SMART議事録 2002年08月21日(水) 15時より 於花山天文台 出席者:天文台/黒河、北井、上野     西村製作所/専務 ◎西村専務よりシスターコートの実験報告  1辺約15cmの立方体ボックスを2つ用意し、一方はシスターコート塗装、他方  は白色ウレタン塗装。  実験1:直射日光の当たる場所での外気温と各ボックス内の温度の変化を測定。  実験2:冷凍庫内に2ボックスをおき、庫内気温と各ボックス内の温度の変化を      測定。  実験1より、シスターコートは、直射日光による加熱は抑制できており、反射率  が比較的高い事は分かったが、実験2などより、日射が無い場合は周辺気温の変  化に対する反応性は白色ウレタンに比べてむしろ僅かに速い傾向が見られ、熱伝  導率は小さい訳では無い事が分かった。  断熱、保温の目的のためには別途断熱材を用意する必要がある。 ◎空調(暖房)を補助するシート状ヒーターの設置について  停電時など空調機器が停止した場合の補助、積雪や結露の防止、光学素子のオプ  ティカルコンタクト部の温度変化によるダメージの防止、等の目的から、空調機  に加え、以下の様な箇所に非常用自家発電機と接続させたシート状のヒーターを  用意する事を考える。  必要箇所:  ・外側カバー内面(積雪、結露の防止)  ・対物前方フード内面(レンズと鉄製セルの膨張収縮差を限界値内に抑える)  ・対物直後(外気への熱伝導による対物後方の鏡筒内温度勾配を消去するため)  ・波長板周囲(波長板のオプティカルコンタクト部のダメージ防止、位相差         の温度変化による変動の抑制)  各ヒーター部には温度センサを付設し、コンピュータ等でヒーターのON、  OFFの必要性を判断させる事ができればベター。    ※リオフィルタ、ファブリぺローフィルタは、デフォルトで付いているヒーター   で対応させる。(これも非常用自家発電機に接続させる。)   -> 自家発電機の容量が足りているのかどうか、要確認(天文台側)。 ◎外側カバーの構成  何分割したパートに分けるか。メンテナンス時に人力で取り外せるような重量に  納まっていなければならない。重量の計算をしておく(西村側)。 ◎適正な断熱材  シスターコートが断熱には効かない事が分かって来たので、外側カバーの内面  に、別途適正な断熱材を用意する事を考える。10mm厚以上の発泡スチロール  系断熱材で、シートヒータの熱にも耐えられる様な素材を探しておく(西村側)。 ◎西村専務よりその他現在の課題を紹介  ・光軸調整機構   各望遠鏡の光軸合わせの微調のためにどの部分を動かす様にするのか。   各望遠鏡どうしの平行性の調整機構は?   それら調整時の検定方法は?     ・コード類のパス   制御、電源系統ケーブル類はどこを通してタワー以下につなぐか。   全て赤緯軸に通す? -> 赤緯軸部分を太くする必要があるだろう。  ・防水性   外側カバーのビスを多くし、パッキンを入れ、更にコーキングする事で対処   する方針。  ・空調管の極軸・フォーク内での構成   フォーク内部と、極軸より下部は固定で、極軸内部のみ柔軟性のある材質の   管を使用して赤経方向の回転に対してねじれる形で対応させるか?  ・光電ガイドの仕様   本体への取付方法は?   ガイド精度・分解能の仕様は?   (現状パラメータ案:焦点面太陽像φ12cm、検出器は光センサー、時間    分解能0.15秒、対物φ15cm)   アルゴリズムは?   -> 設計製作担当者による説明を聞きたい。  以上(記録:上野)