音楽を作ったみたい、、、」 という感想をいただく。 オーナーの神田さんは何と学生時代に 京都にいたとのこと。同志社大学におられたそうだ。 元田中や百万遍のパチンコ屋をご存知で ローカル話で盛り上がる。 4月15日(水) 午後3時より講演。 Superflares on Solar type Stars and Their Implications on the Possibility of Superflares on the Sun 15分発表+5分質疑応答の短い講演。 Tom Berger が司会で、私の講演直前に短い紹介。 そこでえらく褒めていただき恐縮(例えば、太陽フレアの モデリング・シミュレーションを発展させ、 私のモデルが今は標準的な モデルとして受け入れられている、など) スライド枚数はかなり減らしたので 講演は予定通り時間内に終了。 students have a lot of free time のところで笑いを取る。 聴衆が真剣に聞いているのがわかる。 (西安のプレゼンと同じタイトルとアブストラクト にしたが、今回はスーパーCMEの物理量の 推定の話は省略。なお、前日、 スーパーフレアのSEPのフラックスを経験的に 導出、そうすると月の隕石のデータと 矛盾しない、ということがついに判明!) 質問も多数。しかも、発表に使わなかった スライドを見せるのに格好の質問がいくつか出たので 幸いと見せて解説。 「スーパーフレアを作るような巨大な黒点は理論的に作れるのか?」 「巨大な黒点の証拠は過去にあるのか?」 「巨大な黒点を太陽内部に溜め込むことはできるのか?」 「スーパーフレア星が148でフレアの数が365ならば、これらの星では この期間(120日)に平均2回以上スーパーフレアが起きていることを意味する。 この発生頻度は異様に高すぎるのでは?」 など。 すこぶる評判が良かった。終わってから、休憩時間、夜の バンケットのときなどでも、「すごく面白かった」 という感想をたくさん聞いた(KD Leka さん、Hildnerさん、 Guhathakurtaさん、Linkerさん、Onsagerさん、田さん、ほか 名前の知らない人も多数) 質問に対し、すぐに答えのスライドが出てきたのが 大変良かった、という感想を言って褒めてくれた 人もいた。 夜のバンケットはUCARというところで。 大きな球に地球や太陽の映像を上映。すごく面白い。 (京大地球物理の斉藤昭則さんが推進している タジックプロジェクトと共通か?) 4月16日(木) 帰りの飛行機でも、もう一度 Interstellar を見る。 再び、涙涙。