SMARTミーティング 2002年09月25日(水) 18:30より 於:飛騨天文台 出席者:黒河、北井、上野 「波長板回転ユニットの構造について」 ◎回転面振れ角度許容範囲の概算  ・CCD面上での振れの角度を a [arcsec] とすると、第一次焦点面   上での振れの大きさは   2000000 * a/3600 * π/180 [micron] = 9.696*a [micron]   今、波長板(硝子土台を含む)の厚みを 2000 micron とし、波長板   への光の入射角をθ1、入射面内での透過角をθ2、とすると、   θ1 - θ2 = 9.696*a/2000 [rad] = 0.004848 * a [rad] (☆)   一方、θ1、θ2、が共に微小の場合、スネルの法則はBK7の屈折率   を 1.52 とみなすと   1.52 * θ2 = θ1 (★)   (☆)式と(★)式より、   θ1 = 0.01417 * a [rad] = 0.8119 * a [deg] = 48.72 * a [arcmin]   となる。  ・例えば、部分像モードの場合、CCD1pix分(0.25秒角)のずれが生   ずる様な回転面振れ角度は、   θ1 = 48.72 * 0.25 = 12.18 arcmin   である、と求められる。   今回、回転面振れ角度の許容範囲として、この角度の約1/4の値で   ある、「3分角」を採用する事を提案する。 ◎ユニット全体の長さについて   長さは 100 mm 以下で、上記回転面振れ角度を満たす限りは、できる   限り短いものとなるように。   ただし、これには、ユニットの対物側に置かれる予定の不要光排除用   45度斜鏡の長さは含まれない。 ◎波長板回転角度の誤差(エンコーダ分解能)   偏光成分に対し 0.1% の測光誤差を生じさせる波長板の回転角度誤差   は 0.0714 deg と考えられる事から、エンコーダの分解能は、これよ   りも小さな角度になっている必要がある。   ここでは、この角度の1/3以下の角度分解能を持つ、14 bit (0.0220   deg) 以上のエンコーダを要求する。 ◎波長板回転方式   以下の2通りが可能である状態を希望する。   1)PCにより指定した任意の複数の目標角度に対し、移動途中は     高速で、到着直前に減速しながら目標角度で停止、という動作を     繰返すタイプ。途中の高速回転時の速さは、前述回転角度誤差を     満たす限り速くする。   2)一定の比較的低速度で連続的に回転させ、PCにより指定した任     意の複数の目標角度にエンコーダ値が到達した瞬間にPCにトリ     ガーを送信するタイプ。この時の回転速度は、エンコーダからの     位置情報を得てからCCDのシャッターが切られるまでの遅延時     間による撮影時の回転角度誤差が、前述の誤差を下回る速度に抑     える。且つ、最小移動角度と考えられる 22.5 deg の移動時間が、     CCDの撮影・読み出し・保存を合わせた時間よりも長くなるよ     うな速度に抑える。   1)の場合の最高速度、2)の場合の一定速度の値は、制御PCに於   いて、ユーザーが随時指定、変更できる状態であるのが望ましい。  以上                      (記録 上野) ----------------------------------------------------------------