編 集 後 記
厳しい残暑も九月に入って落ち着いてきたようで、朝晩はだいぶ涼しくなってきた。日照り気味で雨の少なかった関東南部だが、このところ天気が不安定になり、雨の降ることもあって、植物たちは元気を取り戻してきたようである。近所のサルスベリの花も満開になるのが少し遅かったように思える。夏の花が勢いを取り戻す中で、ムラサキシキブの実が色づき始めて、日暮れの早くなって来たこともあり、秋の訪れが感じられる。暗くなると虫の音も聞こえるようになっている。
今年の八月は晴天傾向が続いて、八月の太陽観測は欠測がなかった。猛暑の中で日陰を作っての観測となった。おりから黒点活動は極小期で、前半は小黒点が見られたが、後半は無黒点の日が続いて、観測時間は長くなく有り難かった。
火星は八月には、「うお座」を順行して、赤緯も高くなり明け方の南中高度も高くなった。だいぶ接近してきて視直径も大きくなり、月末には20秒角近くなって観測に十分すぎる大きさになってきた。観測時間はまだ夜半で、なかなか自分の観測は出来ないが、寄せられる観測報告に刺激を受けて、時々は火星を撮影することもある。
黒点観測に使っている屈折での撮影で寄せられる画像の解像力には及ばないが、小口径でもSolis
Lあたりが、この程度は写るほどに近づいてきている。
今回も忙しさにかまけて発行が遅れてしまった。報告数の増えていることもあり、次号からは半月毎の纏めに移行しようかと考えている。
九月12日記
火星課長 村上昌己