編 集 後 記
十月になってやっと酷暑も治まり、体調もだいぶもとに戻っているが、今回は紫禁山・アトラス彗星(C/2023
A3)の夕空に廻ったところで、タイミング良く移動性高気圧が訪れて晴天となり、蓼科へ行くことはなかったが、自宅のそばでの連日の撮影で時間が取られてしまい、今月も火星観測レポートの完成が遅くなってしまった。
残暑が長引いた為もあり、植物の様子も変化があり、御近所のヒガンバナの咲いたのは、秋分過ぎだった。隣家のキンモクセイも遅れてやっと咲き始め、芳香が漂ってきて涼しさの中で心地よさを感じさせてくれる。我が家のコシキフもだいぶ色づいてきて、下界でも秋の色が進んできている。蓼科へ入った仲間も彗星の撮影に成功していて、長い尾の写った画像を送ってくれている。山小屋まわりはすっかり紅葉で、最低気温は一桁にまで下がったとのことである。
火星の観測も始めたいと思っているのだが、紫禁山・アトラス彗星(C/2023
A3)に次いで、九月下旬には、第二の「イケヤ・セキ彗星」とも思われる、太陽をかすめるアトラス彗星(C/2024
S1)の発見があった。十月28日に太陽をかすめる姿がSOHO衛星のLASCOカメラで見ることが出来ると思われる。
日本では今回は接近する姿が捉えられるだけで最接近は日没後のこととなる。接近後は朝方の空に戻る軌道が計算されているが、今回の彗星はやや小型のこともあり、接近後に明るくなるかは判らないが、十一月始めもまた慌ただしいことになりそうである。
十月18日記
火星課長 村上昌己