編 集 後 記
前号の編集が終わった八月下旬にも酷暑は続いて、夏バテ状態になり体調の回復に時間がかかった。日中に呼吸する空気の温度が体温より高くなると、今まで感じたことのなかった息苦しさを感じて初めての経験であった。これが熱中症かとも思ったが、病院へ行くことはなかった。
九月になっても暑さは治まらなかったが「処暑」を過ぎると暦どおりに、いくぶん過ごしやすくなっている。近所で見かける花も、まだ夏の様子で、サルスベリやノウゼンカズラの花がまだ咲いている。我が家ではコシキブの花か咲いて次々と結実して、色づく準備をしている。
今回は、蓼科での九月に入っての合宿の画像をお借りする。標高1400mにある小屋は、夏でも涼しく気温が30℃以上になることはなかったが、今年は何回か記録している。八ヶ岳の山麓で、2500m級の山並みがよく見える。付近には山野草も自生していて、昆虫類も多く、昭和世代には懐かしさが感じられるところである。
火星の観測も始めたいと思っているのだが、十月には待望の、紫禁山・アトラス彗星(C/2023
A3)が、夕空に見えてくるようになる。肉眼彗星になるといわれているが、どこまで明るくなってくれるかである。ステラナビゲーターでテイルの長さを長めに設定した日没時のシミュレーション画像を作ってみた。太陽の方向と反対に伸びるイオンの尾と別にダストの尾の方向の変化が大きくあるようで、ダストの尾が大きく曲がっていて、面白い光景が観測できるかも知れない。日本では見えなかったが、2007年のマックノート彗星のように長大な幅広いシンクロニックバンドをともなう尾が見えるのではないかとも期待している。
九月16日記
火星課長 村上昌己