編 集 後 記


  異常に暑かった五月下旬であった。六月の新月の頃に蓼科へ入ったが、山はまだ爽やかな初夏で八ヶ岳でよく見るオレンジ色のレンゲツツジが花盛りで藤の花も見られ、新緑の若葉に彩りを添えていた。早朝にはウグイスとカッコウの声が聞こえて、太陽が上がるとエゾコハルゼミの大合唱となった。山荘の周りにはワラビも採れて、山の恵みを味わってきた。

横浜に戻ると、蒸し暑さが感じられる様になっていて、見かける花もアジサイが主役になり、うっとうしい季節の始まりとなった。関東では平年並みの梅雨入りとなり、北東気流も入って昨日からは、涼しいくらいになってしまった。

 


 

 夕方の西空低くなった火星を最後に眺めようと、今月も西の開けた蓼科の山荘に入ったが天候に恵まれず、撮影は適わなかった。夜半の木星も雲間から少し眺めただけであった。

「衝」を迎える木星が見頃になっていて、自宅の屈折鏡でも折を見て撮影をしている。今期の木星には、大赤斑廻りに変化が起きているということで、一ヶ月違いの画像を並べて比べてみると、小口径での画像にも今回の変化が捉えられていた。下の画像のSTrB(南熱帯紐)と印をした縞が、長く左側に伸び出している変化が判る。一ヶ月前の画像にも短く飛び出しているように見えている。

この大赤斑廻りの変化は現在も継続していて、興味深いことで今後も撮影を試みようと思っている。

 


 

 10日記

 

火星課長 村上昌己 


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