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st Report:

2003年十二月後半(16 Dec~31 Dec)の火星面觀測

The CMO/OAA Observations made during the fortnight period from

16 December 2003 (317°Ls) to 31 December 2003 (326°Ls)


20th Reportを参照するにはここをクリック


An OAA Mars Section article to be published in CMO #286 (10 January 2004 issue)


  (Masatsugu MINAMI, Director of the OAA Mars Section)


・・・・・・既に視直徑も10秒角を割り、觀測も夕方に限られてきているが、12Dec(λ=314°Ls)にクリュセ黄雲がカタストロフを起こしたために、觀測は活發であった。今回はその16 Dec (λ=317°Ls)から31 Dec (λ=326°Ls)迄の經過を追う。視直徑δ9.6"から8.5"、位相角ι42°であった。中央緯度φ26°Sで、依然南半球が好く見える。視赤緯は赤道に戻ってきて高くなっている。但し、日本とくに裏日本では天候が冬型で、17 Decにも晴れる可能性があったので天文臺に待機したが、觀測は出來なかった。然し、堺のKm氏は好く追跡した。アメリカではDPk氏とEGf氏が大いに活躍した。

 

♂・・・・・・今回の觀測者は次の27名である。

 

AKUTSU, Tomio 阿久津 富夫 (Ak)  栃木・烏山 Karasuyama, Tochigi, Japan

            7 Sets of CCD Images (+2 IR images)(23, 28, 30 December 2003)

                           f/33×32cm spec with a Bitran BJ-41L

    

BEISH, Jeffrey D ジェフ・ビーシュ (JBs)  佛羅里達 Lake Placid, FL, USA

            1 Drawing (16 December 2003)  590×41cm F/6.9 speculum

    

BIVER, Nicolas  ニコラ・ビヴェール (NBv)  法國・凡爾賽 Versailles, France

            2 Colour Drawings (18 December 2003)  510×26cm speculum

    

BUNGE, Robert  ボブ・バンジ (RBg)  馬里蘭 Bowie, MD, USA

            1 Drawing (24 December 2003)  210×10cm spec

    

FRASSATI, Mario マリオ・フラッサチ (MFr) 義大利 Crescentino (VC), Italia

            1 Drawing (23 December 2003)    400×20cm SCT

     

GRAFTON, Edward A エド・グラフトン (EGf)  コ克薩斯 Houston, TX, USA

            4 CCD Images (18, ~20, 21 December 2003)

 f/39×35cm SCT with an ST-5C

    

IWASAKI, Tohru   (Iw)  小倉 KitaKyushu, Fukuoka, Japan

        9 Drawings (16, 21, 23, 28 December 2003)   400×21cm speculum

    

KARRER, Michael ミヒァエル・カッレル (MKr) 奧地利 St Radegund, Österreich

            1 CCD Image (20 December 2003)

 f/35×18cm Meade Refraktor with a ToUcam

     

KOVACEVIC, Zkatko F ズカートコ・コヴァチェヴィチ (ZKv) 克羅地亞Virovitica, Croatia

            1 CCD Image (18 December 2003)   f/20×20cm STC with a ToUcam

     

KUMAMORI, Teruaki 熊森 照明 (Km)   Sakai, Osaka, Japan 

           27 CCD Images (16, 17#, 21#, 23#, 25#, ~27# , 28, 30 December 2003)

                 f/84×20cm Dall-Kirkham & f/40×60cm Cass# with a ToUcam

                                           #ソフィア堺天文臺 Sakai City Observatory

     

LAU, Canon   (CLa)  香港 Hong-Kong

            4 CCD Images (25, 29, 31 December 2003)  f/32×35cm SCT with a ToUcam

    

MELILLO, Frank J  フランク・メリッロ (FMl)  紐約 Holtsville, NY, USA

           2 Red CCD Images (28, 30 December 2003)

20cm SCT with a Starlight Xpress MX5

    

MINAMI, Masatsugu 南 政 (Mn)  福井 Fukui, Fukui, Japan

           12 Drawings (22, 25, 28, 30 December 2003)

480, 400×20cm F/12 ED Goto refractor

                福井市自然史博物館屋上天文臺 Fukui City Observatory, Fukui

    

MIYAZAKI, Isao   (My)  沖縄・具志川 Gushikawa, Okinawa, Japan

            6 CCD Images (22, ~24, 29, 30 December 2003)

40cm F/6 speculum with ToUcam

    

