編 集 後 記
例年になく早い六月中の梅雨明けとなった関東では、下旬には連日の猛暑日となり、40℃を越える気温を記録するところも出た。七月に入って少し落ち着いたが、台風崩れの低圧部が停滞して不安定な天候となった。草刈り作業もあって、8日から蓼科の山荘に泊まっている。標高1400メートルの髙地だが日中の気温は30℃を越えることもあり、下界よりは過ごしやすいが汗ばむ日々である。山荘の周囲では植物が生き生きと育っていて、この夏はイブキジャコウソウの小群落が近所のあちこちに見られるようになり、ピンク色の小さな花を咲かせている。他にはシモツケの花が最盛期で、ヨツバヒヨドリも白い花を咲かせていた。山の恵みもあって、時期遅れだがワラビも少し収穫できた。勢いよく育ったサンショにも、たわわに緑の実が付いている。7日には「小暑」を過ぎていて、これから本格的な夏の季節になる。
朝方の明るい惑星達も賑やかで、五月末の内合をすませた水星も朝方の空の「おうし座」にまわって、「やぎ座」の土星まで、七つの惑星すべてが朝方の空に並んだ。細い月が加わった日に、土星から順番に標準レンズで撮影を進めて、明るくなって行く空に水星の昇ってくるのを待った。
火星はだいぶ朝方の空に上っているようになったが、視直径の増加はゆっくりで、六月末でやっと7秒角を越えたところである。惑星観測者は、土星・木星・火星と夜半過ぎからの対象が多く、皆さん忙しそうである。
七月10日記
火星課長 村上昌己