編 集 後 記


端午の節句の日には「立夏」となり、初夏の日々が続いている。沖縄では早くも梅雨入りとなり、雨の季節が関東でも近づいている。先月下旬からはアイリス系の花が次々と咲いて、目を楽しませてくれている。素馨(ソケイ)の花も咲き始めて芳香を放っている。

 


 

ソケイの花の香りが感じられると、南氏のお供で、芝の村山定男氏のお宅をを訪ねたときのことが思い出される。

地下鉄「神谷町」駅から、慈恵医大方向に下ってゆく途中に大きな植え込みがあり、強く香っていたのが印象に残っている。

火星観測の思い出を伺い、様々な資料を拝見したことが、昨日のことのようである。

 

 

 

 

 


 

前号でも取り上げたが、朝方の空には惑星が横一列に並んでいる。四月下旬からは木星も加わって明るい星が多くなった。南半球では黄道が立って、縦一列に並んでいるという面白い眺めのようである。

我が家からでは隣家の屋根が邪魔をして、薄明が進んでからでないと木星が屋根から離れてくれなかった。金星と火星の間には海王星があるのだが、恒星を含めて写ってはくれない。

五月には火星は、「みずがめ座」で順行を続けて、下旬には「うお座」に入って、木星と接近して追い抜いてゆく。月末でも視直径はまだ6秒角台で、なかなか大きくならない。

五月10日記

火星課長 村上昌己 


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