MORITA, Yukio 森田 行雄 (Mo)  廿日市 Hatsuka-ichi, Hiroshima, Japan

           16 Sets of CCD Images (21, 23, 30 December 2003)

                                   25cm spec equipped with an ST-5C

    

MURAKAMI, Masami 村上 昌己 (Mk)   横濱 Yokohama, Kanagawa, Japan

      19 Drawings (16, 17, 21, 22, 23, 24, December 2003)  320×20cm speculum

    

NAKAJIMA, Takashi   (Nj)  福井 Fukui, Fukui, Japan

            9 Drawings (28, 30 December 2003) 480, 400×20cm F/12 ED Goto refractor

                              福井市自然史博物館屋上天文臺 Fukui City Observatory, Fukui

    

PARKER, Donald C ドン・パーカー (DPk)  佛羅里達 Miami, FL, USA

           18 Sets of CCD Images + 2 Drawings (16, 18*, 21, 25, 27, 30 December 2003)

                     f/55, 59×41cm F/6 spec equipped with an ST-9XE/

                    *f/22×41cm spec with a ToUcam + 545, 600×41cm spec

    

PEACH, Damian A デミアン・ピーチ (DPc)  Loudwater, Buckinghamshire, UK

            7 Sets of CCD Images (17, 18 December 2003) 

                               f/31×28cm SCT with an ATK-1HS

  

PELLIER, Christophe クリストフ・ペリエ (CPl)  法國 Bruz, Ille-et-Vilaine, France

            4 Sets of CCD Images (16, 17 December 2003)

                             35cm SCT with a modified B&W ToUcam Pro

    

SIEGEL, Elisabeth エリサベト・シーゲル (ESg)  丹麥 Malling, Danmark

            4 Drawings (18, 19, 22, 30 December 2003)  270×20cm F/10 SCT

    

TATUM, Randy  ランディ・テータム (RTm)  Richmond, VA, USA

            2 CCD Images (21, 25 December 2003)  25cm spec (F/12) with a ToUcam

  

TEICHERT, Gérard ジェラール・タイシェルト (GTc)  法國 Hattstatt, France

            3 Drawings (17, 24, 29 December 2003)      330×28cm SCT

  

VALIMBERTI, Maurice P モーリス・ヴァリムベルティ(MVl) 墨爾本 Melbourne, Australia

            1 CCD Image (27 December 2003)  f/41×35cm SCT with a ToUcam Pro

  

Van Der VELDEN, Erwin アーウィン・ヴァン・デア・ヴェルデン(EVl)

                                             澳大利亞 Brisbane, Australia

            8 CCD Images (16, 18, 19, 21, ~23, 29*, 31* December 2003) 

                     f/31×20cm SCT +* f/29×23cm SCT with a Vesta Pro modified

    

WARELL, Johan  ヨハン・ヴァレッル (JWr)  亞利桑那 Tcuson, AZ, USA

       5 Sets of CCD Images + 1 Drawing (18, 21, 21*, 22 December 2003) 

                            f/24×25cm SCT with a ToUcam +260×25cm SCT*

                             f/24×25cm SCT with a ToUcam +260×25cm SCT*

   

WILLIAMSON, Thomas E  トマス・ウィリアムソン (TWs)  Alburquerque, NM, USA

           2 Set of CCD Images (17, 20 December 2003)

 f/50×20cm spec with a Philips ToUcam

 

 

・・・・・・2003年十二月黄雲(承前)

