ISHADOU #221

Letters to the Editor


from Hiroshi ISHADOH in CMO #221

●・・・・・七月中旬までのスケッチをお送り致します。こちらは梅雨明けと共に暑い日が続いていますが、思ったように天気は回復せず観測もはかどりません。台風の発生が少ないためかスカッとした快晴にまだ巡り合う事が出来ません。それでも雲間をぬって六月下旬は何とか連続して見る事が出来ました。
 先日、村上氏より送っていただいたアポダイジング・スクリーンの記事をもとに窓用の網で作って試して見ましたが、思った以上に結果は良好でした。最初に覗いた時、像の周辺に東映か松竹かの映画が始まる前に出てくる放射状のスペクトルに似たような模様に惑わされ集中するのに時間がかかりましたが、コントラスト及びシーイングが良くなる事に驚きました。集光力は低下しますが、惑星にはかなり効果的だと思います。
 そろそろ本土のほうも梅雨が明けると思います。西空での火星は急速に小さくなり、条件的にいろいろな面で難しくなりますが、しばらく可能な範囲で追跡して行くつもりです。
(16七1999)

○・・・・・・七月中旬までのスケッチは、今日午前中に速達にて郵送致しました。梅雨が明けて二十日ほど経ちますが、満足のいくような天気には程遠い状態です。
 それでも六月下旬はある程度追うことが出来、北極冠の様子を十分ではありませんが把える事ができましたので概略を記します。

 17 June 明瞭に北極冠の存在がわかる。
 一週間ほど欠測
 24 June Ls160°すでに北極冠の周辺に極雲が漂う。北極冠は透けて見える(周囲の暗帯が)。 
 25 June 昨日と同様だが、北極冠は透けて見えない。極雲やや強いか?
 26 June 北極冠は同じような広がりでかすかに透けてみえるか?
 27 June 極雲さらに広がっているが淡く、北極冠は透けて見える。
 29 June 朝方にサイクロン状の強い雲が発生しており、北極冠は独立して明瞭である。昼側にも極雲が漂っている。
 30 June 極雲が大きく淡く南側に広がる。しかし、北極冠と極雲の区別は出来ない。
  1 July 極雲はマレ・ボレウム付近に円形状に広がる。
  2 July バルティアにやや強い雲があり二個に分離しているか? 極冠は確認出来ない。
  4 July マレ・ボレウム付近に円形状の強い雲があり、北極冠は薄く見え、東側の細い極雲に連なる。
 以上概略を記しましたが、北極雲は六月下旬には強さを変化させているようです。ご指摘のように、周辺に強い雲などがある場合北極冠は姿を見せています。
 北極冠はますます捉えづらくなっていますが、これからの好シーイングに期待したいと思います。
(17七1999 FAX)

伊舎堂 弘 (Hiroshi ISHADOH 那覇 Okinawa)   :   FAX 81-098-885-1263