Fifth Report: The CMO/OAA Observations made during the one-month period from
16 February 2003 at λ=138゚Ls to 15 March 2003 at λ=152゚Ls.

Based on the OAA Mars Section article published in CMO #270 (25 March 2003)

Masatsugu MINAMI, Director of the OAA Mars Section

♂・・・・・・火星は徐徐に近づいているが、徐徐に南に下がって、この時期後半最低になった。日の出も徐徐に早くなり、觀測時間も徐徐にしか増えない。今回は

16 February at λ=138゚Ls から 15 March 2003 at λ=152゚Ls.

までの期間を扱う。視直徑 δ は5.7秒角から6.7秒角に伸びた。位相角 ι は36゚から39゚に強くなった。中央緯度 φ は當初2゚Nであったが、21Febに赤道に落ち、期間最後には6゚Sとなった。以後、今年は φ は南を指す。六月に21゚Sまで行くが一旦最接近頃に19゚Sまで戻って再び十二月には26゚Sまで上がってゆく。尚、視赤緯は三月中旬に23゚34'まで下って、前述の様に最低になった。これからは赤道へ戻ってくる。

♂・・・・・・今回の觀測報告は次のようになっている。ヘルナンデス(CHr)氏とパーカー(DPk)氏が新しく參加した。DPk氏はその後順調に觀測を延ばしている。但し、テネリフェのDPc氏が氣流が悪いようで缺測である(LtE參照)。こちらではIw氏が開始したが、一寸跳ぶ。Nj氏は危うく缺測であった。天候は依然好くないし、シーイングも悪い。

     FRASSATI, Mario  マリオ・フラッサチ (MFr) 義大利 Crescentino, Italia
             1 Sets of Drawings (22 February 2003)    250×20cm SCT 

         HERNANDEZ, Carlos E カルロス・ヘルナンデス (CHr)  佛羅里達 Miami, FL, USA
       1 Drawing (6 March 2003)         350, 620×23cm Maksutov-Cassegrain

         ISHADOH, Hiroshi  伊舎堂 弘 (Id)  那覇 Naha, Okinawa, Japan
            14 Drawings (21, 25 February; 1, 2, 11, 12, 15 March 2003)   400, 340, 290, 220×31cm speculum

        IWASAKI, Tohru 岩 崎  徹 (Iw)  小倉北 Kitakyushu, Fukuoka, Japan
             1 Drawing (16 February 2003)          400×21cm speculum

        MINAMI, Masatsugu  南  政 次 (Mn)  福井・三國 Mikuni, Fukui, Japan
           28 Drawings (17, 18, 27 February; 13, 15 March 2003)  400, 480×20cm ED Goto refractor*

    MORITA, Yukio  森田 行雄 (Mo)  廿日市 Hatsuka-ichi, Hiroshima, Japan  
           16 Sets of CCD Images (20 February; 8, 9, 10, 11, 13 March 2003) 
                                        f/50@25cm F/7.7 speculum equipped with an ST-5C

       MURAKAMI, Masami 村上 昌己 (Mk)   横濱・泉 Yokohama, Kanagawa, Japan
            9 Drawings (25, 26 February; 7, 12, 13 March 2003)  320×20cm speculum

       NAKAJIMA, Takashi  中 島  孝 (Nj)  福井 Fukui, Fukui, Japan
            5 Drawings (15 March 2003)       400, 480×20cm ED Goto refractor*

    PARKER, Donald C ドナルド・パーカー (DPk)  佛羅里達 Miami, FL, USA
            3 Sets of CCD Images (8 March 2003) 
                               f/60@41cm F/6 Newtonian equipped with an ST-9XE 


                                                                                  *福井市自然史博物館屋上天文臺 
♂・・・・・・ 16Feb(00:00GMTではλ=138゚Lsだが、日本はλ=139゚Lsから)にはIw氏のω=313゚W(21:30GMT)での觀測がある。ヘッラスは端に來ているが特に明るくない。マレ・セルペンティスからマレ・イオニウム邊りが可成り濃くシュルティス・マイヨルの濃度を越えている。アエリア、アラビアは明るい。ノアキスは不分明。

17Feb(λ=139゚Ls)Mnはω=269゚W〜308゚W(21:50GMT)まで觀測、ヘッラスは圓く白く、ω=286゚Wでは明るく、Gでも見える。但し、北極域の方が明るい。表面は霞んでいて、シュルティス・マイヨルが特に西端が明確になるのはCMに來てからである。夕端でもシュルティス・マイヨルとマレ・テュッレヌムは可成り濃い。火星は南中近くになる。

