編 集 後 記


七月の記録的な暑さに続いて八月も暑さが続いた。気温の上昇は世界的に拡がっていて、各地で異常な高温や雨量の増加が見られている。九月に入っても暑さは続いていたが、昨日九日の重陽の節句に弱い台風の接近があり、関東から東北の太平洋岸で記録的な多くの降水量があった。

当地では午前中は風雨の強まる時間もあったが、昼頃からは雨も止んで北よりの風が吹いて涼しくなった。そのころ千葉県や茨城県の太平洋岸では猛烈な雨が降っていたと言うが、その地域を挟んで太平洋側では南風か吹いていて、内陸では北風となっていたので、そこが前線帯となって不安定な大気状態になっていたのだなと思われる。

 


 

八月のお盆過ぎには、西村彗星(C/2023 P1)が朝方の空に見えているとのことで、暗い空を求めて蓼科の山荘へ向かった。あまり目立つ花は咲いていなかったがいくつかの花を画像に収めることが出来た。

日中は不安定な天気で、南から積雲の小さな塊が次々と通過していくような状態だったが、夜から朝に掛けては晴れて風も弱いことが多く、彗星のある「ふたご座」のみえるところにカメラを持ち出して固定撮影を試みたが、彗星はまだ明るくなっておらず淡い姿が認められただけだった。双眼鏡でも認めることが出来なかったのは残念であった。

 


 

九月にはいると太陽には近くなっていったが、肉眼等級に明るくなってきて、明け方の低空で淡い尾を延ばした姿が暗いところでは捉えられている。今朝は雨上がりの晴天となったので、自宅近くの東の低空まで開けたところで撮影を試みたが、都会の空は細い月もあって明るく、彗星の高度の上がる前に薄明も始まって、明るさを捉えることは出来なかった。近日点通過前の最後のチャンスだった。

九月10日記

火星課長 村上昌己 


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