From
Kanehiro OSA
●・・・・・・・Date:
Mon, 10 Nov 2003 02:24:54 +0900
Subject: Re: 火星アウロラ?
色々と空のイベントが発生して振り回されています。
返信が遅くなり申し訳ありません。
Mn>昨7日(GMT)に觀測依頼を『火星通信』同人宛にemailしましたので、長さんもご覧に
>なったと思いますが、問題の突起現象は本日8日(GMT)に沖縄の宮崎勳さんが眼視で確
>認されました。ω=170°Wでは見えなかったようですが、11hGMT(ω=188°W)では一目瞭
>然で、曇るまで(ω=215°W)見えていた由です。私が突然気付いて思い出したのはω
>=203°W邊りですが、その前から出ていた可能性は幾らもあるわけですから、同じ現象
>だと思います。
>
>そこで、問題はこれは何だという事になるのですが、私の最初の記録が4Novとなると
>AR#0486の活動が氣になりますね。オーロラタイプとすると長さんですから、長さんの
>意見を訊きたいと思います。
>
>突起の場合は気象現象は考えづらいですね。火星の場合、どうでしょうか、可成りの高
>度で光るものはどういう場合があり得るでしょうか。緯度は、70°S、80°Sという高緯
>度でなく、40〜50°Sです。もし、水蒸気と関係しないのであれば、必ずしも朝まだき
>だけの現象ではないでしょうが、まさか火山でもあるまいし。どうも数日続いています
>から、小惑星の衝突でもないでしょうが、舞い上がったものが停滞すれば数日続くこと
>はあるかも知れませんね。しかし、光り物ですから励起現象を先ず考えるのがスジのよ
>うな氣がします。私としては、気象現象の方が面白いのですが、単なる膨らみ程度では
>ないので、これは新しい発想をしなければと思うわけです。
>
先日来の太陽フレアの影響が考えられます。太陽風の速度も1200km/secですので表面を吹き飛ばす威力があると思います。私もうっかりしていたのですが、熱をおびている可能性がありますので赤外の観測が必要かと思います。
火星には磁気圏がありませんので、アローラは起こりません。火星の表面で発光するようなものとエッジで発光する様に見えるのとではかなり違ったことです。
もし、表面で発光するのでしたら太陽光を全反射したと考える方が理解し易いです。太陽風の直撃を受けたところが谷間であったとするとありうると思います。
リムで筋状に見えるのでしたら表面を吹き飛ばしたと考える方が理解し易いです。私の想像ですが、彗星の尾の様になっているように感じています。実際に見ていないので何とも言えませんが、今回のフレアの影響は地球に直撃していないのですが、速度と時刻から火星に当たっていても不思議でないようです。データを収集中ですので、未だ個人的な断定が出来ません。
もう一つ、雷の様なスパークが考えられます。荷電粒子が砂塵に多量に入った時に起こりうる可能性があります。酸化鉄が多いと言われますので捨てがたい思い付きです。特に多孔質の粒子であれば電解が高くなります。これは、表面を吹き飛ばしても砂塵内に起こる可能性があります。量が多いと一瞬の出来事では終わらないでしょう。極端な状態では砂塵全体が帯電してもおかしくありません。なにしろ気圧が低いのでカソード効果が起こる環境です。どちらかと言えばビーム真空管の発光の様な感じでしょうか。
アマチュア的な発想で申し訳ないのですが、なにしろ文章から想像するだけですので、こんな回答になりました。しかし、ありうる事です。太陽風による影響とすれば熱線でしか判りづらいと思います。B光のフィルターで写らないのはその為では?と思います。
>PS:ローヱル協会の穴水年会は3日ということのようですから、前の日五月2日に船で穴
>水に入るということにしたらと思っています。今度は時刻を決めなければなりません。
>
和倉からフェリーですね。一番初めに参加したローエル祭がそうでした。
--
○・・・・・・・・Date:
Thu, 13 Nov 2003 01:33:19 +0900
Subject: Re: 火星アウロラ?
紹介されていましたURLを拝見しました。オーロラタイプの可能性もあるかも知れませんね。でも、発電するメカニズムがちょっと難しいです。地球でしたら太陽と反対の方向にプラズマが溜まることも理解できるのですが強磁場だから出来るものです。ちなみに地球の極に入出する角度はルート3位です。X28のバーストは、4日中には未だ火星に到達していません。しかし、それより先行していた流れを吹き飛ばしていますので、火星に幾つものプラズマの塊がぶつかった可能性が高いです。一応通信総合の一覧を示しておきます。これでは経路が判断できませんが、時間軸は想定できます。
通信総合研究所のリポート
月/日 時刻(UT) X線/光学 領域 電波バースト 関連現象
10/31 04:26 M2.0 484 10cm, III なし
11/1 22:26 M3.2/1N 486 10cm, II, III, IV CME
11/2 17:03 X8.3/2B 486 10cm, II, IV CME
11/3 01:09 X2.7/2B 488 10cm, II, III, IV CME
11/3 09:43 X3.9/2F 488 10cm, II, III, IV, V CME
11/3 15:26 M3.9/SF 486 10cm なし
11/4 05:43 M2.8 不明 なし なし
11/4 10:11 M3.0 488 なし なし
11/4 19:29 X28/3B 486 10cm, II, III, IV CME
11/5 10:46 M5.3/SF 486 なし なし
宮崎様の写真を拝見して驚いています。あまりにハッキリしているのでオーロラとは思えません。もし、オーロラなら相当強力なダイナモが起こっていなければだめでしょう。なにしろ緯度が低いです。火星の磁気圏についてあまり良く知りませんので数日前から勉強しています。
現在考えられているオーロラのメカニズムでは、多量のプラズマの太陽風を受けても直接的に電離層に影響を与えることはありません。ぶつかっても発光するまでのエネルギーを持っていないからです。勿論、これは地球での話しですから火星の条件を色々考慮しなければならないでしょう。何となくオーロラほどでないプラズマ発光の様に感じます。
宮崎様の写真で見ると輝度を感じませんので、火星の影で発光しているより非常に高度の高いところに何か浮遊している様に見えるのですが、どうでしょうか?自転にともない若干ですが緯度変化がある様に見えます。
今日も火星を見ようと挑戦したのですが、残念ながら我が家では気流が悪く確認出来ませんでした。存在していてもエッジがハッキリしなかったのです。明日は条件が悪ければ移動も考えてみます。
○・・・・・・・・Date:
Tue, 18 Nov 2003 23:56:19 +0900
Subject: Re: 火星・ローヱル会議日程
日程は、これで良いと思います。来月には広報しなければならないと思っています。
火星の大気を勉強しているのですが、ぜんぜん知らなかったのが恥ずかしいぐらいです。なるほど電離度は少ないですが電離層が影響していても不思議でないようですね。しかし、遠方から可視光で見えるアローラがあるとすると相当なエネルギーになります。地球と異なった環境ですから、もし出来るとすると必ずしも火星表面に垂直に近い出来方とは限らないですね。磁気圏の構成状態が知りたいものです。
長 兼 弘 (Kanehiro OSA 野々市
Ishikawa)
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