18Feb(λ=140゚Ls)にはMnはω=250゚W〜309゚Wで觀測。透明度が好く、ヘッラスは白く輝くときがある。シュルティス・マイヨルも明確、朝ではアエリアは明るく、夕方ではマレ・テュッレヌムは濃いが褐色系。後半シヌス・サバエウスが出てくる。ドーム外は氷點下に下る。

20Feb(λ=140゚Ls)にはMo氏がω=255゚W〜264゚Wでccd像を得ている。シュルティス・マイヨルからマレ・テュッレヌムがくっきり出ている。ヘッラスはB光像は不好でヘッラスの白さが出ていない。ω=255゚Wではアエテリアの暗斑、ウトピアの暗部が出ている。

21Feb(λ=141゚Ls)にはId氏がω=270゚Wと280゚W(22:30GMT、日の出直後)で觀測、ヘッラスは鈍く明るいが輝きはない。シュルティス・マイヨルはシッカリ捉えられる。ウトピアは淡い。φ=0゚Sだから、北極冠は難しいが、域は明るい。

22Feb(λ=141゚Ls)にはイタリアのMFr氏がω=029゚W(6:05GMT)でスケッチ:シヌス・メリディアニが明確で、濃度5。マルガリティフェル・シヌスは弱い。マレ・アキダリウムは3~4で南中。北極雲が大きく白い。南極雲は殆ど見えない。

25Feb(λ=143゚Ls)には横濱のMk氏がω=219゚W、沖縄のId氏のω=224゚W、234゚Wでの觀測がある。マレ・キムメリウムの邊りが觀測出來、Mk氏には夕側が濃く見える。南端には白い明るさ。北縁から朝方縁が明るい。Id氏の觀測では南極雲は鈍く灰色、マレ・キムメリウムは濃いが、ウトピアは認められない。北極域はやや青白く霞む。ω=234゚Wではシュルティス・マイヨルが見えている筈だが、確認できない。エリュシウムはやや出ているか。

26Feb(λ=144゚Ls)にはMk氏がω=200゚W、209゚Wで觀測、南端の白い明るさを検出。朝縁には青白い明部(リビュア?)がある。中央はプレグラ邊りが淡い。

27Feb(λ=144゚Ls)にはMnがω=180゚W〜209゚Wの觀測:南極域は白く、南極雲であろう。φ=2゚S。模様は甚だ見難くこれはこの時期の特徴であろう。オリュムプス・モンスの邊りにはロール雲がありそうだが、濃くはない。ω=190゚W以降は北極域邊りに明るさがあり、南半球朝方にも明部(霧)。δ=6.1"になった。
 
1Mar(λ=143゚Ls)にはId氏がω=193゚W、203゚Wで觀測:南極雲が可成り大きく灰白色。その外にマレ・キムメリウムに聯なる濃い暗帶。シュルティス・マイヨルに先立って朝霧。エリュシウムは不明瞭だがケルベルス-プレグラ邊りに暗部。北極冠は小さく見えるようで朝側には白雲。

2Mar(λ=146゚Ls)もId氏の觀測でω=178゚W、188゚W:シーイングの所爲で南極雲は鈍い。後者では北半球に暗斑、ケルベルス-プレグラであろう。

6Mar(λ=140゚Ls)にフロリダのヘルナンデス(CHr)氏がω=327゚W(4:45GMT)で魅力的なスケッチを醸した。火星周邊部はこの時期特有のガスに包まれている様子が出ている。マレ・アキダリウムは完全に出ている。南極雲は大きく、その外縁が濃いがデプレッショネス・ヘッレスポンティカエ邊りであろう。

7Mar(λ=148゚Ls)にはMk氏がω=110゚W、120゚Wで觀測、Mk氏の南極雲は小さめだが、春分前だから南極を含む領域が可成り隠れているわけである。ソリス・ラクスの方面が夕端で翳る。

8Mar(λ=149゚Ls)には唐那・派克(DPk)氏がω=307゚W〜315゚Wで三像を揃える。RG610の三像が安定している。處理はキツイが、シヌス・サバエウスよりデプレッショニス・ヘッレスポンティカエが濃くやや異常である。南極雲はBで白く大きい。北縁の描冩も安定。DPk氏は今期からカメラをST-9XEに換え、CFW-8Cというフィルターホイールを使っている。この日(8Mar)、Mo氏はω=102゚W〜120゚Wで撮像するが、シーイングが好くなかった。Mo氏は更に9Mar(λ=149゜Ls)にはω=105゚W(ソリス・ラクス邊りが夕方に暗部)、10Mar(λ=150゚Ls)にはω=092゚W邊りで撮像した。

