南 政 次 先 生 を 「偲 ぶ 会」


 六月22日に、足羽山の福井市自然史博物館レクチャーホールにて、南先生を「偲ぶ会」が催されました。

出席者は、福井の奥様、中島 孝氏、西田 昭徳氏、吉澤 康暢氏。県外からは 近内 令一氏、阿久津 富夫氏、永井 靖二氏、村上昌己の八名を数えました。

 

式次第は以下のようで、司会進行は、西田氏にお願いしました。

 

15:00 開会の辞

15:05 奥様よりご挨拶

15:10 吉澤氏より、2018年の最後の観測の様子

15:30 中島先生より、2006年テレビ番組出演の時のエピソード

   番組映像を流す(10分) おもいッきりテレビ「今日は何の日」

16:00 比嘉氏よりのDVDの紹介

   火星観測者会議の様子- 

     第6回 19981月 福井、福井市自然史博物館 (ゲスト:クアッラ氏)

     第7回 19995月 福井、福井市自然史博物館、 

8回 20009月 横浜、神奈川県立青少年センター (ゲスト:オジェ氏) 

16:20 各人からの一言

16:45『火星通信』今後の検討

16:55 閉会の辞

 

何回もの「惑星観測者懇談会」などで使用された懐かしいホールで、南先生の遺影と、阿久津氏撮影の今接近の火星画像が飾られました。

 


 

 奥様からのご挨拶に続いて。福井市自然史博物館・元特別館長の吉澤 康暢氏より、20188月の南先生との接近時の火星観測の合同観測の時のお話を戴きました。吉澤氏は、これまで博物館天文台で続けられてきた、60年もの火星観測を途絶えさせてはいけないとの思いをお持ちで、博物館分館のセーレン・プラネットには、思いを込めた展示があります。(後述)

 


 


201884日 足羽山ドームにて観測中の南先生(吉澤氏撮影)と、そのときのスケッチ。

 

 続いて、2006922日放送の、テレビ番組で放送された、南先生と中島氏の13年前の画像が流されました。これは、三国のお宅にVHSテープで保存されていたもので、西田氏によりDVDにうまく取り出せました。音声も再生できています。これは1988922日が、二〇世紀最後の火星大接近だったことを思い起こさせる「今日は何の日」に出演されたときのものです。中島先生は足羽山のドーム内で撮影されときの様子を懐かしそうにお話しされていました。

 


 

 次いで、今回、比嘉さんより送られてきた、以前の観測者懇談会の時のDVDが流されました。比嘉さんは懇談会の様子を、機会あるごとにビデオテープに収められていましたが、永年のテープの劣化で、うまく再生できて取り出せたのは、送っていただいた物だけであったとのことです。

 


 


 


 


 

 画像には、『火星通信』メンバーの20年ほど前の懐かしい顔が揃っています。撮影者の比嘉さんは登場しないので、 一枚だけは別の画像を入れてみました。

 

 その後は、皆さん一言ずつとのことでしたが、閉館時間が迫り簡単なものとなってしまいました。阿久津氏は、永い御無沙汰を詫びて、近内氏は生前お会い出来なかったことを悔やんでいました。私は、お借りしている経緯台の20cm佐伯鏡(f.l=1615mm)を皆さんに見ていただきました。

また、『火星通信』の今後に関しては、席を替えた懇親会で話し合われることとなりました。

 

「偲ぶ会」の様子は、同人の永井靖二氏'(朝日新聞大阪本社社会部)の記事として、翌623日の朝日新聞朝刊の福井版に掲載されました。

紙面の様子は伝えることはできませんが、朝日新聞デジタル版にも掲載されています。下記のURLからご覧ください。

https://www.asahi.com/articles/ASM6Q4JQXM6QPLZU00C.html

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「偲ぶ会」に、先だっては、午後1時に福井駅で待ち合わせをして、同じ足羽山にある、教会の墓地と南家の墓地の両方をお参りしてきました。昨夜まで雨が降っていたとのことで、運の良いことに梅雨の晴れ間に恵まれて、この後も福井では雨に降られることはありませんでした。

