編 集 後 記


二月も天気は周期的に変化して、気温の日較差も大きく、雨の降るときには凍える寒さになる日もあった。とはいえ、季節の変化は早いようで、二月下旬には早咲きの桜は満開になり、菜の花も咲き揃って、花の季節に入ってきた。例年通りにソメイヨシノの開花予報が出て、横浜では313日の記録的な早さになっている。和泉川沿いの桜の様子を見に行くと、少し内陸の当地では遅くなるようで、まだ蕾の大きさは十分ではなかった。そばの先駆けの辛夷の花は開花しているもののまだ咲き揃って居らず、今後の暖かさで満開になると思われる。沈丁花は甘い匂いをまき散らしていて、木瓜の花は盛りを過ぎている。

 

 

啓蟄を過ぎて、日に日に日脚が延びている。夕方には西空高く宵の明星が輝き、明け方の空には三惑星が「いて座」で一列に並んでいる。火星は三月には、木星、土星を追い抜いて「やぎ座」へ進む。19日の朝方には細い月が土星のぞばに加わり図のような天体ショーになるのが予報されている。

 


 

 火星は、三月末で視直径は δ=6.4”となる。季節は λ=175°Lsまで進み、南半球の「春分」直前まで進む。全球的黄雲発生の季節になってきていて、眼視観測には視直径が不足だが、今接近でも監視が必要である。

三月10日記

 

火星課長 村上昌己 


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