波長較正メモ
### 作成: 2008 08/05
波長較正の手法は分散素子によって異なる。
○プリズム分光
○グリズム分光
○プリズム分光:
・いくつかの手法があるが、基本的なステップは共通(実際に実行したtask):
・ピクセル--波長 換算テーブルは、ZEMAXのsimulation結果を
再現する関数を用いる。
・ターゲット天体の波長較正は、天体スペクトルでの ピクセル-波長テーブルを
「なんらかの方法で」用意し、ホームページで提供しているcall関数を
用いてZEMAXの再現関数とのズレ量を推定する。
(gnuplot上でcall関数を実行すると、fitを自動で行いズレ量が表示される)
・ホームページで提供しているCプログラムを用いて上で推定したズレ量から
ターゲット天体用のピクセル--波長換算テーブルを新たに作成する。
・テーブルから波長較正したスペクトルの作成方法:
・1次元スペクトル をテキストデータにする(pix カウント)
・波長テーブルと同じ範囲のみになるよう上のテキストファイルを編集
・波長テーブルと結合する(paste)
・テキストファイルをfitsファイルに変換(rspectext)
・必要に応じて、dispcorで波長binの線形化を行う。
・上のステップの中で、ターゲット天体のピクセル-波長テーブルを用意する方法は
幾つかある(ただし、波長較正の精度は下になるほど悪くなる):
1: 観測条件が良く、天体のスペクトル内に輝線または吸収線が見えている場合:
・identifyで輝線/吸収線の波長同定を行い、ピクセル vs 波長 の
テーブルを作成する。
・ホームページで提供しているgnuplotのcall関数でズレ量を推定。
2: 天体のスペクトルに特徴的な輝線/吸収線が見られないが、観測の前後に
0.11mmスリットで分光している場合:
・0.11mmスリット、2素子プリズムを通して取得した
HgNeランプのスペクトル画像を1次元化し、波長同定する。
・0.11mmスリットで取得した天体スペクトルを波長較正する。
・スリットなしで取得したスペクトルを上のスペクトルと比較し、
ズレ量を推定。
(この場合、call関数を用いたfitは不要)
3: 1にも2にもあてはまらないが、観測前後に撮像観測を行っている場合:
・星像の中心位置を推定する(imexam,aなどで)
・直透過波長は「587nm」(実測値、設計では600nm)
・中心位置 と 直透過波長 でテーブルを作成する。
・ホームページで提供しているgnuplotのcall関数でズレ量を推定。
4:それ以外の場合:
・過去に整約した、同じようなスペクトルタイプの天体のスペクトルと
比較してズレ量を推定。
(この場合、call関数を用いたfitは不要)
#-------- 補足 ----------
・ZEMAXのピクセル-波長対応関数:
y = a/|b+x|^d + c + e*x
x: 結像位置(pixel)
y: 対応波長[nm]
・係数:
a = 2227.07
b = -279.986
d = 0.3662
c = 29.3246
e = -0.2725
・実際に実行したtask(ズレ量推定以降):
・fitの結果得られたdiff2を元に、波長データテーブルを作成:
cpw 0.358 outcpw_080613_hr5501_noslit_2prism_wavecalib_dif0358.dat
これをiraf作業ディレクトリにコピー。
・波長データテーブルとの統合:
listpix hr5501_1d_09.cw199s[*,*,1] > hr5501_1d_09.cw199s.txt
head -272 hr5501_1d_09.cw199s.txt | tail -142 > hr5501_1d_09.cw199s_p.txt
paste -d" " outcpw*.dat hr5501_1d_09.cw199s_p.txt > tmp1
cut -c26-35,52-65 tmp1 > hr5501_1d_09.cw199s.w.txt
・fitsファイルへ変換:
rspectext hr5501_1d_09.cw199s.w.txt hr5501_1d_09.cw199s.w.nl.fits title="HR5501" dtype=nonlinear
#---------------------------
○グリズム分光:
・0.11mmスリットで取得したHgNeランプのスペクトル画像を使用。
・手順:
・HgNeランプの1次元スペクトルを整約。
・ホームページ掲載のHgNe輝線テーブル表と同定グラフを元に
identifyで輝線を同定する。
パラメータ:
fit関数: legendre, 次数: 4
・refspecで天体スペクトルフレームに参照フレームを関連づける。
・dispcorで波長に換算する。
・実際に実行したtask(傾き補正後、1次元化):
twodspec
apextract
rotate hct_f20frs.d.fits hct_f20frs.cw199s.fits -1.99 interp=sinc
apall hct_f20frs.cw199s.fits 1 output=hct_f20frs_1d.cw199s format=onedspec reference=HR5501_s011_grism_7s_0010.cw199s.n.fits recen- trace- back- interac-
identify hct_f20frs_1d.cw199s.0001 coordli="/home/iso/iraf/HScam_HgNe2.dat" match=-5 maxfeat=25 fwidth=6 functio=legendre order=4
・3本同定した後、fit
・lを押して全て同定
・fitの後、残差の大きい輝線を消去して再度fit
・もう一度 l を押して全て同定
・fitの後、残差の大きい(±0.8Å以上)輝線を消去
・残りの輝線の本数は、
未回転: 18本
回転: 15本 (18本から 5790.64, 6682.96, 5769.60Åの3本を除く)
程度になっているハズ。
onedspec
refspec hr5501_1d_10.cw199s reference=hct_f20frs_1d.cw199s.0001 select=nearest confirm-
dispcor hr5501_1d_10.cw199s[*,*,1] hr5501_1d_10w.cw199s.fits lineari+ log- flux+ ignorea+