COSPAR(第36回)北京 日記 7月17日(月) 前日徹夜。 空港ー北京、バスで迷う(16元)。のちタクシー(20元)。 1元=15円くらいだから、かなり安い。 registration desk のある friendship hotel で Aurass san と会い、 少し歓談。 夕方、Opening ceremonyに出る。最初、 女子十二楽房の半分らしきもの(六楽房??)による音楽演奏。なかなか良い。 セレモニーには胡錦涛国家主席(?)も出席してたとの説もあったが、 あとでChenPF さんに聞くと 「それは違う、出席していたのは江沢民の息子と、曽培炎副総理」とのこと。 Bonnet さん(president) が活躍。 授賞式では西田篤弘先生が受賞。2000人ほど出席。 のちレセプション。多くの人に会う。Culhane, Lidia夫妻、寺沢、下条、 浅井、八代、秋山、桜井、川道、Fang, ChenPF, 大石, Karlicky, Zhang H., の諸氏。珍しいところでは、槙野先生、 晴山(はれやま)さん(早稲田大PD、宇宙線、青山出身)、 鳥居さん(早稲田大宇宙線、寺沢さんより2年上級で京大出身)、 後者のお二人はお会いするのは初めて。 川道君の講演はうまくいったとのこと。原始星フレアの硬X線放射と 降着円盤による掩蔽(吸収によるスペクトルの変形)の話。Karlicky san も ほめていた。質疑応答で、硬X線を観測するのは難しそうだが、 電波を調べたらおもしろいのではないか?というコメントが あったとのこと。確かにおもしろそう。 寺沢さん、晴山さんと長々とおしゃべり。 晴山さんとホテルの日本料理屋できつねうどんとビール。 そのとき、ビールをパソコンの上にこぼして、パソコンのクリックが効かなくなり、 パニックに陥る。(翌朝、復活し、ほっと胸をなでおろす。 あやうく全ての講演がキャンセルになるところだった) 18日(火) 宇宙天気セッション。30−40人くらい。まあまあか。 Wang, H. N. のグループがおもしろい研究をしている。活動領域の 様々な量(磁気中性線の長さ、磁場勾配、transverse field の特異点の数) とフレア発生率との相関など調べている。フレア予報の基礎という位置づけ。 昼, Wang, H. N. さんと彼のグループ(Heさん=>京大に来るかも、ほか)と ゴージャスな昼ごはん。ご馳走になる。きしめん風の中国麺。 (ジャージャーメンとのこと)+たくさん。 夕方寺沢さんに会い、スターバックスコーヒーを飲みながら四方山話。 夜はおなかが一杯だったので省略しようと思ったが、9時すぎに結局 一人でホテルの中華料理屋で焼飯。おいしいがちょっと味が薄かったので、 醤油を頼もうとするが通じず(漢字が書けなかったので)、代りに塩と 書いたらこれも通じずびっくり。 19日(水) 朝早々は magnetar の話(C. Thompson)を聞くが途中で寝てしまう。 さほど新しい話はなし。 のち宇宙天気セッション。chairman と講演(15分)。 昼は、荻野、小原、五家(JAXA)、松本(JAXA)、古賀(JAXA)の諸氏と、 日本料理屋へ。鍋焼きうどん。うまい。 のち、Kozyraさん、荻野さん、小原さんと、CAWSES virtual poster session, Alaska workshop などの相談。スターバックスコーヒーを飲みながら。 夜はChen さんに頼んでラーメン屋に連れて行ってもらう。細めんでうまい。 ただし、日本の影響を受けて日本風になっているとのこと。Chenさんのほか、 八代夫妻、浅井、下条、近藤(愛媛大)の諸君と。 その後、ホテルのコーヒーショップで浅井さんと長々と議論。 院生諸君の研究の現状を認識する良い機会になった。 川道君に電波の手ほどきをしてくれと頼む。 20日(木) 遅い朝食で stanford の Y. Liu sanと。SDOベクトル磁場(太陽全面) データ関係の責任者。午前中は睡眠+休養。昼からもホテルでメール。 COSPARには行かず。 夕方、王府井へ。地下鉄で山内君、鈴木君(総研大)に偶然出会い、 一緒に天安門広場近くの有名お茶屋さんへ行くことに。 