--- CMO #226 (25 December 1999) pp2639~2658 ---

▼ 巻頭はCMO Mars Report #19で、16 November(245°Ls)から15 December(263°Ls)の期間の観測報告が纏められている。火星は夕方の西空でみずがめ座にあり赤緯を上げていた。既に観測末期で観測可能な時間は短く、視直径も既に5秒角台に小さくなっていたが、Noachis黄雲の発生した興味ある期間となっていたためもあり、観測報告者は十名に増えている。国外からもパーカー氏などからCCD画像が届いている。結果は南半球の暗部の様子は異常なしとされていて、この期間に擾乱は発生していなかった。縮小している南極冠が小さく認められていた。
 次いで、1998/99 Mars CMO Note (2) として「七月上旬のマレ・アキダリウム北の朝雲」 "The yellow-white morning cloud patch observed to the north of M Acidalium in early July 1999"が掲載されている。北極雲が北極冠を覆ってくる、北半球の秋分(180°Ls)近くなって捉えられた、マレ・アキダリウム北の朝雲の観測記録で、4Julyと 8Julyに明白な白雲塊が観測されている。29June(162°Ls)〜9July(168°Ls)までの状況を日を追って解説している。

▼ LtEには、外国からはRichard McKIM (UK), Thomas CAVE(USA), Frank MELILLO (USA), Don PARKER(USA), Sam WHITBY(USA), Brian COLVILLE(Canada), Jim BELL(USA), David GRAY(UK), Damian PEACH(UK), 頼武揚(Taiwan), Giovanni QUARRA(Italy)の皆さんより、他にSeason's Greetingsが、Alan HEATH(UK), Carlos HERNANDEZ(USA), Paolo TANGA(Italy), Johan WARELL(Sweden)氏から寄せられている。国内からは、熊森照明(大阪)、常間地ひとみ(神奈川)、伊舎堂弘(沖縄)、森田行雄(広島)、比嘉保信(沖縄)、木村精二(東京)、尾代孝哉(和歌山)、岩崎徹(福岡)、日岐敏明(長野)氏からのものが紹介されている。

▼ TYA(52)は、廿年前のCMO#081 (25 Dec 1989)からの紹介で、「合」を過ぎて早朝に見え始めた火星の暦が掲載されて、観測期の開始を告げていた。また、1988CMO観測ノート(8)として、「小倉/臺北お天気日誌」があった。南政次氏・岩崎徹氏の天候記録の比較である。

▼CMO#226の末ページには、皆さんから寄せられた画像を纏めて"CMO GALLERY"が臨時に開設された。常間地さん筆のタコ星人のイラストと共にある。


村上 昌己 (Mk)