--- CMO #230 (25 April 2000) pp2715~2730 ---

 巻頭は1998/99 Mars CMO Note(7) 「1999年朝方のタルシス三山とオリュムプス・モンス」 "Trend of Tharsis Montes and Olympus Mons in the morning in 1999" が掲載された。衝に近づいて早朝の様子が見える様になると、タルシス三山とオリュムプス・モンスの山頂が低空の朝靄の上に出て暗点として捉えられるようになる。1997年には(096°Ls〜114°Ls)の期間の様子が捉えられていた(cf. CMO#201, CMO#209)。今回は続く季節の26Mar1999(115°Ls)からの様子について取り上げている。14June1999(154°Ls)迄の記録がある。

 CMO Mars Report (23)には、2000年三月後半からの報告がある。最終は2000年四月1日で、今期の観測報告が終わっている。視直径も1Apr2000(328°Ls)では4.0秒角となり、夕空に見えていた水星よりも小さくなっていた。『火星通信』では、1999年の火星接近には1998〜2000年の18ヶ月の期間にわたり観測レポートを纏めてきた。

 LtEは、外国からは、Sam WHITBY (USA), 頼 武揚 (Taiwan), André NIKOLAI (Germany), Nicolas BIVER (HI,USA), Myron WASIUTA (USA), Gérard TEICHERT (Canada/France)。国内からは、永井靖二(大阪)、常間地ひとみ(神奈川)、森田行雄(広島)、松本達二郎(兵庫)、阿久津富夫(栃木)、伊舎堂弘(沖縄)、熊森照明(大阪)、小山田博之(神奈川)、日岐敏明(長野)、沼澤茂美(新潟)、比嘉保信(沖縄)の各氏からのものが紹介されている。NIKOLAI氏から送られてきた12Feb2000の水・火・木・土の四惑星の同一縮尺の画像が掲載された。

 夜毎餘言・LXは、「2000億円問題」:負債なり、損失が当時2000億を越えると大きな企業でも事業計画でもインチキが蔓延り立ち行かなくなり、問題になるという話。宇宙開発事業団(今はJaxa)のことやNASAの活動にも言及している。

 TYA(56)には、CMO#086 (25 Apr 1990)が紹介されている。「OAA MARS SECTION」が始まり、1990年観測期のスタートを告げている。季節は31Apr1990で212°Lsだった。他にドイツとアメリカからの観測報告の紹介があった。


村上 昌己 (Mk)