そこで150元もジャスミン茶やお菓子を買う。 そこのお姉さんとのおしゃべりが盛り上がる。 それから3人で王府井へ。出店で空中に浮くこま、 トルクの教材になるこま、手品用のリングなどを、 値引き交渉を楽しみながら購入。リングは見ていると不思議そのものだったのが、 買ってみるとなあんだ、となる。手品のテクニックを修得する必要があると納得。 その後、庶民の店で、木須肉、焼飯、坦坦面、普通の麺。 木須肉、焼飯が最高にうまい。麺はもう一つ。 緑茶ペットボトルにお砂糖が入っていてびっくり。 最後にCD屋に行って、流行の歌(CD、女性と男性を2枚)を購入。 21(金) わがsession 「Energetic Particles and Magnetic Reconnection on the Sun and in the Heliosphere」 (organizer: Fang, C. and Shibata, K. ) 盛況で驚く。百人以上出席か。Dupity organizer を務めていたせいか、 フレアのモデル(ポンチ絵)で有名なあの図が次々と出てきて苦笑(R. Lin, Buechner, Demoulin と3人も同じ絵を見せる)。 Demoulin は Shibata and Tanuma の secondary tearing - fractal reconnection の図を見せる。ちょっぴり嬉しい。 しかし、講演後の質疑応答の時間に、彼に質問ー 「slipping reconnection が hard X-ray footpoint source の見かけの 運動を説明」ーがよくわからんーslipping reconnection は ダイナミックスにすぎず、結局普通の考えと同じではないか?、という質問。 その後、長々と個人的に議論。 Mandriani さんも共同研究者だが同じ質問をしたことがあるとのこと。 R. Linさんの講演後、Aschwanden がエネルギーの異なるhard/soft X-ray sourceのピーク時間がずれるのは熱伝導の到達時間の差で説明できると コメント。本人に確認すると、今論文投稿中とのこと。 昼は、Lin, J., Hoshino, Buechner, Demoulin, Pariat, Mandrianiの諸氏と 中華料理屋へ。昼から宴会モード。今年11月の space weather modeling workshop の invited speaker について相談。 夕方、ポスターを見ると、何と浅井さんが去年の飛騨SMART観測で一番華々しい 噴出型プロミネンスのフレア(Mクラス)を解析しているではないか! 夜はChen-san Ding-san の招待で蒙古新チャン式の中華料理屋へ連れて 行ってもらう。stanford から戻った Zhao san (趙さん)もゲスト。 宴会ばかり。Ellerman Bomb の研究の話、Ca line width がなぜ広いか?  など色々話をする。Chen san も今、リコネクションの 数値シミュレーションに基づいてEllerman BombのHα計算をしているとのこと。 八代、秋山の両君の話はおもしろい。PPTファイルもらう。 22(土) 朝セッションに行くと、チェアマンをやるはずの小杉さんが別のセッションに 出ないといけないとのことで、急きょ、私がチェアマン。 Scholerさんも来ていなかったので、結局午前はすべて私がチェアマン。 Aurass san, Karlicky san, Miller san とおもしろい話が続く。 ChenPFさんのグループが粒子加速の話をやり出している! しかも我々と同じテスト粒子計算。しかし結果がかなり違う。 スペクトルのべき指数が大(4〜5>2)。なぜか? 質問してもよくわからず。今後の課題。 午後、下痢が強くなり、次第につらくなってくる。 午後は Fang さんがチェアマンで助かる。 夕方ついに我慢できなくなり、チェンさんに まず大学診療所に連れていってもらうがそこでは薬は出せないとのことで、結局 北京理工大学近くの薬局へ行って、二種類の薬を買う。一つは炎可x片、 もうひとつはx酸小xx片。 