1998/99 Mars CMO Note
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from CMO #237 (25 November 2000)


-- 1999年の南極雲--


 

1999年の南極冠については既にCMO #231 p2735Note(9)で南極雲絡みで考察している。南極雲は166°Ls邊りから局在化し、176°Ls邊りで南極冠の出現を見たというのが結論であった。但し、1999年は中央緯度φが北寄りであったから、難しいところである。今回は南極雲の大局的な様相をその前段階について考える。南極雲はヘッラスとの關係で見るのが常道だが、南極雲との關係でヘッラスが日本から注目されたのは20 Mar (112°Ls)3 Apr (119°Ls)で、例えば中島孝(Nj)氏や筆者(Mn)の觀測では23 Mar 1999 (114°Ls)ω=323°W342°Wで夕方のヘッラスの顕在に比べてデプレッシオネス・ヘッレスポンチカエ邊りが暗く南極地方には大局的なヘーズは見えていない(#215 p2457 (英文p2458)の項目3)參照)。但しφ=15°Nで南極地は見えていない。ι=23°、濃度評価はヘッラス0.0、ノアキス3.0で後者は少し靄っている。

この時期の南極雲の觀察はソリス・ラクスの南に於いても行われる。村上昌己(Mk)氏の9 Apr 1999 (122°Ls)ω=111°Wでのタウマシア雲の重要な觀測についてはCMO #216 p2479 (英文p2484)に報告した。然し、この雲は著しいが未だ大局的なものではなかった様で、例えば筆者の16 Apr 1999 (125°Ls)での觀測では、ω=048°W068°Wに確かに南端に複雜な雲海が出ているが、南極に近いところは未だ灰色であった。 ヘッラス領域はその次には我が方から24 Apr (129°Ls)7 May (135°Ls)邊りに眺められた。このときは更にφ=19°N邊りに上がっていたが、例えば29 Apr 1999 (129°Ls)ω=299°Wではヘッラスの内部が見えて來ている。1 May 1999 (132°Ls)ω=297°Wω=326°W邊りで矢張り南極方向は暗い。然し、16 May 1999 (140°Ls)ω=099°W以降ソリス・ラクスが見えてきたときは、その南に南極を覆う大きなフッドが出現していた。17 May (139°Ls)27 May (145°Ls)には日本から多くの觀測者によってチェックされている。從って南極には120°Ls邊りから局所的な雲が出ているが、未だ濃淡は強いものの大局的な南極雲に発展したのは1999年の場合140°Ls前後であろうと考えられる。

ヘッラスが日本から次に見られたのは、1 June (148°Ls)12 June (154°Ls)の期間であった。1 June 1999 (148°Ls)ω=318°W338°W (φ23°Nι=28°)では明らかに南端にはフッドがあった。そして6 July 1999 (166°Ls)には再びフッドが局在化しているのが觀測されているのが觀測されたわけである(CMO #231 p2735) ここで唐那・派克(DPk)氏の觀測を引用する。ヘッラスはフロリダに四月半ば(125°Ls邊り)、五月下旬(145°Ls邊り)に向いている。圖にはヘッラス南中時と朝方のCCD像を比べてある。16 Apr 1999 (125°Ls)23 May 1999 (143°Ls)ω=293°Wの像の比較ではヘッラスはある意味で同じように明るく見える。然し、後者は矢張りフッドに侵されている。B光參照。そのことは朝方の17 Apr 1999 (126°Ls)の像と25 May 1999 (144°Ls)の像の比較で明らかである。


他に文頭にあげた 15 May 1999 (139°Ls)DPk氏の畫像も興味深く、南極雲がソリス・ラクス側にやや傾いていることが見て取れる。

最後に森田行雄(Mo)氏の30 May 1999 (147°Ls)の畫像を引用する。ω=010°Wで南極雲を好く捉えている例で、上のDPk氏の像と比較できる。Mo氏のB像で見ると、南極雲にも領域によって濃淡があることが分かる。こうした濃淡は南極冠出現まで續くと考えられる。然し、1999年は以降視直徑が落ちて行った。(尚、Mo氏のこの像は#234 p2779で扱ったマレ・アキダリウム北部の朝雲の觀測の追加報告になっていて、Nj-371Dに拮抗する。B光にはその殘滓が綺麗に出ている。Mo氏は29 Mayにもω=045°Wの像を得ている。)


Nota Bene: 2001年には140°Lsは四月上旬に訪れる。視直徑は10秒前後であるが、φ1°Nであるから、1999年に比較すれば南極方向はよく見える。尚、南極冠出現の時期確定はφδのばらつきによって難しい。宮本正太郎氏の1971年の觀測では矢張りスケッチには176°Ls (δ11.1")から明確な南極冠が出ているのであるが、最初に南極冠を検出したのは161°Ls (δ=8.7")とされている
筆者(Mn)1986年の臺北での觀測メモでは南極冠の嫌疑は151°Ls (δ9.8")から現れていて、160°Ls (δ=11.3") からはダークバンドによって安定しているが、まだ、ヘーズは見られる。別項で述べているように、176°Lsでは南極冠内部に既に蔭が出ている

( 政次)

 


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