update :: 09.12.02

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>11.03.02 更新

研究目的

フレアやCMEといった突発現象に対し、磁場構造としての ストリーマーの寄与がどのようになっているかをシミュレーションを 用いて調べる。今回は特に、ストリーマーとCMEとの相互作用に よってII型電波バーストが起こるかどうか、その強度は従来の ものとくらべて同じかどうかをメインターゲットとする。

ストリーマーとは

皆既日食などで太陽の淵が観測できるさい、太陽表面から長細く明るく 光る構造が見えることがある。これがストリーマー(Streamer)である。 フレアやCMEなどの突発現象を除けば、コロナでの現象・構造のなかでは 最も遠方まで認識できる。閉じたループ構造が太陽風により引き延ばされ、 上部は反平行の磁場が接近しカレントシートができるが、下部は磁極 をまたいだ形になっている。

II型電波バーストとは

太陽でフレアやCMEが発生した際に、突発的に電波放射が見られ、 太陽電波バーストと呼ぶ。観測される周波数、および周波数のドリフト の具合、タイミングなどからいくつかに分類される。

II型電波バーストは、そのなかでもフレアやCMEによって発生する 衝撃波によって生じる。衝撃波が通過するさい、プラズマ が励起されプラズマ振動数に相当する電磁波が放射される。 周波数は密度の平方根に比例し、また密度は一般的に 動径方向の距離の関数であると考えられるため、振動数を 知る事により衝撃波の位置がわかることになる。

参考文献

参考ページ

現在の進捗状況(上ほど最近)

2011.03

2011.02

コロナ温度については、低すぎると重力に負けるため200万K程度は必要。 断熱比を1近くまで落とした場合、ストリーマーの形状(密度構造)が 形成されないので、この部分については調整。

断面のベクトル図は簡略化したものを作成。磁場の形状が見にくい。 内側と外側で分けて作成。流線については引き続き検討。

solarwind駆動の場合は安定が遅いが外側のalfven速度が大きい。 これは加熱項による作用かもしれないので、チェック。

表面磁場を強くして太陽風効果の場合で計算。計算そのものに 時間がかかり、安定するのにも時間がかかる。ただし磁場形状はある程度 みることができる。

2011.01

太陽風で双極磁場から形成するパターンとfluxtubeの上昇 によって形成する二つのパターンで初期設定。

太陽風型は加熱項のほか、コロナ温度、断熱比などを 変更して計算。計算速度は遅くなるものの、徐々に振動は収まる。

fluxtube型は計算のほうが計算が速いため、こちらで衝撃波形成 の計算。圧力で与えた場合と速度場で与えた場合について計算。 時間としては1500秒程度。これ以上の計算はデータ量との兼ね合い により分割作図が必要。速度場で与えた場合のほうがストリーマー との相互作用が見やすい。

衝撃波と磁場との角度のチェックが必要のため、断面でのベクトル図 の作成を検討。

2010.12

計算結果を初期値にして長時間の計算が可能になるように設定。 実時間で24時間程度までまわす。 速度分布を調べるが定常状態になっていないため振動がおきている。 動径方向のouter boundary conditionを単純吐きだしに変更 エネルギーが減少するため加熱項を導入の準備 点源爆発とflowの場合のテスト計算(まだ定常になってはいないため)。 衝撃波らしきものが二か所で見られる。

2010.11

太陽コロナ計算用のコードをより広い範囲で計算できるように拡張。 観測データは反映させず、まず単純なモデルで計算するように設定。 簡単のため等温コロナの静水圧平衡、7太陽半径までの計算。 外層を双極磁場のもと、その下から 浮上磁場バブルを設定して計算。先行研究と似た形状の 磁力線は現れる。やや広い距離の計算なども実行する 必要あり。並行して現状の状態から点源爆発を与えた 場合の計算を設定。

今後の課題(順不同)

太陽風・ストリーマーの安定化。

密度分布のチェック:電波バーストの有無に関しての言及。

磁力線と衝撃波面との関連のチェック:プラズマ理論との比較で、粒子加速や電波強度 との関連性を確認。

ストリーマーの形状に関する言及(先行研究との比較)。

AVSによる磁力線の可視化(随時)。

初期磁場分布(磁気島除く)の考慮。

境界条件の影響のチェック。計算範囲の確認。

長時間ジョブにおける影響の確認。

flowを入れた場合の計算。