編 集 後 記


先月の下旬から金木犀が香り、晴れた日には湿度も下がって気持ちの良い日が続いてた。十月になっても暑い日が続いていたが、五日からの雨の後には寒気の南下で気温が一気に下がった。関東でも最高気温が15℃に届かない日もあり、暖房を使用するほどであった。ここまで下がったのは記録的なことであったという。北国からは冬の便りも聞こえて、今年の冬の寒さは厳しくなるかも知れない。

近所では、カキやミカンが色づいて、我が家のコムラサキも紫色が濃くなり、青空の下、秋の色を見せている。

 


 

火星は九月下旬には、前接近と同じ季節にダストイベントが発生した。幸いにも天候は回復傾向で、幾夜かの晴れ間に火星を撮影することが出来た。ダストの様子は日替わりで、中央経度(ω)を揃えた画像を並べてみた。視直径も小さく詳細は捉えられないが、26日の画像には小口径ながら、Deucalionis Regio に発生しているダストストームが明るく捉えられている。その他にも Aram Chryse 辺りも明るくなっている。30日の画像では暗色模様の見え方が淡くなって、南半球高緯度にはダストの濃いベールが懸かっているようである。Syrtis Mjの南側にもダストが拡がっているように思える。まだダストは残っていて、今後の変化の様子に興味が持たれる。

 


 

十月10日記

火星課長 村上昌己 


日本語版ファサードに戻る / 『火星通信』シリーズ3 の頁に戻る