編 集 後 記


「暑さ寒さも彼岸まで」とはよく言ったもので、今年の秋はまさにその通りであった。一週間前までは寝苦しい夜を過ごしていたが、今はもう毛布が必要なくらいになってしまった。蓼科からはノコンギクの秋の便りが届いて、下界では秋の七草が咲き始めている。秋分を22日に過ぎて、富士山への落日を眺める機会をうかがっているが、ぐずついた天気が続いていてそれも適わない。18日の朝には、雨音で目を覚まして外を見ると西空に虹の架かっているのが見えた。西空は雲があるものの東の空は青空が覗いて日の出直後の太陽が出ていた。久しぶりで副虹を伴うはっきりとした虹を見た。

 


 

火星は、「うお座」で逆行に移って、いよいよ近づいてきている。視直径も22秒角を越えて、夜半過ぎの空高く明るく輝いている。秋の長雨の時期になって日本での観測数は九月下旬になって減っていて、最接近を控えて秋晴れの続く日が待ち遠しく思える。観測レポートは今号からは半月毎の纏めに移行している。

九月26日記

火星課長 村上昌己 


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