T SATO #232

Letters to the Editor


from Takeshi SATO in CMO #232

●・・・・・・ALPOの火星観測について、私は会誌に出るレポートもサーッと目を通す程度ですし、たとえかなり身を入れて読んだとしても、私自身観測をしていませんので、ちゃんとしたコメントは出来ないと思います。
 ただ、ALPOに限りませんし火星にも限りませんが、時代によって質的にも量的にも上がったり下がったり波があると思います。そして、それには課長とかDirectorとかCoordinatorとかいわれる人のリーダーシップが極めて大きいと思います。と言うより、それが決定的なファクターになっていると言ってよいと思います。
 リーダーが十分な働きをしなくなる(出来なくなる)原因としては、(1)能力がその分野の発展についていけない。(2)情熱が失われた。(3)種々の事情によって、たとえば、家庭の事情や職場からの圧力によって活動の継続が困難になった等があります。そのような場合、躊躇なく身をひいて、後任に譲るべきですが、長年にわたってほとんど(まったく?)活動しないまま、その地位にとどまり続けているケースが見受けられますね。“大先生”に対して「やめてほしい」とはなかなか言い出せませんから、せっかく有能な後任候補者がいても、出番はないわけです。

 リーダーの交代という点ではALPOやBAAでは、出来る人が出来る期間だけやるということで、比較的スムーズに行われていると思います。(どこと「比較的」かは差し障りがありますので言いませんが、ご推察の通りです。)リーダー一人一人、能力も熱意も事情も大きく異なりますから、その時のリーダーによって結果に大きな凸凹を生じますが、何もしない大先生が居座るよりはましです。理想を言えば、BAA木星課長をT.E.R.Phillipsがしていた時のように、「本当の大先生」が長期に担当できればベストでしょうけど。

 ALPOではリーダーの交代が比較的スムーズに行われているように言いましたが、T氏のケースは、W氏が言われる通りだとすると、やめてもらいたい人が居座っているケースでしょうか。
 Capen氏はプロの惑星研究者として仕事をしながら、ALPO火星課を本当に献身的に世話し、指導されたと思います。早くお亡くなりになったのは非常に残念でした。・・・・Capen氏の論文は他にもいくつもIcarusに出ていたかと思います。
 Icarusは数年間購読しましたが、ページ数が増えると共に、ぐんぐん値段が上がりましたので、安月給ではついていけず、やめました。その後、広大天文学研究室で時々見せて貰っていました。・ ・ ・ ・

 話は変わりますが、フランス天文学会会誌の1900年だったか1901年だったからか1941年の途中までだったかと思いますが、製本した状態で岐阜天文台に揃っています。村上忠敬先生がお亡くなりになった際、奥様から戴いたもので、元々は忠敬先生のお父上の春太郎先生の蔵書です。はじめ広島市こども文化科学館に置いていたのですが、長谷川一郎先生のご命令で岐阜天文台に移しました。火星観測もたくさん出ています。

 ほぼ全国的に梅雨に入ったようです。何卒お大事に!

(10六2000)

佐 藤 健 (Takeshi SATO 廿日市 Hiroshima)