編 集 後 記


五月には周期的に変化していた天気も、21日の「小満」を過ぎると曇天傾向となり、綺麗な青空を見ることは少なくなってしまった。気温の変化も大きく、夏日の日も多くなってきたが、寒気の南下があると季節が戻ったように肌寒くなることもあった。見かける花たちもアジサイが盛りで、あちこちで見事に咲いている。我が家では、鉢植えの三寸菖蒲が初めて花を付けて、四輪が次々と咲いてくれた。六月になると御近所ではアフリカ浜木綿(ヒガンバナ科)の花も咲いていた。月末から火星のプレセペ通過の撮影に蓼科へはいる予定にしていたが、天候悪化の為に六月5日からに変更した。

 


 

蓼科でも、夕刻の天気は悪く、まともな撮影は出来なかった。小屋の前庭ではレンゲツツジか盛りを過ぎたところで満開だった。ワラビも少し収穫できて今年も山の幸を味わうことが出来た。

 

 


 

夕空の「かに座」を進む火星は、近づいてくる金星に圧倒されてますます目立たなくなってしまった。蓼科行きは延期としたが、自宅でプレセペとの接近・通過を狙って様子を見ていた。五月27日にはどうにか撮影できたが、その後は連日の曇り空で、南岸沿いに大雨が降った荒天明けの3日夕になって、どうにか晴れ間が出てプレセペ星団内の火星の画像を撮影することが出来た。

次のイベントは七月11日のレグルスとの接近だが、西空低く観望だけに終わりそうである。今回の接近期に火星を見ることが出来るのはここまであろうと思う。次回の接近は2025年一月で、最接近は一月12日、最大視直径はδ=14.57”に達する。

六月10日記

火星課長 村上昌己 


日本語版ファサードに戻る / 『火星通信』シリーズ3 の頁に戻る