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(9) 画像補償光学実験

太陽活動現象の謎を解くためには、太陽表面上の細かな模様の変化を とらえることが大事です。ドームレス太陽望遠鏡では、望遠鏡周辺の 「かげろう」よる太陽像の乱れをできるだけ抑えて、太陽表面上の 極めて細かなものまで観測しています。もっと細かな模様の変化を 観測するには、上空大気の乱れなどの補正をすることが必要です。 この補正を行う方法の一つに、補償光学的手法を導入することがあります。 これは、望遠鏡への入射光の波面の乱れを検出し、形状可変鏡で波面の乱れを 補正して、望遠鏡の性能限界までの細かな模様を観測するものです。 この補償光学的手法を導入するための基礎実験を種々行ってきました。 まず、入射波面の乱れをShack-Hartman法で検出する方法をテストしました。 これは、マイクロレンズアレーによって、主鏡の色々な部分からくる光の 波面の傾きを検出するものです(図1参照)。9月の実験では、2-3秒角の 波面の乱れがあることがとらえられました。このShack-Hartman法で とらえた波面乱れを用いて、同時に撮影したG-band像の補正を行ったところ、 微細な模様が得られることが確認できました。この他に、フーコーテストに より、主鏡上での波面乱れの分布の様子を調査しました。 9月の実験では、波面の乱れは、主鏡上で15cm程度の大きさであることが 分かりました。これらの実験資料は、補償光学装置設計の基礎データとなります。

(北井 礼三郎 記)



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