 


教会の墓地には、新しい墓誌に名前が刻まれて、「福音記者 聖ヨハネ 政次 ・・・」とありました。

 


 少し離れた、南家の墓地には既に納骨されているとのことで、お花を供え、近内氏持参の赤いお線香を手向けて回向してきました。近内氏は墓前にカラ-スケッチを御披露して、御冥福をお祈りしていました。

 

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 「偲ぶ会」の終了後は、福井駅・駅中の郷土料理店に席を移して懇親会となりました。駅前のホテルに宿を取った関東組の三人は、チェックインをすませての参加となりました。 美味しいお料理とお酒に話も進み、火星観測の他、『火星通信』と火星課の今後の事など、様々なことが話題になりました。

 


 

翌日には、午前10時に三国駅の待ち合わせとなり、我々は福井駅から「えちぜん鉄道」に乗り、途中駅で中島先生と合流して、残された火星関係資料などを拝見するために、三国のお宅に向かいました。吉澤氏も既に到着されていて、八畳間一杯に並べられた資料を拝見しました。

 


 


 ひとまずは、シーハン氏の仲立ちにより、アリゾナのローウェル天文台に寄贈されて展示されることになってい.るスケッチブックの、時系列での並べ替えをすると言うこととなり、作業を始めました。

1000年ペーパー使用のスケッチブックは、1968年から2014年までのスケッチが、90冊にわたり残されていました。最後のスケッチブックには、前述のように20188月に足羽山でのものが二葉ありましたが、観測日のデータが無く、現在同定作業をしています。その他にも様々な資料が残されていましたが、あらためて別の機会に、整理・分類することになりました。

 


 

その後は、「魚志楼」にて美味しいお昼をごちそうになりました。お宅の前での記念写真の後、当日中に帰宅する計画の近内氏は、JR「芦原温泉」駅へと金沢経由での帰路へ向かいました。吉澤氏もここでお帰りになりました。その後もスケッチブックの取り纏め作業を続けて、終わったのは19時過ぎになっていました。中島先生と西田氏も17時前に戻られていて、阿久津氏と私は、今夜の宿の芦原温泉に向かいました。連日の長時間のお付き合いで、奥様はお疲れのことと思いましたが、最後までお見送りくださり感謝しております。

 

芦原温泉の宿で名湯を満喫して、翌朝は宇治の望遠鏡仲間の所へ向かう阿久津氏と共に福井駅へ向かいました。福井への道は、延び揃ってきた稲穂の田んぼの中を、まっすぐにすすむ気持ちの良い初夏の景色でした。平日のこともあり福井市街に近ずくにつれて通勤・通学の乗客で混み合いました。

福井駅で阿久津氏と別れて、駅前の福井市自然史博物館分館のセーレン・プラネットへ向かいました。ここには、足羽山での火星観測関連の展示があると吉澤氏にご紹介されていて、それを拝見するためにお寄りしました。

 


 

開館前で少しロビーで待っていると、職員の方がいらしたので、事情をお話しして開館前に展示物を見に入ることが出来ました。応対していただいた方は、2004年の穴水でのローウェル会議に出席されていた「金沢星の会」の長谷川哲郎さんでした。私は全然覚えておらず、失礼をしてしまいました。

展示物の中には、今回整理をしたスケッチブックと同じものがあり、1973年のオリジナルの1冊でした。この発見だけでも訪れた成果はありました。後日、ローウェル天文台に送られることと思います。

 


 

 しばらく、展示物を拝見して、様子を画像に納めて失礼しました。同じ建物の一階でお土産を買って、午前発の「しらさぎ」で米原へ向かう帰路につきました。新幹線では浜松くらいまでは晴れていて、途中の伊吹山も眺めることが出来ましたが、雨を追いかけていったようで、戻った新横浜では梅雨空になり雨が降っていました。

村上昌己 記


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