16 Dec (λ=317°Ls): 14Dec頃から黄雲のヴェクトルが南に向いているのは、季節が進んで赤道帶が暖かくなった爲で、更にコリオリ力が稍掛かって、東へ發展する。前日15Decにはアルギュレとディア邊りで強い擾亂が起こったが、DPk氏の16Dec(λ=317°Ls)ω=019°W30°W41°Wの畫像は東側での急激な發展を傳えている。初期の黄塵は夜間、成層圏が落ちてきて、對流活動は止まるが、1415Decから上空へ昇ったダストが轉向力で少し東に擴散して黄塵の發生條件を傳え、16Decには朝方で先ずデウカリオニス・レギオの東端部で黄塵が起こり(ここは1956年以來起こりやすいところとして知られている)、次いで自轉と共にノアキスを南西に横切る形で幾つかの擾亂が起こり、TESの黄塵マップによれば、アルギュレの西側、ディアでも強い黄塵が次々と舞い上がっている。後者は前日の残滓であろう。他にエオスのコアの残滓もJBs氏のω=031°Wで指摘している。黄雲の西側はEVl氏のω=165°WKm氏のω=159°W177°Wでほぼディア邊り、Ω=090°W邊りで止まっている。Iw氏は眼視でω=166°Wで確認した後、ω=185°Wまで追っている。一方興味深いのは、DPk氏によって觀測された黄雲の帶が一旦夜へ移り、活動が沈滞した後、約17時間後に再びデウカリオニス・レギオ東端が朝方に顔を出す瞬間をCPl氏が捉えたことである。ω=284°W289°W(300°W)302°W。明らかにヘッラスには異常がないが、水蒸氣が先立って出て、17時間前と場所に黄塵が發生したことも興味深い。DPk氏像の黄雲の帶も2003年の明帶とやや異なり、むしろ1956年の南アのフィンセンが撮った1956年黄雲の道筋に似ており、この影響が興味がある。2003年前半のノアキスは(マレ・セルペンティスの異常を除いて)1924年型であるが、今回の黄雲の道筋は少し異常暗帶を作り出すかも知れない。更にデウカリオニス・レギオ東端の黄塵は2003年七月黄雲に依るマレ・セルペンティスの濃化擴大にどう影響するかも興味のあるところである。

 

 17 Dec (λ=317°Ls~318°Ls): 17Decにはアメリカ側はTWs氏のω=034°W(01:31GMT)だけで、Ω=300°Wは東端であるから、デウカリオニス・レギオ東端はよく分からないが、明部は強く、またこの邊りとアルギュレ邊りの黄雲がΩ=000°W邊りで分離している様である。一方、既にシヌス・メリディアニのあたりは黄雲が立ちこめたようで、模様が曖昧になっている。日本ではKm氏がω=087Wで撮像、眼視ではMk氏のω=142°W等がある。夜を過ごしたデウカリオニス・レギオ西部の朝について、再び、CPl氏が17:40~18:59GMTまで觀測したが、角度は足りないか、黄塵の強い再發生は見られないのかも知れない。ただ、ヘッラス方向に稍擴散があるようで、矢張り水蒸氣も立っている。

 

  18 Dec (λ=318°Ls):  DPk氏が眼視でω=356°Wω=016°Wにノアキスとアルギュレ方面に黄雲を認めている他、シヌス・メリディアニが黄雲被りで確認できない。またω=030°WToUcamで撮像した。16Decの同じ角度のものと比べると、シーイングにも依ろうが、上空に可成り黄雲が撒き散らされている感じである。一方、EGf氏がω=004W(00:17GMT)で、デウカリオニス・レギオ東端での黄塵の様子を傳えている。明るい核が寧ろヤオニス・フレトゥムに沿って南に延びて、ヘッラスには入らない。シヌス・メリディアニの黄雲を被って消失している様子も明確である。JWr氏はω=060°Wでアルギュレ邊りを撮像した。オセアニアに移ってEVl氏はω=132°Wで、マレ・シレヌムの南にまで黄雲が侵入した様子を出しているが、アオニウス・シヌス邊りは全く晴れている。黄雲前面のデウカリオニス・レギオ東端については20時間後朝方でビヴェール(NBv)氏のω=284°W296°W(20:17GMT)で一周り前と同じ様な様相である。コヴァチェビッチ(ZKv)氏のω=286°Wでもヤオニス・フレトゥムに沿って明帶が南に延びている。黄塵が夜間通じて殘留するようになっているようである。尚、シーゲル(ESg)さんは少し早くω=236°Wの觀測で、ヘッラスが明るく出ているが、まだヤオニスは出ていないと思う。W47ではターミネータは明るい。

 

  19 Dec (λ=319°Ls):  EGf氏のω=355°W ではデウカリオニス・レギオ東端の黄塵のコアが強調されておる。ヤオニスの邊りの様子は7 July 2003のデウカリオニス・レギオ黄雲を小規模にしたような感じである。TESでは、ノアキスの南に黄雲が擴がった。西端はEVl氏がω=122Wで、撮像17Decより後退しているかも知れない。この日の朝方の像はない。ESgさんはω=264°W、ヘッラスがターミネータで明るい(雲と見做す)

