編 集 後 記


十一月に入っては、気圧の谷の通過後には冬型の気圧配置になって寒気の南下するようになり、北海道からは冬の便りと共に、コロナウイルス感染の第三波がニュースで伝えられている。118日には「立冬」を過ぎていて、山茶花も咲き始めて、晩秋の趣になっている。12日になって、日本の観測範囲の正面でダストイベントが発生した。日本では天候の落ち着いていたこともあり、現象の追跡は稠密におこなわれて、多くの観測報告が寄せられている。ウエッブ作業の忙しさもあって、十一月前半での観測のまとめが出来なかった。

下旬になると、関東でも気温が下がるようになり初冬の様子となった。早くも日溜まりでは水仙の花が咲き始めている。127日には「大雪」を過ぎていて、火星・木星観測で慌ただしかった年も終わろうとしている。

 


 

ウェッブページのニュースでも取り上げたが、今回のダストイベントの様子は2005年に同じような季節(λ)で起きて、進展の様子も酷似していて比較する材料も豊富にあり、今後の解析が楽しみである。11月下旬には新たなアウトバーストの発生もなく、全球的にダストベールに覆われることはなく、12月になると沈静化してきている。これも2005年同様な経過であった。

火星は、日暮れ時には南東の空に高く光っているが、輝きはだいぶ少なくなってきた。南西の低空では、木星・土星が1221日の最接近を控えて近づきつつある。

十二月10日記

火星課長 村上昌己 


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