11Mar(λ=150゚Ls)にはMo氏がω=078゚W〜082゚W、Id氏がω=086゚W、096゚Wで觀測、Mo氏の像ではソリス・ラクスからダエダリアが2001年黄雲後の様子を傳えている様に思われる。像がやや不安定であるが、ケラウニウスが暗帶のように見える。B光の南極雲は少し描冩が悪い。Id氏は南極雲をやや明るくなっていると判斷、ただソリス・ラクス域は不分明な暗部。クリュセ夕端で明るい。

12Mar(λ=151゚Ls)にはMk氏がω=059゚W、069゚W、Id氏がω=077゚Wで觀測:横濱は透明度は好くないがシーイングはやや好く、Mk氏は南極雲に明るさを感じ、アウロラエ・シヌスからソリス・ラクスに濃淡模様、ダエダリアに暗帶を感じる。マレ・アキダリウムが夕端に見え、ニロケラスが伸びている。後半クリュセが夕縁で明るさ。テムペは白く大きく明るい。沖縄は快晴で好シーイングだが、Id氏は煙に惱ませられる。クリュセ-クサンテが夕端で明るい。ソリス・ラクスの邊り濃いが、南極雲は鈍く感じる。ガンゲスが淡く見える。

13Mar(λ=151゚Ls)にはMnがω=030゚W〜079゚W、Mo氏がω=047゚W〜096゚W、Mk氏がω=059゚W、069゚Wで觀測した。福井はやや透明度が悪く、南極雲は大きいが鈍い。シヌス・メリディアニ、マルガリティフェル・シヌス、アウロラエ・シヌスが分離して見える。マレ・アキダリウムからニロケラスも淡く見えている。ω=069゚Wでは南極雲内夕方に明るいコア。ソリス・ラクスの方に暗部の突起。クリュセに夕霧。北邊は明るい。Mk氏の南極雲も大きく灰白色、マレ・エリュトゥラエウムからソリス・ラクスに掛けて大きな暗部。マレ・アキダリウムが夕方で明確、テムペは圓く白い。後半にはクリュセに少し。テムペは弱くなるが朝縁に白く明るい部位。Mo氏のω=048゚W(LRGB)、ω=063゚WのIR、ω=069゚W(LRGB)等は良像、ソリス・ラクスの邊りの描冩は貴重。マレ・アキダリウム-ニロケラスも明確。折角のBの南極雲をRGB合成に反映したい。夕端クリュセは明るく出ているが安定性に缺ける。三者三様の觀測で時間を継いで成功。Id氏が加われば最高というところ。

15Mar(λ=153゚Ls)は福井でNj氏も加わって、ω=011゚W(18:40GMT)からω=060゚W(22:00GMT)まで聯續觀測、またId氏がω=040゚W(20:40GMT)〜060゚W(22:00GMT)の觀測となった。福井では南極雲は白く大きく、シヌス・サバエウスが捉えられる。南極雲の形はω=030゚W〜040゚Wで夕方に張り出しがあり、福井と沖縄でのスケッチが同型。クリュセ明るい。マルガリティフェル・シヌスは明確、Id氏はガンゲス。三者ともマレ・アキダリウムは検出。ω=030゚Wでは朝縁が可成り明るい。尚、この時季暗色模様は濃くても弱い方である。CCDでは明確だがこれは肉眼の感度より過剰に處理されていると思われる。



♂・・・・・・四十分觀測は目安になっているが、もう一つの觀點、次に日も「同じ時刻」に觀測するということを忘れている觀測者がいるが、「出たとこ勝負」はいけない。前日の時刻を參照し、微妙なときは10分單位でずらす。出たとこ勝負が許されるのは雲と視相の問題があるときのみ。現在は δ が小さいから違いが出ないが、これからはこの調整が大切になる。喝!

♂・・・・・・次回は16 March 2002 から15 April 2003 (λ=169゚Ls、δ=8.3")迄をレヴユーします。觀測締め切りは暫くは毎月15日ですので、報告等は16日以後直ちにお送り下さい。ccd像などは處理後jpgファイルでInternet用に直ぐMnにemailでお送り下さい。


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