SMART検討会議事録

日時: 2002年11月14日(木)10時より
    於花山天文台
出席者:黒河、北井、上野(天文台)
    西村専務(西村製作所)
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◎CCD取付アダプタの形体

 スリーブ型を検討して来ているが、この場合、光軸に垂直平面内の位置調整
 や仰角調整が困難か。
 特に25cmオフバンド望遠鏡でのミノルタボックス後面での動きが取りに
 くい。
 やはり蛇腹的な構造も必要ではないか。→★CCDを取付けるベース板のシ
 フト機構を含め、再検討。
 ★ミノルタボックス(偏光モード)のカメラ側の面をもっと窪ませるよう、
  西村からミノルタへ検討依頼する。


◎対物レンズ周辺フード内の熱問題

 フード根元に通気孔を開ける事により、フード壁と内壁間に空調環流ガスを
 流入させる案を検討して来たが、これだけではフードや最前面の絞り板から
 陽炎が発生するとの指摘があり、この案はボツとする。

 代わりに、フード壁と内壁間に断熱材を埋める案が浮上。
 フード壁側、或いは内壁側、いずれかに30mm程度を目安に断熱材を取付
 ける。
 ただし、口径25cmの2本の望遠鏡については、この2つの壁の間の隙間
 が狭いので、前方はフードの径が大きくなるような構造にする必要あり。
 →★取外し方法も考慮の上、西村製作所が構造の検討を行なう。

 20cmHα全面望遠鏡についてだけは、対物レンズ前面のガラス板が1枚
 しかなく、この内側と外側の温度差による陽炎の心配が大きい。
 →もう一枚、同様の平面ガラスを取付ける。(★これはミノルタが予備用に
 確保しているものが利用できるか、要確認)


◎タワー頂上床の空調電機配管用の穴のサイズと位置

 西村製作所側からは250×600mmの穴を望遠鏡ベース板のすぐ南側に
 用意するよう要請があったが、NTTの図面によれば、このサイズは困難で、
 この場所には140×500mmが限度で、その他、より南側の作業床スペ
 ースや、東西両サイドの7cm幅のH鋼の隙間を利用せざるを得ないようで
 ある。


◎フード先の開閉蓋の開き角

 風による抵抗を避ける事等を考えると、270度開けられるのが望ましい。


◎20cm磁場望遠鏡1次焦点面での4チャンネルターレット

 西村製作所の検討の結果、2つの案が提案された。
 1)コリメータユニットとは反対側に回転させ、しかもターレット径を縮小
   させ、コリメータユニットには手を加えなくても良い方法。
   ただし、この場合、ターレットユニットが図面垂直方向の定盤(?)に近接
   するため、この部分の光学系を包む内壁は、定盤をもって代用しなけれ
   ばならないと考えられる。
 2)コリメータレンズユニットの入射側をφ69mmまで削り、ターレット
   を定盤から離す、関案

 →やはり定盤と内壁は離れていた方が良いと考えられるので、2の案の可能
 性を探る。★西村製作所からミノルタへ、レンズセルを削るよう要請。


◎対物レンズ、楔ガラス類の間隔

 西村製作所よりセル等の構造を考慮した、各素子間の間隔の提案があった。
 ★西村製作所よりミノルタへこの図面を提出し、ミノルタがこれに最適化
 した楔の仕様等を確認する。


◎25cmHαオンバンド望遠鏡の内壁、外壁間隔

 コの字型光路の、縦辺を515mmまで狭める事により、元々44mmだっ
 た間隔を69mmまで拡げた。


◎温度センサーによる制御内容の確認

 仮にここでは
 1番目の対物レンズ前方の空気の温度を計るセンサーを "G1センサ"、
 2番目の対物レンズ後方の空気の温度を計るセンサーを "G2センサ"、
 20cm磁場望遠鏡内、波長板部の温度センサーを "波長センサ"、
 空調環流ガス槽内の温度センサーを "空調センサ"、
 リオフィルタ周辺空気の温度センサーを "リオセンサ"、
 ファブリペローフィルタ周辺空気の温度センサーを "FPセンサ"、
 架台部に付ける外気温度センサーを "外気センサ"
 と各々呼ぶ事にする。

 1)対物レンズ周辺部

   対物レンズ後方のシートヒーターは、
   (G2センサ温度)<(波長センサ温度)+1℃
   になれば、自動的にオンになるようにする。

   対物レンズ前方のシートヒーターは、
   (G1センサ温度)<(G2センサ温度)-5℃
   になれば、自動的にオンになるようにする。

 2)観測室空調機
   (波長センサ温度)< 25℃-a℃
   で暖房自動オン、
   (波長センサ温度)> 25℃+a℃
   で冷房自動オン、
   になるようにする。(aは、0≦a<5の範囲の定数)

 3)波長板周辺のシートヒーター
   (波長センサ温度)< 20℃
   で自動オンになるようにする。


 4)外壁内面のシートヒーター
   (空調センサ温度)≦15℃
   になれば、オンになる自動モード と、

   積雪を溶かすための手動オンオフモード

 また、できる限り上記各センサの温度はPC等を用いてログを取る。
 特に、波長センサ温度のログは必須。

                    以上  (記録 上野悟)