編 集 後 記


秋の彼岸を過ぎて少し涼しくなったと感じられたが、十月になって台風一過の晴天傾向となり暑さが戻っている。大分日が短くなって、18時前には明るい星が見えるようになってきた。金星は赤緯が低く離角も大きくなっているが、まだ「宵の明星」としてはあまり目立たない低さである。木星観測は夜半前になって生活時間になって楽になっている。しかし「衝」を過ぎて視直径も落ち始めて、シーイングの悪化が見えてきてなかなか良い像に巡り会わないのが残念である。

 


散歩道では、秋の花が順番に咲いていて、今年は早めに開いて終わったかと思っていた近所の金木犀が、再び花を開いて盛りとなり、甘い匂いが窓から流れ込んでくる。

 

春秋の彼岸の頃には当地では、日没方向に富士山があって、ダイヤモンド富士になる可能性がある。マーケットの屋上からの定点撮影なので天候次第となってしまう。今年も数日早い画像は撮すことが出来たが、この後は雲の掛かる日が続いて、一日には台風十六号の影響で強風雨となって、チャンスが失われた。

 


 

火星は十月八日に「合」となり、朝方の空に移った。SOHO衛星のLASCO C2カメラの写野に入ってきた様子をご覧いただく。明け方の空に戻って観測期にはいるのは、来年春のこととなる。

 


十月10日記

火星課長 村上昌己 


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