 

  20 Dec (λ=319°Ls):  EGf氏がω=350°WTWs氏がω=353Wで撮っており、前日と同じコアが幾らか違って確認されるほか、ノアキスでも南方へ擴散があるようである。カッレル(MKr)氏が一回り後のω=242°Wを撮ったが、ヘッラスに朝の水蒸氣が立っている様である。

 

  21 Dec (λ=320°Ls):  EGf氏のω=334°WDPk氏のω=337°W339°W357°Wで、ヘッラス西北部に初めて黄塵が誘起されている(これはTES像でも確かめられる)JWr氏はω=014°W029°Wの撮像で、20Decのノアキス黄雲の變化を示している。西側の發展はKm氏やMo氏、EVl氏がω=059W から134°W邊りまで追跡しているが(Mk氏は眼視でω=090°W~120°W)、多分東向き轉向力で發展がない。ただ、アルギュレからタウマジアの方に流れている帶が目立つ(Mk氏の眼視でも)テータム(RTm)氏は一回りしたヘッラスの朝方で内部の黄雲を捉えている。

 

   22 Dec (λ=320°Ls): TESの午後2時像ではヘッラスの擾亂は然程では無くなって、南向きヴェクトルによって南極冠の周りに擾亂が吹き寄せられてきたことが分かる。そろそろ終息に近い。JWr氏のω=347°W012°Wでのノアキスから南に掛けての黄雲の動きは面白いが、像が小さいのと傾いでいて困る。西側はEVl氏のω=092°W、宮崎(My)氏のω=118°W140°Wで押さえられている。眼視ではMk氏のω=081°W090°W100°Wで、前日より境界がハッキリしている。

 

   23 Dec (λ=321°Ls):  TES像ではヘッラス内に再び一時的な擾乱が見られ、而も西南部であるが、美國側の觀測がない。アジア・オセアニアで、Km氏、Ak氏、Mo氏、My氏、EVl氏が像を揃えている他、眼視ではMk氏、Iw氏。角度はω=045°W117°Wの範囲。重要なのは再びクリュセ邊りに黄塵が起こったことで、早い時間帶の像にはどれにも出ている。TESによれば、これより前19Dec頃からアラビア・エデン砂漠に黄雲が立ちこめていたようだが、これが終息するに際し、23Decにクリュセに強い擾亂が起きたようである。次に日には弱くなるが、26Dec邊りまで繰り返す。

 

  24 Dec (λ=322°Ls): バンジ(RBg)氏がω=318Wでスケッチし、ヘッラス北部に黄塵を見ているが、TESでは南部である。My氏がω=088Wで比較的鮮明な像を得、ノアキスから北半球に掛けての黄雲を端で捉えている。ソリス・ラクス邊りのボケ具合、アウロラエ・シヌスの邊りの肥大の様子もよく分かる。アルギュレは黄雲溜まりのように見えるが、TESには出ていないので、地面亂反射かも知れない。或いは、TESの擾亂の度合いと實際と違うときがあるので(時刻は然程違っていない)、この點は今後の問題。

 

  25 Dec (λ=322°Ls): DPk氏がヘッラスを正面で捉え(ω=300°W304°W)、ヘッラスからアウソニアに掛けての黄雲の分布を傳えている。然し、ゼア・ラクスなどは出ている。六時間ほど經てKm氏のR光でω=026°Wでクリュセからデウカリオニス・レギオに掛けて黄雲の擴がりがあるかといった様相であるが、これは肉眼でも見えている(Mn: ω=037°W046°W)。但し、明るいコアは何處にもない。これらの様子は、

  26 Dec (λ=323°Ls)でのKm氏のω=021°W(15:45JST)034°Wでは鮮明で、クリュセ黄雲の擴がりに間違いない。シヌス・メリディアニが回復してきたようで、またマレ・セルペンティスも濃い姿を取り戻した様だ。Km氏の

  27 Dec (λ=323°Ls)でのω=019°Wω=038°Wでもほぼ同じ状況である。この日はDPk氏がω=268°W287°Wで撮像したが、ヘッラス邊りも殆ど回復し、ゼア・ラクスやマレ・ハドリアクムなどが見えている。北極雲が強い。ヴァリンベルティ(VMl)氏がω=071Wで撮っているが、ここでも北極雲が強い。アウロラエ・シヌスは大きく見える。TESでは殆ど擾亂は消失している。一つだけ、アラム邊りにあるコアはKm氏に出ていると思う。尚アルギュレは黄雲でなく地面が明るい可能性がある。