Aurassさんと議論の予定がとにかくまずホテルへ帰って静養。 30分後、Aurass さんが部屋に来てくれる。何とか気力を奮いただして、 おかゆでも食べに行こうと決意。 ホテルの1階の中華料理屋でおかゆを食べながら議論。 何とか成影君のtriple Moreton wave を見せる。おもしろがってくれる。 23(日) CAWSESビジネス会議。午前に theme2 としての発表。 午後に日本代表としての発表。昼は日本料理屋で鍋焼きうどん。 (下痢のため。もっともそうでなくても、どんだが)。 小原、塩川、亘の各氏らと一緒。 CAWSES会議の新しいchairperson(Basu san の後継者) の女性は明るく元気な人。 見ていると気持ち良い。大学でも偉い人らしい。明るさが売りではないか。 夜は腹痛(下痢)のため懇親会は休ませてもらって、 ホテルで静養。翌日の発表の準備。 テレビで偶然NHKの巧名が辻を見る。ただし、途中通信が途切れ、最初と最後のみ。 てれびCableTVらしく、70チャンネルある。(同じ内容が一杯あるが) 1チャンネルがNHK。 24(月) WPGMで発表。2時間睡眠で頑張る。発表ABSTRACTを読むと、 eruptive flare と confined flare の条件について議論する、 などと書いてあるので、一夜漬けでアイデアを練る。 お絵かきソフトで絵を描きながら、色々考察。 発表はまあまあおもしろがってもらえた模様。break out model (を崇拝する 風潮)を批判したら爆笑だった。のち、持論を展開。plasmoid ejection in a closed field or an open field region における磁気リコネクションの 効果を考察。また、Takasaki et al. (2004) の観測のモデルが完璧に完成! 浅井アネモネフレアとも関連する!(一夜漬けの成果) Martin san, Sterling san, Schwenn san, Moon san は おもしろいと言ってくれた。 Sterling san は、tether weakening mechanism (=Chen-Shibata case B) を提案。おもしろい。slow rise, fast ejection を強調。 Kim-Moon のX-ray plasmoid ejection では、プラズモイド速度と硬X線強度に 相関があるとのこと。(これはCMEの速度ー軟X線強度の相関とは少し異なると 述べている。なぜなら、CME加速度ー硬X線強度、となるから。) 横井さんに会うがゆっくり話しているヒマなし。申し訳ない。 昼は高いチキンサンドウィッチを食べながら、 Martin san, Wang-Jinxu san に成影triple moreton wave を見せる。 附属天文台PD候補(予定)の中国人女性、 インド人女性(かつて附属天文台PDに応募したらしい)も一緒。 午後1のDan Baker の一般講演はほとんど睡眠と化す。がっかり。 下痢が進行。 夕方、またしても腹痛(下痢)で早々と早退。 夕方ー夜はずっとベッドで横になり仮眠。 9時頃に1階の日本料理屋でおかゆ。 25(火) 寝すぎで腰が痛い。ただし、睡眠はずっと浅い睡眠で寝た気がしないが、 寝ないよりは良いのであろう。(実際は寝ているはず。) 午前中は静養。遅い朝食。昼にみやげ物を買いにショッピングモールに 行くが日本と同じモダンなデパート。中国らしい人形はどこにもない。 昼は宇宙天気セッション。Chouduli san の現象論的ダイナモ理論の話に感動。 これほどまでに色んな観測事実を説明できるとは! PPTファイルをもらう。 夕方、Sterling san と大村さんの3人で王府井へ。再び挑戦。 値引き合戦でいっぱいみやげものを買う。人形、小袋、小物入れ、 あげくの果てはトランプも。 再び同じ店で、ムーシーローほか。やはりうまい。 26(水) またも徹夜で北京空港へ。185元も取られる。 今度は風邪を引いた模様。関西空港からはリムジンバスで樟葉へ (2000円)。のちタクシー(1300円)。夕方、自宅着。