 

  28 Dec (λ=324°Ls):  TESでは最早擾亂は見られないが、Ak氏のω=342°W348°W001°Wや、Km氏のω=029°W007°W039°W等では、再びシヌス・メリディアニが不鮮明になっている。この邊りが綺麗になるのはTESでは31Decである。

 

  29 Dec (λ=324°Ls):  EVl氏のω=027°WMy氏のω=033°Wは前日より少し透明になったのか、鮮明になり、アラムからマルガリティフェル・シヌスの半分が黄雲に侵されている様子が良く出ている(オクシア・パルスが稍出ている)CLa氏のω=060°W070°Wは肥大したように見えるアウロラエ・シヌスとの關係を示す。なお、EVl氏、My氏の像でマレ・セルペンティスは沈んでいるが、ここからマレ・エリュトゥラエウムに掛けての暗帶が明確になってきた。

 

  30 Dec (λ=325°Ls):  My氏のω=021°Wが前日の像と對應出來る。アルギュレ邊りが朝靄の様に見える。ノアキスの様子はMo氏のω=002°W058°WKm氏のω=003°W~061°Wが冩し出している。ただ、Km氏像ではシヌス・サバエウスが棒状であるのに對し、Mo氏ではシヌス・メリディアニまで出ている。筆者(Mn)はこの日、ω=350°Wから049°Wまで追ったが、シヌス・サバエウスは充分濃いものの棒状であった。またアルギュレはMo氏のBでは出ていない(RGで強い--尚、最後ω=026°Wから056°Wまで二時間とばしたのは惜しい)。肉眼ではω=019°W邊りからアルギュレ邊りに明部が目につくようになったが、白色と判断している。Mo氏像で見るように、ノアキス暗帶はマレ・セルペンティスのところがまだ完全でない。ESgさんはこの後、ω=115°Wでの觀測だが、ソリス・ラクスは辛うじて見えるものの南極および南極環帶は非常に明るくて、而も境界がハッキリしている由。

 

 31 Dec (λ=326°Ls): この日はEVl氏がω=016°WCLa氏がω=036°Wはアラム近邊の浮遊黄塵を傳えている。両者とも前日と同じようにアルギュレ邊りに朝靄のような塊を見せている。TESで見る限り、強い擾亂は終わったようである。

 

♂・・・・・・ノート 南半球の夏至はλ=270°Ls、秋分はλ=360°Lsである。夏には氣團は南極から北の方に行き、偏東風が吹くと考えて好い。一方、秋分には赤道の方が暖まり、赤道から南極の方に氣團は動くであろう。そこで、λ=320°Ls邊りは中途半端なのであるが、今回の浮遊ダストの動きを見ると、この季節は秋型に近いようである。從って、最終は南極に集まり、途中東へ流れるのである。但しこれは朝から夕方に掛けての氣團のヴェクトルを意味するだけで、夜は殆ど對流が無いであろう。また氣團は黄雲の動きを指すものではない。黄塵をカタストロフとして起こすような潜在的な條件を保つ氣團である。カタストロフは條件さえあれば、毎日(多分朝)更新するし、共鳴も起こす。カタストロフは從って、連續する場合、東の部分が先陣になるから左の方から議論するが好い。一旦起こったカタストロフは颱風のようには動かない。次の日の條件によっては消滅し、また別の箇所に共鳴する。

 なお、秋型であると、氣團は冷やされやすいわけであるから、局所的な黄雲しか醸さないであろうと思う。

 

♂・・・・・・良像黄雲とは關係無い角度だが、ピーチ(DPc)氏の18Dec(λ=318°Ls)ω=239°W~263°Wはマレ・キムメリウムなどの描冩に優れている。ι42°だが、マレ・キムメリウムの北半分が濃い。南極冠も明確。同じ角度でのDPk氏の30 Dec (λ=325°Ls) ω=226°W229°Wの像もδ8.5"ながら見事に詳細を示す。エリダニアなどの明部も出ている。

 


・・・・・・次回は1 January (λ=326°Ls) から 15 January 2004 (λ=334°Ls, δ=7.6")迄の半月間をレヴューする。


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